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「だが、情熱はある」のとんでもない色メガネ

休日にラジオを聴いていた。テレビの音は不快だけれどラジオの音声はとても心地よい。

木村拓哉さんのラジオ番組にキンプリの人が出ていて、最近出演したドラマの話をしていた。オードリー若林さんの役をやったという。

「ドラマやるときに木村さんに言われたじゃないすか。モノマネになっちゃいけないって。」

若林さんに軽く寄せて話すその声は、若林さんそっくりだったので単純に驚いた。

すごい似てるじゃん。どんなドラマなんだろう。

そしてどんなドラマなのかとさがしてみたら、Huluに発見。ラジオでしゃべっていたのは高橋海斗さんだった。顔は全然似てなかった。

山里役は森本慎太郎さん

顔は全く似てない、というかイケメンだわ。そりゃそうかキンプリだもんね。若林さんごめんなさい。

「だが、情熱はある」は昨年日本テレビ系で放送されたテレビドラマだ。
King&Princeの高橋海斗さんとSixTONESの森本慎太郎さん主演の若林正恭と山里亮太の半生を描いたもの。

テレビを観なくなったので、いつも旬のドラマをだいぶ遅れてから見逃し配信やサブスクで観て、今さら、な感じの感想ばかり言っている気がする。
世間様のスピードと自身のスピードは、もはや別次元で、軌道すらずれてしまっているだろうが、そんな風にエラそうなおばさんぶってると、損するよなぁ、と思った話をしたい。


このドラマを観て、主演の高橋海斗さんと森本慎太郎さんが素晴らしかったので、そのことをまず書きたい。

高橋さんはking&prince    森本さんはsixTONES

2人ともスマイルアップ所属のアイドルだ。私は今は無きジャニーズの全盛期をよく知っている世代で、はっきりした顔立ちでキラキラした笑顔の男の子のアイドルたちを「ジャニーズ系アイドル」と呼んできた。

そして私はジャニーズ系アイドルを推す事を無いまま大人になった。大人になってからはK-popにはしり、さらに日本のアイドルの事がよくわからなくなった。どんな歌を歌ってどんなことに長けているのか、見もしなかったからわからず、テレビで見かければ、
「あ、ジャニーズの子ね、売り出し中でよくでてるね」
で終わらせていた。
アイドルがドラマに出ていると知れば、同年代の子たちが見る「学園もの」か「恋愛もの」だろう、と見向きもしなかった。

もうジャニーズは無いけれど、あのような酷いことが公になり、日本のこれからのアイドル達もファンの方々もさぞかし不安だろうね、とすっかり人ごとだった。

高橋海斗さんと森本慎太郎さんの役者としての力強さにすっかり感動してしまった今、こんな自分のくだらない色メガネを、不燃ごみのコンテナに投げつけて捨ててしまいたい。

現実に存在している人を、しかもまだ第一線で活躍している先輩を演じる事のプレッシャーと、難易度のエグさを想像してみるが、どんだけ~!?と空を仰いでしまう。とてもとても大きな仕事だったんじゃないか。

このおふたりの半生

モノマネにならず、しかし似てなければ意味がなく、さらにドラマのなかでの若林と山里を確立させる。

これが見事だった。すごい。

どれだけ研究して勉強して練習したんだろう、と想像しながら、M1の敗者復活戦の場面では、結果を知っていながらも、当時のオードリーと、演ずる高橋海斗さん戸塚純貴さんの臨場感たっぷりの完成度の高いステージが重なって、グッときてしまい、若い渾身の想いを勝手にオーバーラップさせて泣いた。

M1の敗者復活戦



南海キャンデイーズが現れてとても新鮮だったという自分の記憶と、血反吐を吐きながら、という表現でもいいのではないかと思うような努力と苦難に満ちた山里さんの歴史が、森本慎太郎さんが演じる(やまちゃん)を通してつながった。
こんなに全部見せてさらけだしたら、こんなにカッコいいんだ!と胸が熱くなった。
森本慎太郎さんが演じる(やまちゃん)は、ドロついた黒い胸の内を見せられても愛さずにいられない絶妙さが見事で、本当に胸アツだ。

オードリーより先に世に出た南海キャンディーズ

オードリーと南海キャンデイーズの誕生秘話をじっくり見ることができた嬉しさと、それを見事に演じたお二人に感謝する。

アイドルだから。名前も顔も判別つかないから。たぶん私は好きじゃないから、はとんでもない色メガネだった。

応援したい人が増えるのはいいことだ。高橋海斗さん、森本慎太郎さん、応援します。若林さんも引き続き応援します。山里さん…山ちゃんはすっかりファンになってしまった。

2人の新ユニット たりないふたり 

人間として色々と足りていない2人組というコンセプトで漫才コンビ「たりないふたり」を組んで、番組をやり終わるところで、物語は終わるが、またこの実際のライブも配信されており、全部観てしまった。もう最高だった。

色メガネをやめて、これからもずっと”たりないひと”でいようと思った。
たりないことで、人に寄り添えることもあるのだと知った。

そして、値下げしてある商品を買うのが恥ずかしく、無人レジしか行かない私は今日も今日とてたりない人だ。

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