ほたる
娘と散歩
最近は 時々庭に出たり
ごくたまに出先で車から降り ひと気のないほうを選んで歩くくらいの状態の娘
久々に夕方から夜にかけて二人で近所を散歩
並んで歩く夕暮れ
山が
草が
空が
花が
畑の作物が
うつくしい
川のほうへ
街灯のない川沿いの道
一列にしか歩けない細道をスマホのライトをつけて進む
と ちら ちら
仄かなひかり
ほたる
初めはひとつ そのうちふたつ
見入っていると よっついつつと
ひかっては飛び 消え またひかって飛び 消え
うす翠のひかりが川のあたりに点滅する曲線を描く
別世界
カメラには映らないほどのはかないひかりが
生きてる
ひとしきり見つめて 家路へ
たくさん歩いて疲れた様子の娘
お疲れ様
こんなに歩けたなんて
こんな時がまたいつかあればいい
ゆっくりでいい
ワクラバ O'
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