この粉引の徳利ほしいなぁ。 大阪市立東洋陶磁美術館 が改装中の為、その所蔵品が東京は六本木に来ています。 コレクションを成した安宅産業のメインバンクの住友の縄張りで展示されてるのが、何やら趣深いですね。(コレクション散逸を防いだ、住友グループの見識はもう少し評価されていいはずです。台北の故宮博物館と比べても遜色ないし、なにより日本人の審美眼を端的に現したコレクションです。) スペース的に少し詰めすぎの展示と、ライティングは大阪みたいに天然光ではないので、天目や青磁は見え
年末に衝動買いした、古伊万里の金彩赤絵八寸鉢。 江戸中期の前より?あたりでしょう。 小さなホツがあるだけで、ほぼ完品。 赤絵も金彩もよく残っています。 この時期以降、技術的に安定期を迎えた伊万里は急速に完成度を上げていくのですが、その手前あたりの品物です。 薄手で、恐らくこれを作った陶工や画工の座辺には古染付や 五彩や豆彩が置かれていた事でしょう。 完成度は高まれば高まるほど、なぜか品物の魂はどこかに抜けていくものです。 だからといって、技術的に稚拙だから良いわけで
桑原弘明 展@ギャラリー椿 (撮影と公開の許可は頂いてます。) 手のひらサイズの真鍮の箱。 覗き穴を見ると中にはミニチュアの景色が。 例えば中にさりげなく置いてある椅子も、米粒より小さかったりします。 一年で10個も作れない精巧なミニチュアですが、今、京橋で大規模な展覧会が開催されてます。 過去に作られたスコープ60個(前期30個 後期30個)をコレクターからお借りして、一気に展示。おそらく作者ご本人ですら、これだけ御作が並んで見る機会は、まずないと思われます。 桑原
期待値を上げすぎた、のかなぁ、、、。 (以下ネタバレがあります。) ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ まずシナリオがよくわからなかったです。 なんでこう人物達の行動やセリフが唐突なのでしょう。 特に肝心なツトムや真知子は一貫性がなく、裏側のエピソード(過去、現在がどんな人生か)も見えないから、キャラクターが不安定にみえます。 そもそも・・・いや・・・ ⭐︎ 突然ですが、映画っていうジャンルも大変だよなぁと改めて思い直しました。 まず数年前からお金とスタッフを集めて、今回の映画なら
フランクロイドライト の設計した傑作。 動画にしてみました。 建物全体は細長い、船みたいな形なのです。 それが日当たりのいい山の斜面に突き刺さっていて、船の舳先は瀬戸内海に向いている、と言えば想像しやすいかと思います。 最も感心したのは、採光。 太陽がどの位置にあっても、館全体に光が入るよう、あちこちに小窓が多用されてます。奥の廊下のちょっとした位置からも光が漏れて、常に建物内が明るい。 ライトの建築と言えば落水荘が有名ですが、やはり人工物と自然の調和をよく考えた建築
京都に行くと必ず立ち寄ります。 一階リビングのハイバックチェアか、2階の窓際の無垢材の椅子がお気に入りで、何をするでもなく、ただぼんやりと小一時間ぐらい座っているだけです。 民藝運動の是非はもう散々語り尽くされたでしょうが、今の生活工芸という新しい酒は、民藝 という革袋から注がれているはずです。 『仕事が暮らし暮らしが仕事』は、恐らく河井の残した最も有名なフレーズですが、この記念館にいると、嫌味にもお説教にも聞こえない。 ただ素直に説得されます。 駒場の日本民藝館や
「毎月、同じ文字を3日間書き続けて、1番良いものを次の月の手本とします(※1)。でもね、自分でも良く書けたな、というのは、不思議と1日というか、半日しか無いのよ。 しかも書き慣れた3日目とは限らない。 初日を超えられなかったり、2日目がピークだったり。50年以上、繰り返しやってても変わらないものね。。。」 ⭐︎ もう、5年になる。 いつも通り自宅から5分ほど自転車で坂をくだれば、築70年を過ぎた、あの畳屋の古い格子戸が開いている気がする。 年毎に急になるような、勾
あな、うれしや。 明後日の月曜日、圡楽窯に密着した中江裕司監督のドキュメンタリーが再放送されます。 私の家にはテレビもなく、映画館にも一年で片手もいかない、ネットフリックスもアマゾンプライムも契約してない、映像音痴ですが、去年感動した芸術作品を三つ選べと言えば、間違いなくこのドキュメンタリーが入ります。 (ネットで検索しても、どこにも感想がなく、そのうちnoteに自分で詳しく書いたれ、と思ってました。でも再放送が決まったという事は根強いリクエストがあったという事でしょう
今年の夏前のことです。 御縁があって朝日新聞(6月10日付、最後にリンクあり)の夕刊に拙作の皿を載せたいから、いくつか送ってほしいというご依頼がありました。 なんでもお笑いの「ナイツ」塙さんの思い出のお菓子を紹介するコラムで、実際のお菓子をのせた写真の使いたいとの事でした。ありがたいことだなぁと思いつつ、はて?プロのカメラマンは拙作をどんな風に料理してくださるのか、イタズラ心がムクムクと湧いてきました。 結局、4皿を送らせてもらいましたが、ちょうど秋になり和栗のモン
「道頓堀夜景(池島勘治郎) 池島勘治郎(いけしまかんじろう 1897~1980年)は、大阪の街場を拠点として活動した水彩画家だ。 独立美術協会(※語注1)の割と早い時期のメンバーであり、美術年鑑によれば、結構な額の値段がついている。 各美術館にコレクションもされていて、往時の活躍がしのばれるが、令和の現在、ほぼ忘れられた画家である。 ☆ ひょんなきっかけで、池島の水彩画が手に入った。 額縁とマットが、ボロで染みだらけだったが、それぞれ新品に交換する事でなんとか体裁が整う