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Bluetoothイヤホンと耳コピ

先日、久しぶりに耳コピをしようしたときのことです。

新しくしたパソコンに耳コピに使うソフトを一つずつインストールしながら、いつぶりだろうかと記憶を辿ると約7年ぶり。学生の頃は時間があれば黙々と耳コピをしていたことを懐かしみながら、環境を整え、「さぁ準備が整ったぞ」と Bluetooth イヤホンを耳につけ、耳コピする曲を再生したその瞬間。

あれ、裏世界ってどうやって入ればいいんだろう...?

私の頭の中で、一つの疑問が沸き上がったのでした。

耳コピとは

皆さんは耳コピをご存じですか?
耳コピとは、ある楽曲を、聴くことを頼りにして楽器等で再現(演奏)する技術のことを言います。読んで字のごとく、耳でコピーするということですね。

耳コピを使って曲を再現する作業は単純です。曲をある程度聴いてはその部分を演奏して記憶に残すか、楽譜に書いて残す。たったこれだけです。
この作業を、再現したい分だけただ繰り返すのです。
ただ一回でどれだけの長さを聴くのかや、同じところを何回繰り返すのかは、耳コピをする人の技術や能力であったり、どれだけの再現度を求めるか等によって違ってきます。
かのモーツァルトは一度聞いただけで曲の全てを後から楽譜に起こせたと云われていますが、私の場合はそうはいかないので、ちまちまと聴いては楽譜に書き起す必要があり、聴く長さは音符の量や旋律の覚えやすさによって変わってきます。

耳コピをする身としてはこの作業はわりと地味な作業だと思っているのですが、耳コピができない方からすると聴いただけで原曲が再現される過程に感動があるらしく、「すごい!」と目を輝かせてくれたりします。
最近だと Youtuber の ゆゆうた さんが耳コピする様子を LIVE で配信していて、視聴者にも人気のコンテンツになっているようです。

私の耳コピのこだわり

私はよく、ピアノの譜面を耳コピします。
ジャンルとしてはドラマやアニメで流れるピアノの挿入歌が多いです。特に感傷的なシーンには良く合うのかピアノのみの曲が多く、私としても視聴していた際の感情を思い出すので好きなことと、そういった曲は発売されるサントラに含まれるものの、ほとんど楽譜として出てこない(出版されたりしない)ので、ある種のレア感があるため耳コピするモチベーションにもなるからです。
もちろん挿入歌以外にも自分が良く聞く曲であったり流行りの曲も耳コピしますが、その場合もピアノパートを耳コピすることが多いです。

何故ピアノ譜ばかりなのかに大した理由はないので割愛しますが、私が耳コピする上でこだわっていることが一つあります。それは、

できるだけ忠実に原曲の「音」を拾うこと

です。
可能な限り鳴っている音のみを拾い、実際に鳴っていない音は極力楽譜に残さない。聞いている曲が収録されたときの演奏者が鳴らした音のみを拾いたい。そんな変なこだわりです。
(あくまでも私が耳コピするときのこだわりです)

このこだわりを貫くとき、次のような問題に遭遇します。

1. 早すぎて聞き取れない
2. 他の楽器や歌声によって聞き取れない

まず「早すぎて聞き取れない」です。
BPM (Beats Per Minute の略。曲の速さ) が速い曲の耳コピをする際によく陥りいますが、比較的ゆっくりなテンポの曲であっても 32 分音符が出てきたりすると、一つ一つの音が鳴る時間が短くなり、また前後の音との間が詰まるので聞き取りにくくなります。
この場合には手っ取り早く再生ソフトの力を借りて、スロー再生するのが一番です。音楽プレイヤーソフトには 0.5 倍再生等をしても音程を保ったまま再生してくれるものがあるので、その機能を活用することで1音1音をじっくり聞くことができて、早すぎて聞き取れない問題をクリアすることができます。

次に「他の楽器や歌声によって聞き取れない」です。
例えばある楽器の8分音符が続いているフレーズ中で、あるところだけその8分音符が聞き取れず、抜ける場合があります。
ただこれには「8分音符がそもそも鳴っていない」場合と「8分音符は鳴っているが他の楽器の音で聞こえない」場合の2通りがあり、そのままだと原曲がどちらかなのかが判断できません。
(注: これはあくまで私の変なこだわりのせいです。正直に言って耳コピならどちらでも良いと思います。聞こえないので鳴っていないとして良いですし、フレーズの流れからして鳴っているものとしても良いと思います)

この音を聞く方法に、1つはイコライザーを使う手段があります。イコライザーを使って聞きたい音を強調し、逆に消している音を弱くするのです。
ただこの方法を使っても聞き取れない場合があります。
さて、どうするか。

この場合に私が良くやるのが、「裏世界に入る」です

(そもそも聞いている音源にその楽器の音が入っていない場合、これはどうやっても聞くことができません。なので、これら対処方はあくまでも音源には入っているが、他の音と混じってしまって聞こえない場合の方法です。)

裏世界とは...!

もったいぶってしまいましたが…
裏世界とは、「有線のイヤホンがちゃんと奥まで刺さっていないときに聞こえる音」のことです。これを私は勝手に裏世界と呼んでいます。

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(左が私の Google Pixel 3a で裏世界に入った様子。右のようにちゃんとプラグを刺した状態から、若干プラグが抜けている。)

恐らくこの状態の変な音を聞いたことがある人はそれなりに居るのではないかなと思います。
ボーカルのある曲であれば、ほとんどの場合 Off ボーカルバージョンを聴いているような感じになります。
(私が確認しているのでは 3.5mm イヤホンプラグの場合のみです)

多くの人がこの状態になった際、ちゃんとプラグが刺さってないんだなと刺し直して音楽を楽しむことと思いますが、耳コピ中に先述の 2. に陥った際、あの変な状態が非常に役立ちます。
恥ずかしながら何故あの状態になるのか、あの状態は一体どういうことなのか全くその原理を知らないのですが、特にピアノの音が他の楽器等にかき消されて聞こえない場合、この裏世界から聞くと割とはっきりと聴くことができます…!!

最後に

この裏世界を私自身最後に使ったのが7年以上前なので、最近では何らかの問題等が解決されて入れなくなったのかとも思いましたが、先の画像の通り今どきのスマートフォンであっても、裏世界には入れるようです。
有線イヤホンをお持ちであれば、ぜひ試してみてください。少々コツは要りますが、簡単に入ることができます。

この裏世界はあくまでも有線イヤホンの物理的な接触を使うので、当然ながら Bluetooth の送受信機が内蔵されているスマホやノートパソコン等から入ることはできません。
ただ 3.5mm のイヤホンジャックと繋ぐ形式の Bluetooth 送信機もあるようなので、もしかするとそれを使うことで Bluetooth イヤホンで裏世界を聴くことができるのかも知れません。

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