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そして、防湿庫を買う

カメラを管理するうえで悩ましいのが、湿気対策です。

実用書で保管の仕方について調べていると「湿度が60°を超えるとレンズにカビが生える可能性が高くなる」なんて恐ろしい表記が。いやいや、大阪の夏場なんか、ほとんどそうじゃないか。そういえば20年近く前に娘を撮るために買ったSONYのサイバーショット。動かなくなって押し入れに放り込んでいたけど前に見たらレンズが汚くなっていた気が。「一度カビたレンズを他のものと一緒にするとカビが移る」いやいや、めっちゃ怖い。中古でもわたしの少ない財力でせっかく買ったのに。

「レンズ カビ」で画像検索をかけたり、あれこれ調べ倒します。持ってるレンズは「カビなし」で絞って購入した者たちで、わたしにとっては精鋭ですが今一度身体検査を実施。たぶん大丈夫ということにしました。

ドライボックスとは

まだ、機材の少なかった頃、小さいドライボックスに乾燥剤を入れて押し入れで保管していました。ドライボックスとは、ざっくり言うと密閉が出来るプラスチック容器です。パスタとか保存食を入れたら良さそう。
湿度計についてはボックス付属のものは精度がいまいちとの口コミがあり、機材メーカーのアナログ式の湿度計を別で購入。いざ見比べると「大体一緒やないか」となったのですが、精度についての安心感は得られました。

ドライボックスの利点は何せリーズナブルなところです。本体は2,000円以下で購入できますし、乾燥剤も数百円です。防カビ剤もプラスすればさらに安心。使い方も簡単「乾燥剤を入れて蓋をする」以上。
なハズですが、わたしの場合そうは簡単にいきませんでした。

ドライボックス奮闘記

一度蓋を開けるとなかなか湿度が下がりません。急速タイプの乾燥剤を導入!それでもそれなりに時間はかかります。開け閉めを繰り返していると「全然湿度下がらんやん」となります。それで防湿材をこれでもかと投入して暫らく置いておくとガンガン湿度が下がっていました。
でも湿度の下がりすぎも機材には良くないのです。これも実用書とかにありますが「乾燥によりレンズがバルサム切れを起こす場合がある」何それ、怖いやつちゃうん。
バルサム切れとはレンズの接着剤が劣化により剥がれてしまう状態です。合成接着剤が使われるようになり少なくなったと聞きますが、ある日、中古レンズの販売サイトの品質状態表示で「バルサム切れあり」を見かけて、「やっぱ、あるんやん!」と怖くなりました。

注意にムラのある心配性で、一度気になると押し入れのドライボックスを何度も確認してしまいます。「これは精神衛生上良くない気がする」というかはたから見ていたら変なおじさんです。

ボックスが小さいこともあり。レンズを競り落とす度に中身がぎゅうぎゅうに、気が付くと入りきらないレンズが出てきました。こうして「ドライボックスを買い足すでなく、防湿庫を導入するタイミングではないだろうか」との結論に至ったのです。そもそも何かそれっぽくてカッコイイので憧れていたんですがね。

防湿庫を導入

我が家にお迎えした防湿庫

防湿庫を購入するにあたって重視したのは次の3つ

  • 自動制御で設定した湿度を維持することが出来る

  • 除湿のスピードが速い

  • 安い

たまに”強・中・弱”みたいなダイヤルノブのついた商品もありますが、これでは調整する手間がいるので、わたしにとってメリットがありません。そして、防湿庫には何やらペルチェ式と乾燥剤式というのがあるとのこと。一長一短はありますが、しょっちゅう開け閉めするので早く除湿が出来て、価格帯が安いペルチェ式にすることにしました。耐用年数は乾燥剤式のほうが長いそうですが、安価なものを選べば十分に元はとれそうです。壊れなければ続けて使えますし。わたしは「トーリ・ハン」と言う老舗メーカーの50Lクラスの3段式を、値下げされたタイミングで20,000円強で購入しました。

あとは置き場所と家族の理解。

念のためにメーカーの商品カタログのPDFをダウンロードして大きさを何度も確認。買ったもん勝ちとばかりに事前通告なしでポチっと。予想通りに大っきい段ボールが到着。当然、何買(こ)うたん!となりますが、「防湿庫」と言うと大仰なので「棚・棚・側(がわ)ばっかりで中身は小さいから」とよく分からない言い訳をします。呆れられながらもどうにか防湿庫をお迎えすることが出来ました。
娘の2歳誕生日から我が家にいる犬の巨大ぬいぐるみを移住させる計画でしたが、家族の反対により思惑の場所には設置できませんでしたがどうにか収まりました。

実際使ってみて

まず「棚」なので整理がしやすく、定物定位が実践できます。
そしてLEDライトがついていて眺めて自己満足ができます。

おっと最初の趣旨から逸れていました。
やっぱり調湿が断然早いです。そして設定値を守り続けます。
(結局見ている)
作りがしっかりとしていて安心感があります。
無音で排熱がほんのりある程度で冷蔵庫とは違います。

ドライボックスよりは高価ですが、わたしは導入に踏み切り満足しています。

一番大切なこと

湿度ばかりに注目していますが、大事なのは空気を循環させること。あまり使わないレンズもたまに取り出して、ズームしたりフォーカスさせたり動かしてあげることが実は一番大切だと聞きました。

だから、わたしも週末にゴルフクラブを磨く”おっさん”よろしく機材をいじっております。(意味があるんだよとアピールするもスルーされる)

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