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純度高めの生クリームは泡立ちが良くて濃厚~「高純度romance」についてのあれこれ

KinKi Kidsの44枚めのシングル「高純度romance」の発売が、フライングで発表されたのは、2022/1/31のラジオ、その時は本当に驚いた。

松本隆先生が、2021年12月初め頃にTwitterに「歌詞を書くリハビリ」をするとつぶやかれていた時、心の中でKinKi Kidsだったら良いなと思っていた。でも、期待はしていなかった。KinKi Kidsのアルバムは当分先だろうと勝手に思っていたし、完全共作の曲を作成中な事が八票されていたので、シングルが発売されるとしたら、25周年記念の企画として25円でCMに出演する企画が決まっているその頃に共作曲であろうと勝手に思っていたから…

ラジオでフライングで解禁された情報と翌日のレコード会社からの情報解禁により、作詞 松本隆さん 作曲マシコタツロウさんそして編曲は、KinKi Kidsには初参加の冨田恵一さん(冨田ラボ)という事がわかりワクワクがとまらなかった。

ただ、その情報と一緒に発表された「応援歌」というキャッチコピーに引っかかっていた。「応援歌」って何?と。

実際、Youtubeで公開されたショートVersionは、普通のバラードにしか聴こえず、フルコーラスで聞くまでは、結構、ありがちなバラードではと思っていた。(私は、普通のバラードがそこまで好きではないので、とくに気になっていた)

しかし、全編を通して聴くと流石ポップス界のマエストロと言わてている冨田恵一さんのアレンジは、普通のようでいてとてもおしゃれでモダンなアレンジが随所に光っている素敵な曲だった。「応援歌」なのかは未だにわかっていないけど。

CDのクレジットを確認すると、冨田恵一さんは、編曲はもちろんのこと、サウンドプロデュース、演奏のディレクション、ミキシングまで担当されていて、ミキシングスタジオは冨田さんの個人スタジオということで、本当に冨田ラボ色の楽曲なのがわかる。フレンチ・ホルンやトランペットを中心としとした管と弦の生音でのアレンジが、大人っぽくてとても心地よい。

剛くんが、もともとのBPMを3上げて、すこしポップに仕上げたと発言していたので、BPMを測ってみた。たぶん今の曲はBPMが83で、もともとのBPMは80だと思う。一分間にカウントが3回増えるだけて、人間の感じる感覚として、軽やかさが生まれるのは面白い。

昨年と今年は、松本隆さんの作詞家生活50周年ということもあり、関連書籍や関連番組、風街ライブ、トリビュートアルバムと数々の話題があった。商2からの松本隆先生フリークの私は、関連書籍を読み番組をよく見た。

それらの書籍や番組では、「はっぴいえんど」のこと、松田聖子さんのこと、筒美京平先生のこと、C-C-Bのことが触れられていてた。皆さん大好きな私としては内容には大満足。そして、KinKi Kidsファンとして大切なデビュー曲である「硝子の少年」の話も必ずといって良いほど描かれていた。

松本先生に、この楽曲の歌詞の制作依頼がきていた時に、テレビで偶然ふたりを見かけて、「硝子」だなと思ったエピソードがとても好き。*1)
あの頃のふたりは本当に「キラキラ」してでも「ギラギラ」もしていて、強そうであり繊細そうだった。読んできた関連書籍*2)には「硝子の少年」は、コクトーの「恐るべき子供たち」のモチーフもあると書かれていてさらに嬉しくなった。大好きなジャン・コクトーの脆くてでもつよい子供たちの「恐るべき子供たち」が大好きな「硝子の少年」のモチーフになっているとは、本当に松本隆先生には感服する。

そして、「硝子の少年」から25年の時を経て発売される「高純度romance」期待しない訳がない。シングルとしては13年ぶりの松本隆さんの作詞。脆かった少年が大人になり、ふたりの地に足のついた幸せを描いた優しい歌詞、とても嬉しい。

落ちザビのゴスペル調の部分は、本当にライブに映えそう。生演奏と深みのあるコーラスに合わせてハンドクラップをしたいし、ささやくような歌詞の「ほんとに愛してるよ」の前の「やさしさを両手に抱く」の音程が上がる所がすごく好き。ふたりの歌声の重なりの良さがとても良く出ている。

KinKi Kidsふたりがずっと長く歌っていける曲がまたひとつ増えたとあらためて思った。この曲も「硝子の少年」と同じように何度も何年も歌い続けてほしい。発表からほぼライブでセットリストから外れていない「硝子の少年」や「スワンソング」のように…。30周年、35周年もふたりで歌ってて欲しい。そんな気持ちになった。

この曲を聞きながら食べたいのは、卵と小麦粉ときび砂糖と太白胡麻油とちょっとの豆乳で焼いたプレーンのシフォンケーキ、作るなら「なかしましほ*3)」さんのシンプルなレシピが良い。そこに、砂糖の入ってない濃厚な純度高めの(乳脂肪分47%くらいかな)濃厚な生クリームをかけて食べたい。純度高めの生クリームは、この歌のふたりの歌声のように濃厚だけど、砂糖を入れていないのですっきりとした味わいになると思う。今日は面倒なので、来週作ろう。

ちなみに冨田恵一さんに興味をもった方は、最新リリースのこちらの曲もとてもかっこいいのでおすすめです。

須臾の島 feat. ぷにぷに電機
https://open.spotify.com/track/6NzyTK0raOqtE9DVm00qHj?si=e93db26591d74e36

*1 NHK MUSIC SPECIAL 松本 隆 50年 ~時代と人をつないだ作詞家~

*2 松本隆 言葉の教室

*3 とてもくわしいシフォンケーキのレシピ


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