見出し画像

【コラボレーターの仕事術】世の中のママたちが「働く」「自分らしく生きる」の両立をお手伝い 株式会社mog代表取締役社長 稲田 明恵

今回インタビューさせていただいたコラボレーターは、「ママ、お仕事がんばって!」の頭文字が社名になっている株式会社mogの稲田 明恵さんです。

ワーキングママたちが、時間の制約があるなかで働くことが簡単にはできない現状を変えるべく、転職支援の事業を立ち上げています。

人の可能性を最大限に発揮できるような働き方を考え、支援している稲田さんはどんなきっかけで事業を始めたのか、今後はどんなビジョンを持っているのか、お話を伺いました。

画像3


■働くママ向けのサービスを立ち上げ

ーー今までの経歴や現在に至るまでの話をお聞かせください。

稲田さん(以下、稲田):母親は先生というお堅い家庭の長女として生まれました。大学は教育学部を卒業して、2004年に人材サービスのインテリジェンス(現・パーソルキャリア)に入社。そこからdodaの営業やIT業界の採用支援を担当しました。

転機は、20代のときに障害者雇用の担当に手を挙げて異動したときです。人事として自分で採用するだけでは物足りなくなり、「もっと世の中に良いサービスを提供したい」と考え、『dodaチャレンジ』という障害者雇用を支援するサービスを立ち上げました。現在は事業も大きくなり、パーソルチャレンジ株式会社というグループ会社になっています。30代半ばでは人事のマネージャーとして採用・研修を担当し、社員全体の採用ルール策定などの仕事をしました。

その後、1年間育休を取ったのですが、その頃はキャリアについて悩んでいました。直近まで人事の仕事をやっていて、人事の仕事は自分に向いていないと感じながらも、会社からは求められているということに葛藤する毎日。「日本の働き方をもっと柔軟にしていきたい」「人の可能性を最大限に発揮できるような働き方に変えるための施策やサービスを創りたい」という志でインテリジェンスに入社したので、当時の仕事内容にもジレンマを抱えていました。

そんなことを考えていた育休中に、教育系NPOで採用をボランティアとしてお手伝いをすることに。10年以上、人事や採用にかかわってきたので、業務自体は問題なくできましたが、正直、その仕事内容に面白さを感じることはできませんでした。

子供を保育園に預けてでもやりたい仕事とは何かと考えたとき、やはり私は新しい事業を生み出していきたいのだと確信しました。そして自分自身が育休中にボランティアという体験を通して気づくことがたくさんあったので、キャリアで悩む人たち、特に育休中のママたちが、「体験」することで得られることはたくさんあると感じていました。そうして『ママボラン』というママさんが他社でボランティアをするというサービスをパーソルのなかで立ち上げ、その後2019年に株式会社mogを創業しました。

mogは、ワーキングママ専門の転職支援サービス『ママリブラ』と『ママボラン』の2つの事業が主軸になっています。創業から半年たたずにコロナが蔓延し、いきなり苦境に立たされました。社員が全員子育て中のため、コロナによる休園・休校で仕事ができない日も。一方で、『ママリブラ』においては、追い風になりました。それは、コロナによりリモートワークが広がり、場所を選ばずに働ける求人が増えたためです。オンラインで働いたり、面接を受けることが当たり前になり、ママ向け求人が増加しました。

画像3

■「何のために働くか」一貫性を持つ

ーーアイデアをしっかり形にしていますが、うまくいった要因は何だと思いますか?

稲田:自分から湧き出るエネルギーの火を絶やさないことが最も重要だと思っています。事業をやっていて、私の心が折れてしまったら社員たちはついてきません。もうひとつ大事なのは、無理せず心身を健全に過ごすこと。社員6人、全員の子供を合わせると10人になるので、その人生を背負っているというプレッシャーで眠れないときもありますが、無理をしないで寝るときは早めに寝ますし、会いたい人がいたら会いにも行きます。人との出会いや美味しいものを食べに行くなど、自分が元気になることに対して貪欲でいることは必要だと思っています。

あとは「自分が何のために働くのか」が一貫していることです。私の父はサラリーマンで、社内の幹部候補だったのですが、途中で仕事が嫌になり早期退職して、もう20年くらい専業主夫をやっています。正直、もったいないと思っていて。子供だけではなく大人も、生きている限り成長し続けていくものです。大人の成長は仕事を通じて得られるものだと考え、そういった大人の成長を支援したくて私は働いています。仕事は人生の一部。自分らしく働ける社会を創りたいと思っています。

画像3

■ママたちが生き生きと働ける環境を作る

ーー今後のビジョンや、やってみたいこと、コラボレートしてみたいことなどありましたら教えてください。

稲田:株式会社mogは「ママ、お仕事がんばって!」の頭文字を取っています。社名が企業ビジョンでもあります。これは、ママたちが仕事に出かけるときに家族が「ママ、お仕事がんばってね」と言って送り出してくれる、そういう社会にしたいという想いなんです。

ママ自身が「仕事が好きで楽しい!」となれば周りも応援してくれると思いますし、子供たちも働くことは楽しいと感じると思うんです。しかし、まだそうなっていないのが現状です。転職支援では「17時・18時には保育園にお迎えに行きたい」というママは多いのですが、正社員で時間の制約がある方を採用しようと考える企業はまだ少ないのが現実です。残業ができたり、フルタイムで働けて一人前という考え方がある企業も多くママが転職を通じてキャリア形成すること、自分らしく働いて生きていくことを実現するのは難しいです。

mogの会社ビジョンとして『「生きる」と「はたらく」をもっと近くに』を掲げています。どちらかを犠牲にするのではなく、働き方に制約がある方も会社のなかで戦力として活躍できるような社会を作りたいですね。

▼ワクセルコラボレーター
株式会社mog(ママ、お仕事がんばって!)代表取締役社長 稲田 明恵さん

<プロフィール>
東京学芸大学 教育学部 国際教育課程 2004年卒

新卒で株式会社インテリジェンス(現・パーソルキャリア株式会社)へ入社。人材紹介の法人営業を経験後、特例子会社や障がい者雇用支援「DODAチャレンジ」など、20代で事業責任者として新規事業の立ち上げを経験。その後、社内異動により、人事マネージャーとして人事労務の運用、研修・採用領域を担当。

2015年12月、第1子の出産を機に、ワーキングママが抱える悩み・不安を解消したいと「ママボラン」を構想し、業界初のボランティアマッチング事業を展開。

2019年8月、女性が仕事を通じて自己実現できる社会を目指して株式会社mog (ママ、お仕事がんばって!)を創業。

<代表作・主な実績>
Frauでの漫画・コラムの連載
主に育休中など子育てとキャリアを両立するワーキングマザーに対する研修・カウンセリング実績多数

会社HP 株式会社mog(ママ、お仕事がんばって!)

転職サービス ワーママ転職ならママリブラ

■SOCiAL BUSiNESS COMMUNiTY『ワクセル』
ワクセルは、コラボレートを通じて、人に夢を与え続けていくソーシャルビジネスコミュニティです。健全に学び、チャレンジし、成長し、達成し続ける人が次々と集まるコミュニティを作り続けます。 さまざまな分野で活躍する著名人や経営者、クリエイターの方々とコラボレートすることにより、下記の取り組みやコンテンツ制作を行っていきます。

・YouTube等での番組配信
・オンライン講演会
・出版プロデュース
・プロジェクト創出
・対談、インタビュー記事制作

ワクセル公式HP(主催:嶋村吉洋)

ワクセル公式チャンネル

ワクセル公式Twitter


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?