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決めた、僕も君も負けだ

私は根っからの喧嘩嫌いだ。
喧嘩になりそうな状況や空気を避けるし、例え友達と他人の喧嘩でも話は聞くしアドバイスもするけどあくまで中立の立場を変えない。
これは私のモットーだし、生まれつき持っている気質?らしい。

そんな私が初めて自分のお小遣いで買ったのが、ゲスの極み乙女。の「両成敗」だ。

単なる偶然なのだが、なんか私のために作られたみたいに思える。


頭の半分優しいところで話をしよう
決めた、僕も君も負けだ
(省略)
難しく考えるより
好きになった方がいいんじゃない
好きにならなくても
両成敗でいいじゃない

ゲスの極み乙女。「両成敗でいいじゃない」

ドンピシャに私の考え方すぎる…。買った当時は気づかなかったけど、負けをあっさり認めてしまったり、もう面倒だし好きになっちゃおうよ〜嫌いならそれでもいいんじゃね?の考え方はここからきているのかもしれない。

そしてこのアルバム、2曲目もなんとまだ両成敗を歌う。

白になったつもりでも
裏返って黒になる
その他大勢の戯言で
傷付くくらいなら

ゲスの極み乙女。「続けざまの両成敗」

もう私の本質を丸裸で晒されてる気持ちである。

私の話をするなら、小学生の時は特に好きなものがあまりなくて、周りがみんなぷよぷよしてたしリラックマ好きだったから私も好きという思考回路で生きていた。
だから、ゲスの極み乙女。に逢った小6のあの頃こそ、人格形成の瞬間だったんだろうなと今になって感じてしまう。

ここからは私が発売当初好きだった曲をピックアップして紹介していきたい。

「勤めるリアル」
「crying march」も好きなのだが、大人ってこんな感じなんだな…きっと社会に揉まれて腐っていくんだろうな…みたいなのをこの2曲を聴いて小中学生にして感じていた笑 愛だの恋だのを歌うバンドの中で、決して綺麗ではない社会を歌うのってキザでかっこいいと隠れ厨二病は思ったりしていたんだと思う。

「心歌舞く」
心燃ゆる、歌舞くってどういう意味か知らなかったし、今調べても歌詞とマッチしてない気がするけど、ワードの新鮮さと覚えやすいサビで結構リピートしていた。メロディも心地よい。

「煙る」
過去も今も、このアルバムで圧倒的1位。
「今から迎えにいくから」からのセリフパートが好きな人は同世代という投稿がXでバズってて、邦ロックのバズ投稿に反応したくない逆張り人間でもさすがに頷いてしまった。
この曲の良さが分かる中1、我ながらセンスあると思っている。というかゲス聴いてた時は常にその痛い思考持ちだった自負がある。



ところで、このアルバムについて話す時に触れざるを得ないのが、例の不倫騒動だろう。

騒動前まで引っ張りだこだったのに、なぜこんなに悲壮感強め(だと思ってる)の曲が多いのか。ふざける幕が「Mr.ゲスX」のセリフパートしかないし、特にメロディは明るめなものは既存曲に全振りだし。

いよいよ、フラゲ前日!くらいの時期にすっぱ抜かれ、「誰が両成敗だよ」とファンの私すら突っ込まずにはいられなかった。

答えは出ないし、当時はテレビも雑誌も軒並み出なくなってアルバムについて詳細に語られてるイメージがないので、いつか制作経緯を知れたら中1の私も報われるのではと思っている。



話を戻して、冬休みの宿題を最終日に全部やるタイプの私は二重苦(宿題終わらない+報道後ぶっ叩かれ続ける彼ら)でギャンギャン泣きながら課題と戦っていた。

そして、なぜかその時目覚めてしまった。
「素晴らしいこの音楽たちも聴かずして、記事だけ出してアーティストを抹消する気か!!!許さない!私は報道する人間の全てを知って発信する記者や編集者になってやる!」「報道関係者も両成敗するんだ!」と。
なぜそうなったと今でも感じるし、正直世の中や業界を知れば知るほどあの報道はタイミングも話題性も最高だったなと寝返ってしまうのだけれど。でもこの報道が今の私の「メディアに携わりたい」の原点なのだ。



私の人格形成に大きく関わったゲスの極み乙女。、私の将来の原点になった「両成敗」。

私「人生失敗したら、ここまで影響をもたらしてくれた君も歪な思考に陥った僕も負けだ。両成敗でいいんじゃない。」
君は言うだろうね。「大人になってまで 飲み込むなんてやめとけよ 悔しく思ったなら 背負い続けてみろよ」
僕の負けだ。難しいこと考えるの面倒くさいから、そんなゲスの極み乙女も全部好きなんだよな〜。

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