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知らない間に推しがカメラマンになってた


半年前、好きな漫画がひとつ完結しました。

物語としては大団円をむかえたラストではあるものの、完結に至るまでの展開の駆け足っぷりは、かなり賛否両論あるようです。

最終回を読み、良い意味でも悪い意味でも心を揺さぶられ、「いい機会だし、これを機にオタクやめようかな…」(結局やめられてないんですけども)とまで考えるに至った女のお気持ち表明記事です。

作品を掛け値なしに好きだという方が作品関連ワード検索で本記事に辿り着いてしまわないよう、作品名等は明記していませんが、なんの作品を指しているかはバレバレだとは思います。

ラストの展開について否定的と捉えられそうな事も書くと思うので、「あ、あの作品のことだな…」とピンときた方はお気をつけて。

あと書き手は二次創作を読むのも描くのも好きな腐女子です。あんまりそれらしい事は書いてないですが、そういう目線から書かれた記事だなというのもご承知おきください。

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うだうだと前置きをしたものの、作品に対するネガティブかつ攻撃的な感情はあんまりありません。

自分の考えとしては、「色々思うところはあるけど、最終回まで楽しく本誌リアタイできたあの時間は宝物。素敵な作品を拝読できたことに感謝」という感じ。

単行本が待ちきれなくて、本誌まで買うほど続きが楽しみになった漫画って自分史上あんまりなくて、そこまで夢中になれるものにこの歳(三十路)で出会えたのは純粋に楽しかったです。

ハガキを投函するのが恥ずかしすぎて悶え苦しみながら投票した人気投票も、その結果をドキドキしながら待つのも、ほんと楽しかったな。

あと、初めてTwitterで二次創作アカウント作って、自分で描いたファンアートとか投稿してみたりして、TLを同じ推しを推す人たちばかりで構成して、交流苦手なりにちょっと交流もしてみたりして、

最終的にいろんな事が苦しくなってアカウントを消してしまったけど、そういうことも今思うと楽しかったです。

それから、聖地巡礼行ったのもこの作品が初だった。

現地でご飯食べるのが主目的だったけど、「推しが喧嘩してた場所ここか〜」とか「推しのダチが死んだ場所ここか〜」とかしみじみしながら歩きまわるのは本当にワクワクしました。

そんなふうに作品や推してるキャラクターに夢中になって、本誌追って毎週あれこれ考察読んだりした毎日はとても楽しかったのですが。

先に書いたとおり、最終回に向けて駆け足でお話が進み、「あの伏線は⁈」「この人たちがシレッと仲間になってるのは何故⁈」「何があったらこの人がここまで性格良くなんの⁈⁈」という、読者のツッコミが追いつかないような急展開で完結を迎えました。

彼らがどうしてああいう大団円を迎えられるようになったのか、一ファンには知る由もないんだな、そこが知りたかったのにな、と、夢中になった対象があくまでもフィクションである事を突きつけられたような気がしました。

結局推しが何を考えて行動してたのかとか、全く謎のまんま終わってしまった。

最終回を読み終わった後、そんなような事を色々考えて寂しくなっていた時に、フッと思い出したのが『推し、燃ゆ』という本。

あの本の主人公はドルオタで、推しを『解釈』した感想を書いてブログにアップし、同じファンから一定の支持も得てたけど、

それは本当に主人公の『解釈』でしかなくて、生身の人間を見たいように捉えてただけの話で。

生身の人間としての『推し』がどんな事を考えて、どんな生活をしてるのかは、一ファンの人間には知る由もないんだから、ファンたちも自分の人生を生きるしかないよね、という話だったと思う。それと同じだなと。

あと、どんな世界線だろうと反社まっしぐらだと思っていた推しキャラが、最終話で思ったより真っ当な職業を選択していたことが判明したのが衝撃的で、

「両手の甲に刺青入ってるような人間でも真っ当に生きようと思えばそうできるんだな、決めつけて見ててゴメンな…」と思った。

今まで描かれていたキャラ像と全然違う描かれ方をしていたので、違和感あるの当たり前というのは前提としてあるけど、こんな人間が真っ当に生きれる訳ないでしょって決めつけて推してしまってたなあ、推しなのに…という反省もちょっとある。

あと、このキャラ推しなら「なんか経緯はよく分かんないけど、彼なりに世界と向き合って生きていこうとしてるんだろうな〜」と推測できる職業を選んでくれていたこともあり、

ある程度納得感のある職業に就かせてくれてありがとうという作者への感謝と、「いやいや私たちオタクはその職業を選択できるようになったきっかけになる出来事を知りたかったんだよ」というもどかしい気持ちと、心がふたつある〜!

半年たったものの、まだまだ心がザワザワとしているままなので、今年秋に発表されるらしい特別編?の続報を待とうと思います。何が発表されるんだろう。

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