涼月
すっかり間があいてしまった記録。
最近やっと少しだけ復調してきた感じがあり、ここにも書き込める。
娘はまだ人に会ったりは難しく、心身ともに波はある。
でも最近は庭に出たり、ごくたまに私と一緒に散歩できる時もある。
特にクラシック音楽や吹奏楽を楽しんで聴けるようになったのが、私には一番嬉しく感じられる。
娘にとって小さい時からずっと親しんで聴き演奏してきたあんなに好きだった音楽、不調になってからは出来ない自分が受け入れられず聴くことさえ出来なくなって遠ざけていた。その娘の姿に辛さが伝わってきて、私も自然と聴かなくなっていたのだが。
ここ数日は以前のように、何人かの指揮者や楽団やピアニストの演奏を聴き比べたり、音楽のうんちくを私に披露してくれたり、聴きながらおどってみたりと楽しむ時間がある。「やっぱり筋力がおちてるなぁ〜前みたいにおどれない」などと言いながらも楽しそうな時間ができた。
すごい進歩。
それに呼応するみたいに、私も気持ちが少しだけど明るくなってきたような気がする。
この数ヶ月なんだかわからない重くどんよりしたものが停滞していて、考え方も体も暗く重くなっていた。些細な事もしつこく脳裏に引っかかって繰り返しグダグダ考えてつらくなり、そんな自分に嫌気がさしてまたつらくなりどんどんドツボにはまっていくあの嫌な感覚…そしてどんどん体は動けなくなり頭痛、胃腸の不調、倦怠感などなどをともなっていく…
更年期の症状なのか?産後の不調だった時と似ているが、あの時のような悲しさはないけどとにかくしんどい。よくわからないし調べようとも受診しようとも思えない無気力感。そうなると人と関わるのがおっくうになり閉じていく。
完全ではないけど、そんな状態から少しだけ離れられるようになったと思う。なにしろ今は文が書ける。調子が良くないと頭が回らず文も書けない、読んでも頭に入ってこないんだなと実感した。娘がよく言っていた「どうLINEすればいいのか、手紙を書けばいいのかわからない」というのがどんなものか身に沁みて理解した。
「脳のバグ」と娘が言う意味もわかった。自分の脳なのに自分ではコントロール出来ないバグ。
今は二人してそこからほんの少し抜け出せている。というか付き合い方が徐々にわかってきたのかも。
今年の夏も暑くなりそうで今から戦々恐々としているが、7月の別称に「涼月」があるそうで、旧暦8月の頃は先人たちは涼を望んでそう呼んだのかなぁなどと思いを馳せつつ。
『涼』の字を感じながら暑さを乗り越えたいと思っている。