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総合職⇔一般職を柔軟に渡り歩くのは得策か?

総合職・一般職の職制区分を敷いている会社は、日系金融機関では結構あるのではないかと思います。
そういう会社でも、一般職から総合職へのコース転換制度はある場合がほとんどです。
では、一般職から総合職という逆ルートのコース転換はあるのでしょうか?
双方向へのコース転換があれば、現在一般職の女性にとって総合職転換へのハードルは下がり、既に総合職の女性にとって安心して働きやすくなるのでしょうか?


総合職→一般職の降格ルートがあればいいのか


個人的な体感(業界によっては状況が異なるかもしれません)としてですが、まず、この降格ルートは「前例なし」です。
実際には制度としてはあるのかもしれません。
しかし、20年間近く金融業界で働いてきましたが、そういう実例を見たことはありませんし、そういうある意味「ぎらついた」選択をするくらいであれば転職してキャリアを転換しているのが実態ではないかと思います。

では、これがもっと一般的になれば、私たちは働きやすくなるのでしょうか?

結論としてはNOです。
確かに、仕事第一でガンガン働ける時期は総合職、ペースダウンが求められる時期は一般職、とタイミングに応じて立場を柔軟に変えることで、勤続がしやすくなるようにも思えます。

しかし、です。
女性だけがシビアに「総合職でいる以上はパフォーマンスを発揮しなければならない。それができない期間は一般職に降格」という徹底した成果主義にコミットしなければならないのでしょうか。

ふと周りを見渡すと、当たり前のように総合職の肩書を持ったおじさんたちが何をしているかというと、大したことはしていない。ダラダラ残業して、「飲みニケーション」だけが一人前。これは普通に容認されていますよね。

何も女性だけが、常に肩書に応じたパフォーマンスを要求される必要はないのです。
一時的にパフォーマンスが落ちる時期があったとしても、長い目で見てとんとんであればOKではないのでしょうか。よく言われていることではありますが、将来に恩返しすればそれで十分なのです。
また、働き続けるという前例を積み上げることが会社にとってメリットになるということは以前に考察した通りです。

必要なのは降格ではなく総合職の働き方を変えること


いま必要なのは、降格ルートを作ることではありません。
総合職の働き方を変えることです。
そして総合職としてキャリアを継続することです。

それができるのは、今までの型にはまらない、新しい働き方をすることができる(というか、それしかできない)私たちです。

将来的には、職制区分は消えていく


同一賃金、同一労働という観点でも、職制区分がそれを満たしているかというと実際にはそうではないケースがほとんどです。表向きは転勤の有無や職責の重さをうたってはいるものの、実態は総合職=男性(+平均的な男性以上に優秀な一部の女性)、一般職=女性の区分になっています。
職制を残したまま、平等な運営をするのであれば、単純に個人の価値観に応じてコースを選択し、男性一般職が相当数在籍するのがあるべき姿ですが、これを実現することは職制区分を廃止すること以上に難しいことでしょう。

総合職・一般職の職制区分が将来的になくなる可能性を考慮すると、職制を行き来することでワークライフバランスを保つ作戦はとれません。
この観点からもやはり総合職のステージを降りない前提で、それでも働き続けられる道を模索するのが、未来につながる道なのではないかと思うのです。


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