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もぐら本、はじめます

※この文章は2020/2/3にもぐら会のお話会で、5/6の文学フリマ東京に出展予定の本の執筆協力者募集のお知らせを書き起こしたものです。もぐら会メンバー外からの執筆募集はしておりませんが、この記事を読んで興味を持ったら5/6の文学フリマまで足を運んでいただければ大変うれしいです。
そもそも、もぐら会って何だという方はこちら↓
https://community.camp-fire.jp/projects/view/134297

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今日はもぐら会に初めてきた方もたくさんいたわけですが、お話会、いかがだっだでしょうか。みなさんここに来る前に一体どんな会なんだろうといろいろ想像してきたんじゃないかと思います。今日の体調とこの1か月にあったことや感じたことをひとりずつ話す。ほかの人はただ黙って聴く。ただそれだけなのですが、僕にとって、これほど人の人生に触れていると感じる時間は他にないかもしれません。しかしそれを人にうまく説明することはできません。みなさんも今日初めてお話会を経験して、なるほどこういうことなのかと実感したと思います。しかしそれの実感をほかの人に伝えることはとても難しいのではないと思います。お話会はその場に一緒にいる人でしか味わえないものです。でも、本という形でならそれができるかもしれない。本を通じて読者とつながるお話会ができないか、ということで今回5/6の文学フリマに出展することにしました。

どんな本を作るかというと、まさにお話会を再現したものです。最初に紫原さんが序章を書いて、それを読んで次の人が文章を2日で書きます。またそれを読んで次の人が2日で書くというリレーのような形です。ちょうど今日皆さんはお話会で何を話そうかと考えていたのが、前の人の話を聴くことでそれに影響されたり別のことを話したくなったりしたんじゃないかと思います。そういうことがきっと書くことにも起きる。他人の存在によって浮かび上がってくる、自分の内側にある生の声、その連鎖を本の中に閉じ込めれたらいいなと思っています。

お話会のような本を作るために、もう一つ仕掛けがあります。本は序章を除いた全ページをそれぞれ袋とじにします。執筆者一人につき一つの袋とじを担当します。袋とじの前ページにはその人の外から見えるものが載せてあります。外見や髪型、服装やアクセサリー、小物などなど。後ろのページにはその人から見える景色の写真が一枚。そして、ペリペリペリと袋とじを開けた見開き2ページはその人の部屋。外からは見えることのできないその人の内面世界が綴られています。

お話会では時折とてもプライベートなことが語られます。普段その人が決して見せない悩みや不安、今まで言えなかった言葉や押し殺してきた自分が浮かび上がることがあります。それを聴くことは、その人の知らない一面、人生の一幕を覗きみてしまうような、どこか後ろめたさがあります。この本を読む人には、秘密を覗き見るような軽い罪悪感を共有してもらいたい。開けたら元には戻れないようなほんの小さな覚悟をもって袋とじを開けて、中の文章を読んでもらいたいと思っています。

そんなわけで本の執筆者を募集しています。これはもぐら会の本です。書くことコースの人でなくても大丈夫です。中には書くこと苦手だし、面白いこと書けないしという方もいるかもしれませんがきっと案外大丈夫です。お話会では、自分では話がつまらない、まとまらない、つながらない、落ちがないなんて思っていても、聴いてる側はすごく面白かったりします。今日も何を話そうか迷っているけど、自分の中でまとまっていないからそっちを話そうという方がいて、僕はとてもそれがもぐららしいと思います。だから大丈夫です。うまく書けるとかは置いておいて、この企画が面白そうだなと思ったら是非一緒にやりましょう。

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そんなこんなでもぐら本企画始まりました。現在すでに2日に1回のペースで心震わす原稿が続々と上がってきており、企画側としても仕上りが大変楽しみです。
それでは、2020/5/6(水)の文学フリマ東京でお会いしましょう。
https://bunfree.net/event/tokyo30/


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