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【コラボレーターの仕事術】圧倒的に"わがまま”に生きる。アートで世界平和を実現 株式会社Brave EGGs 香川 智彦

今回インタビューした香川さんは、大きな病気を患い、自分のやりたいことができない状況をきっかけに「圧倒的に"わがまま”に生きよう」と決意しカメラマンとしての人生をスタートしました。ルワンダでのファッションショーをきっかけに、「写ルンです」を活用した子どもたちの自立支援プロジェクト『写ルン族(しゃるんぞく)』を立ち上げ、子どもが撮影した写真とアーティストのコラボ展である『“共鳴”展』を開催。現在はルワンダでプロ写真家育成学校の運営に力を入れています。

香川さんが今の仕事に至るようになったいきさつやきっかけ、カメラマンとしての取り組みや、今後のビジョンについてお話を伺いました。

写ルン族Exhibition Tour“共鳴”神戸・北野展の会場にて 家族とスタッフの子どもと一緒に記念撮影

■圧倒的に"わがまま”に生きる


ーーこれまでの経緯やきっかけを教えてください

香川さん(以下、香川):2013年頃、特発性血小板減少性紫斑病(※血が止まりにくくなる症状)を発症しました。治療にステロイドを服用しましたが、副作用がひどく全く身体が動かせなくなってしまいました。手術を経て寛解しましたが、今度は脚が痛くて動けなくなりました。特発性大腿骨頭壊死症と診断され、医者からこれ以上走るのは無理だと宣告されました。小中高大学とずっと運動部に所属し、社会人ではトライアスロンに出場するほど身体を動かすのが好きでしたが、諦めざるを得なくなりました。

「なんで俺ばかり」と、正直絶望的な気持ちになったことを覚えています。

この経験から心に決めたのが、「それなら圧倒的に"わがまま”に生きよう」ということ。本当に人間はいつ死ぬかわからないし、いつ自分がやりたいことができなくなるかわからない。であれば、自分自身が本当に大切だと思うことのために自分の命を使う。そうしないと、いつ後悔するかわからない、という恐怖心からの決意でした。

運動をあきらめざるを得なくなった時に、改めて自分の手元にあるものを見直してみたところ、「あ、俺にはカメラがあった」と気づきました。そこから本格的に写真の勉強を始めました。今の作風につながるのは2017年にカンボジア旅行をした際に、撮影した写真が写真展で入賞したことが大きいです。元々人の命を生々しく写し込む川内倫子さんの作風が好きだったのですが、その写真も川内倫子さんの影響がかなり出ている気がします。作風は全然違うんですけどね。

■『写ルン族』でルワンダの発展に貢献


ーーカメラマンとしての経歴を教えてください。

香川:きっかけは、写真の勉強を始めてしばらくして、プロカメラマン養成講座に出逢ったことでした。初回の講義の日、2017年7月1日に「今日から俺はプロカメラマンになる」と宣言しました。そこからは出張撮影カメラマンとして活動をしていました。ただ、やっていく中で「ちょっと違うな……」と感じ、今ではほとんど活動していませんけど(苦笑)
今では作品撮りをする「写真家」としての活動に重きを置いています。

ルワンダとの関わりは現地のシングルマザーのサポートをしている友人からの誘いです。彼女から「ルワンダにも写真を撮りに来てよ」と言われたことがきっかけとなりました。さすがにルワンダに撮影に行き収益を出すことは難しいので、プロジェクトを立てて収益化することを考えました。

「ありふれたドキュメンタリーは不要だから、ルワンダのママたちをハッピーにしてほしい」と依頼され、どうしようかと考えていたときに、隣国コンゴの「サプール」というおしゃれの文化を思い出しました。「服が汚れるから戦争にはいかない」という紳士たちが蛍光色のスーツを着て街を闊歩しているのです。

そこからインスピレーションを受けて、「スラムのママたちにモデルになってもらいファッションショーをしよう」と話が進み、2019年にスラムのど真ん中でファッションショーを開催。200〜300人くらい集まりました。

確かにファッションショーはいい思い出にはなりました。しかし、誰もこれでご飯が食べられるようになったわけではないというのも、どうしようもない事実。写真家として彼ら彼女らに写真を教えて経済的に自立して欲しいという想いもありましたが、一眼レフを集めることと、一眼レフを渡した後の管理が大きな課題になります。これが大きなハードルとなり、打つ手なしの状態で半分諦めていました。

2020年の6月に大きな転機が訪れました。池袋の路上でアーティストの鈴木掌(すずきつかさ)さんとばったり出会ったのです。彼はルワンダの子供に絵を教え、その作品を買い取ることで生活費を渡し、その絵を日本で売る活動をされています。その時の彼の一言が大きかった。

「かっこいいものや綺麗なものはいらないんじゃないかな。ピュアでプリミティブな子どもたちのエネルギーを表現できることが一番うけると思う」

「なるほどなぁ」と思案していた時に、ふと向かいにあるビックカメラの垂れ幕が目に入りました。そこに「写ルンです」と書かれていたのです。これならいけるかもしれない!

「写ルンです」の粗い写真は、ルワンダの土っぽさにマッチするように思いました。また、「写ルンです」は1台1000円程度。仮に盗まれたところで、それすらも笑い話にできる。そして子どもでも十分に使える。

さらに「モノクロプリントした上で鈴木掌さんの色彩を載せたら、どんな世界になるんだろう」と思いつき、彼に話をしたところ快諾してもらいました。これが『写ルン族』のきっかけです。最初は、彼の個展の片隅に子どもたちが撮影した写真を展示させてもらうことから始めました。

そうこうするうちに、徐々にアーティスト仲間が増えていきました。そこで思いついたのが、鈴木掌さん以外のたくさんのアーティストに作品を制作していただき、そのコラボ展を開催したらどうだろう、ということ。これが『写ルン族Exhibition Tour“共鳴”』です。

2022年5月現在、共鳴展は5回開催されており、参加アーティストの数は20名を超えています。作品販売利益の50%はアーティストに還元し、残りの50%は写ルン族の活動費として活用させていただいています。この資金を活用し、2022年3月にプロ写真家育成学校「Brave EGGs Art Academy」をルワンダに開校しました。

■やると覚悟を決めてやり続ける


ーー今後のビジョンについて教えてください

香川:まずは「Brave EGGs Art Academy」を継続的に運営し、生徒たちが自立できるようにしていくことです。この学校はオンラインとリアルのハイブリッドで講義を提供しているので、他の国にも拡げていくことが可能です。この活動が広がっていくと、結果的に世界平和につながると考えています。作品に現れる宗教的・文化的背景による「違い」はお互いの気づきにつながり、作品に込めた思いは相互理解を深めます。

そんな深い対話をした人間同士が、殺し合いにはならないと考えます。そして、経済的に一人ひとりが独立して貧困がなくなれば戦争はなくなります。世界中の子供がオンラインでアートや写真を学び、対話ができて経済的に自立していくことが目標です。

何かを始めるには、じっくり戦略を立てる(やり方を考える)ことよりも、少し考えて良さそうだなと思ったら小さくてもいいので「やる」と覚悟を決めてどんどん変化させながらやり続けることが大事だと考えています。

動き始めると、たくさんご縁が生まれます。そのご縁を大切にし、一つひとつのご縁に感謝しながら動き続けることです。もちろん動けばいろんなことが起きます。場合によっては望ましくない結果が起きるかもしれません。それすらも受け入れることです。また、相手が何をやってくれるかは期待してはいけません。期待があると失望につながります。期待がなければ相手の行動は感謝で受け止めることができます。そうするとまた次のいいご縁が生まれてくると思います。

▼ワクセルコラボレーター
株式会社Brave EGGs 代表取締役社長、株式会社MIX UP 代表取締役社長
アート×社会課題プロジェクト仕掛人
シルクスクリーンアーティスト
写真家、戦略&DXコンサルタント
香川 智彦

<プロフィール>

<経歴>
1982年9月23日香川県生まれ
京都大学経済学部卒業

株式会社Brave EGGs 代表取締役社長
写ルン族(しゃるんぞく)プロジェクト代表、Brave EGGs Art Academy主宰、Setouchi Art Jack主宰
生き様写真家、シルクスクリーンアーティスト、アート×社会課題プロジェクト仕掛人、戦略&DXコンサルタントとして活動中。

一見エリートっぽいキャリアだが、実はサラリーマン時代数回クビになりかかる、ダメ会社員の典型(その度人に救われ何とか生き延びる)
キャンプ大好き、料理大好き、元ボクサー&トライアスリート、うどんはソウルフードだが最近控え中、家が超オシャレ(自慢)、子どもたちが3人ともかわいすぎる(自慢)。

会社員時代、昼夜を問わぬハードワーク(および飲み)に身体を壊しほとんど身動きできない状態に。寛解するも薬の副作用で大腿骨頭壊死を発症、超・体育会系人間がまともに走れない状態になる。この経験を経て「自分が大切だと思うことのために自分の命を使う」ことを決意。改めて写真を勉強しなおし、2017年複業カメラマンとして活動開始。2018年独立・起業。ただ写真を撮ったり作品を作るのではなく、写真やアートを通じた社会課題の解決を目指した仕掛けを行っている。
京都芸術大学通信制教育部写真コース在籍中

■代表作・主な実績
2017年
JEARA主催Art Photo展にて来場者投票によって選ばれる「オーディエンス賞 優秀賞」受賞

2019年8月
Rwanda Happy Mother Project企画・開催。ルワンダのスラムに住むシングルマザーをモデルに、スラムのど真ん中にて300人の観衆を集めるファッションショーを実施

2020年
いすみ鉄道オフィシャル写真集「いすみ鉄道キハ52‐125写真集 Isumi Pride」

2021年5月~現在
ルワンダの子どもが「写ルンです」で撮影した写真を素材に、コシノヒロコや鈴木掌をはじめとする日本人アーティストたちがアートに昇華した作品の展示・販売「写ルン族Exhibition Tour“共鳴”」をこれまで計5回開催(新潟、六甲、高松、大阪)し、計350万円ほど売り上げている

2021年8月
写ルン族の活動の一環として100台の「写ルンです」をルワンダに持参し、スラムの子ども達に撮影を依頼し買い取り。買い取った写真は「写ルン族Exhibition Tour“共鳴”」の素材としてアーティストに提供

写ルン族Exhibition Tour“共鳴”高松展の取材にて
2021年9月21日 朝日新聞
2021年9月22日 RNC西日本放送(日本テレビ系列)News Every
2021年9月24日 毎日新聞
2021年10月4日 産経新聞
2022年4月27日 産経新聞
他多数のメディア掲載

2022年3月5日
ルワンダにてアート、写真、ビジネスを教え子ども達の経済的自立を目指す学校「Brave EGGs Art Academy」開校

■公式ホームページ、SNS等
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■SOCiAL BUSiNESS COMMUNiTY『ワクセル』
ワクセルは、コラボレートを通じて、人に夢を与え続けていくソーシャルビジネスコミュニティです。健全に学び、チャレンジし、成長し、達成し続ける人が次々と集まるコミュニティを作り続けます。

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・YouTube等での番組配信
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