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自発的組織に取り組んでみた感想

はじめに

皆さん、自発的組織という組織の形を聞いた事がありますか?
実際に私が自発的組織に取り組んでみた感想をお伝えしたいと思います。

1.自発的組織とは


誰かに命令されて動くのではなく「自主的に動く組織」です。
上司から言われたことをやるのではなく、自分で自分がやる事を考えて自主的に動く事を意味します。
※全てを自発的組織にしてしまうと「自由人の集まり」となり経営はまわらないです。現実に実施可能な範囲で自主的に動く事を念頭にする事が大切です。

2.自発的組織に必要な事

自発的組織に必要な事は「権限も一緒に渡す」です。
「自発的組織は1人1人が経営者」と言います。ですが、権限も無いのに「経営者」として考えると、それは経営へ忖度をする事になってしまいます。
「経営者」と同等の権限を持って、はじめて自発的組織を実践できる状態となります。もちろん、それに伴う責任も抱き合わせていく事になります。
と、いきたいところですが、実際は簡単に組織の合意も得られないですし、「可能な範囲から徐々に広げていく」という取り入れ方が必要となります。
例えば「部内で合意ができれば5万円以内であれば使用していい」など自発的組織の範囲と移譲できる権限を現実的なところから始めるのが良いでしょう。

3.メリット・生まれた事

実際にやってみた結果として感じたメリット・生まれた事です。

・自主性により学習の範囲が広がります。
 自発的に動くためには知識・現状把握が不可欠となり、結果的に自主的に学習をするようになりました。

・1人に任せられる仕事の幅が広がります。
 知識・現状把握を各個人がするようになると、任せられる仕事の幅も大きく広がります。

・仕事に対して責任感が生まれる
 自分で決めたことを自分でやるので責任感を合わせて持ってもらいやすいです。

・心理的安全性の確保
 自分から発言する・組織を動かす事で、心理的安全性も確保される事になります。

・「依頼されるのを待つ」のではなく「提案する」ようになる。
 自発的に自分から提案をしてくれるようになります。

・視野/視座が高まる
 意見を発言をするために相手の考え方を考慮しないと受け入れてはもらえないため視野/視座が高まります。

・納得して仕事ができる
 自発的組織にすると合意形成が日常的に行われる事となります。全員が納得した状態で仕事が行えるようになります。

・双方向の信頼関係が生まれる
 お互いに意見を言い、お互いに受け入れる事を繰り返していく事で信頼関係が高まります。

4.デメリット・弊害

デメリット・弊害として感じた事です。

・マネジメントが難しい
 提案をレビューする力、指摘の仕方、言葉の選び方、本人の力量、心の状態についても常に目を凝らす必要があります。

・情報共有が難しい
 情報共有に時間をかける必要があります。議論は全員が納得できるまで話し合う必要が出てきます。個人によって説明の上手・下手もありますので最後まで付き合う覚悟が必要です。

・思ったよりも手前に限界値が引かれる
 普段は仕事を見ている上司に「この人はこれならこれくらいで出来る」という限界値を調整されている事と思います。自発的組織ではこの限界値も自分で決める事になります。これについては個人差があると思いますが「無理をする人」より「無理をしない人」の方が多いです。
 これは余裕を持って仕事に取り組めるなどメリットにも成り得ますが、競合他社が命がけで戦っている中でのんびり構えていては会社はすぐに倒産してしまいます。無理をしていると無理じゃなくなる。という古臭い事も実際に起こり得ます(全員じゃなく一部の人にですが・・・)
 自発的組織において個人の限界値に介入していく事もマネジメントとして必要になります。そこで余裕を持たせつつ無理(チャレンジ)をさせていく事をマネジメントとして考える必要が出てきます。
※特に「目標設定」への介入が過ぎると「自発性」が無くなるため、好ましくありません・・・。

5.まとめ

私はティール組織も自発的組織の形の1つであると思いますが、自発的組織は多数のメリットとデメリットがあると思います。特に指示された仕事を解決する事を目的としないため、いちいち現状把握と情報共有に時間を取る必要もあります。
費用のかかる提案をするために会社の売上・支出の状態まで把握していく事になります。もちろん、会社としても経理情報の開示が必要となり経理の担当者の手間も増えます。
その中で「働いていて楽しいか」「心と体を壊さずにのびのびと仕事ができるか」「その職場で働きたいと思うか」というような点においては、自発的組織は「無理なくチャレンジできる働きやすい組織である」という断言ができます。

実際に自発的組織に取り組んでみた感想をまとめさせていただきました。
経営者が大胆な人でもない限り 「全て」ではなく「部分的に自発的組織を取り入れる」など取り組むのもバランスが大事だと感じました。



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