見出し画像

性非行、性的逸脱

友人のお兄さんから性加害されたことがあってから、私は地元の先輩に呼び出されてはセックスをするという逸脱行為を繰り返すようになった。
こちらから誘うわけじゃない。
腕を押さえられれば跳ね除けることなく淡々と受け入れた。

都合よく使われてることもわかっていたし、あいつはやらせてくれるって噂もあったのだと思う。
避妊しなくても何とも思わなかった。
きっとあの頃の私は、体が傷付こうが妊娠する可能性があろうが何も感じていなかったのだと思う。

シンナーを吸ってセックスをする。
シンナーをもらうためにセックスをする。
車で送ってもらうため、お小遣いをもらうため。
生きるため。

そんなとき、友人の紹介で同級生のKと出会った。
私は16年生きてきて初めて「この人を好きかもしれない」と思った。
そのKとも、会ったその日に関係を持つ。
今までと違ったのは、Kのお母さんが、ちゃんとコンドームをつけなさいと用意してくれていたので初めて避妊した。
当時でこのオープンな関係にも驚いた。

これが16才の冬。

Kは地元のヤンキー校で有名な工業高校(男子校)に行っていたけど単位がたりず退学するか留年するかという話になっていた。

私は他の男の人とセックスをするのをやめた。
もちろん、自らセックスするために男の人のところに行っていたわけではないのだけど。
セックスなんて気持ち良くもなんともない。
ただされるがまま。
拒めばどうなるかわからない。
そうして私は、呼び出しがあっても行かなくなった。

Kを好きになっていた。
Kから「シンナーをやめろ」と言われ、私のことを心配してくれているのだと思った。
そんな感情は初めてで、私はKのためなら何でもできる、何でも捨てようと決めた。

そうして私の性的逸脱行為は止まった。

なぜセックスすることに抵抗がなかったのか、なぜ心にも体にも何も響かなかったのか。

私にとっての16才は中身は空っぽなのに濃い1年だったように思う。
でも、私が得たものは何だったんだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?