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10、当事者がつくりだす、「世界いち気持ちいい介護」。 #でぃぐにてぃ #訪問介護

障害の訪問介護。株式会社でぃぐにてぃ代表取締役です。頸損C5の電動車椅子乗り、バンドマン、水泳部、歴史、チャイ、ジンジャーエール、黒糖焼酎。好きな言葉:Getting Better-The Beatles 介護とRock!(吉田さんTwitterプロフィールより)

以前からお会いしてみたいな〜と思い続けていた、吉田さんにお会いできたのが先月。訪問介護の現場と、吉田さんが懇意にされている通所介護施設を訪問させて頂けるとのことで、現在私が進めている事業の建築チームとともに、吉田さん宅におじゃました時の写真です。

でぃぐにてぃのスタッフ、岡崎さんとともに吉田さんのお宅を訪問すると、吉田さんがベッドに横たわってらっしゃる(!)
実は吉田さん、学生向けのインターンシップとしていきなり吉田さんご自身の介助からスタートする(!)というプログラムをされています。

一番最近のインターンシップの様子がわかる、でぃぐにてぃさんのnote記事をご紹介しますね。

記事の流れの通り、私たち3人と、当日ご一緒した角原さんという学生で起業家の方とともに、吉田さんを介助させてもらいました。
私以外の参加者は介護初心者、私自身、老人ホームの現場にいたのが約8年前ですから、ほぼ初心者という状態からスタートです。

吉田さんの靴下、下着、そしてズボン、ベッドから車いすにリフトを使って移り、今度はシャツを着るという流れのお手伝い。(写真は、リフトを使って上がろうとしている吉田さんの様子です)

私が担当したのは、綿素材の長ズボンを履くお手伝いだったのですが、たくしあげて右足、左足と交互に上にあげていきながら履いていく・・、子どもならまだしも、大人の身体は重くて大きい。

【介助側の視点】として感じるのは、【綿素材よりも、もっとストレッチの効いた素材の方が履かせやすいぞ】というもの。でもこれって、あくまで【介助側の視点、都合】なわけです。結果として、高齢者施設でよく見かける光景が、ジャージ姿の方々。これって珍しくない光景なんですよね。確かに本人がジャージを着たいというのなら話は別ですが、普段から着ている洋服を着て過ごしたいはずですよね。

他にも、
・シャツを着た際にズボンにしっかりと入れることで、車いすに乗っている状態でもシャツがずれないコツ(日中快適に過ごせるために)
・ベット上でズボンを履いたあと、車いすに乗ったときに、足首が出ているときは、再度車いす上でズボンの裾を下げる方法(秋から冬にかけて、足元が冷えている人たちが多く、それによって問題行動と呼ばれる行為も出るのではないかという視点もお話くださいました)
・スボンの真ん中、シャツの真ん中をきっちり合わせて、見た目にもピシッと洋服を整えること大切さ など。もちろん他にも、靴の履き方など細かい点はたくさんありました。

こうした服装の視点も、介助される当事者だからこそ気付けること。吉田さんはその視点を、しっかり声に出してくださるので、ハッと気付かせてくれるのです。これってすごく有り難い。なぜなら、高齢者になると、【もの言う人】はすごく少なくなるからです。もちろん人によって差はあるものの、ほとんど大多数が、黙っていることが多くなります。だから、介護士も気付けないことも多くあるのだと思います。
私自身、老人ホームを運営していた時にはあまり気付けていなかった視点がとても多く、いい意味でとても衝撃を受けました。

寝室からリビングに移り、今度は歯磨きやひげそりなど、身なりを整えていきます。

吉田さんが1人でも歯を磨けるよう、作業療法士が可動域をとらえ、その角度や装置を実装する技師、そして周辺の細かい調整を介護士がサポートする。歯磨きする動作一つとっても、多職種が関わっています。

吉田さんが身なりを整えている間、集まった参加者同士、今日はどんな目的で集まったのか、バックグラウンドを互いに話す時間を持ちました。その後、デイサービスふるさと和みさんへ共に行かせて頂き、過ごさせてもらいました。

その後、2020年開業に向けての事業打ち合わせでも、建築のアプローチなど大いに話が進みました。

吉田さん、一度朝食をとられてから、私たちの訪問のためにもう一度ベッドに戻られ待機して頂いたり、スタッフの方の都合をつけてくださるなど、様々なご準備を頂き本当にありがとうございました。

吉田さん、でぃぐにてぃさんの掲げる「世界いち気持ちいい介護」。言葉だけでなく、動作ひとつとっても、「世界いち気持ちいい介護」を追求し続けるその様子を間近で体験させて頂いて、鳥肌がたちました。

誰もがこうした介護の動作ひとつとっても本人にとって気持ちいい介護になるように。吉田さんの魂の叫びそのもの、生き様をしっかり目に焼き付ける素晴らしい時間となりました。心からお礼申し上げます。

藤岡聡子
株式会社ReDo 代表取締役/福祉環境設計士
info(@)redo.co.jp
http://redo.co.jp/

私、藤岡聡子については、下記記事を読んでみてください。
・灯台もと暮らし
【子育てと仕事を学ぶ #1 】藤岡聡子「いろんなことを手放すと、生死と向き合う勇気と覚悟がわいてきた
月刊ソトコト 巻頭インタビュー
・soar
「私、生ききった!」と思える場所を作りたかった。多世代で暮らしの知恵を学び合う豊島区の「長崎二丁目家庭科室」

おまけに:
読み物:人の流れを再構築する、小さな実践について|藤岡聡子
人の流れはどのようにして新しく、懐かしく再構築できるのだろうか?その大きな問いに対して、小さな実践を綴っているマガジンもあります(本音たっぷりで書いています。)