2020.3.5 ドライブしながら

娘は少しずつ自分の感情を表現できるようになってきている。
そして自分を褒めて、気持ちを落ち着かせるようにしている。

「起きられた、私、すごい!」
「ごはん食べられた、えらい!」
などと言いながら。
「今はできないとわかってるけど本当はやりたい」
「それはいやだからやめてよ」
などと言いながら。


先日、久々に車で出かけた時。
娘の父親、私の元夫の話になった。やっと夢に出てきたのだと話し始めた娘。

「まだ私が小さい頃の姿の父と母(私)なんだけど、私(娘)は今の歳なの。で、父は母の話を聞いても受け入れようとしないから私が怒鳴るの。‘なんでちゃんと聞かないの!?だから良くならないんだよ!’ってかなりたくさん言っちゃったの。
あの頃、私が今の歳だったらいろいろちゃんと言えたのに。小さくて何も言えなかった。夢の中みたいに言えたらこんな事にならなかったかもしれないのにって、叶わない事だと分かってるけど悔しくて…」

それから娘は、
「きっと今もこのあたりにいるはず」
と父親に向かって文句を言い始めた。

「自分だけ勝手にしんじゃってズルい!生きてる者はこんなに大変なんだよ!ひどい!」
そんなことなどを延々と言い続ける。

全て吐き出せたら良い。そう思って2時間弱の長いドライブをした。
長く文句を言っていたが、
「怒り疲れた」
と、最後の方は急に静かになり、そして考え込んでいた。

娘にはとても優しく可愛がっていた元夫。娘は好きだったに違いない。だからこそ勝手にこの世から居なくなってしまった父親に対しての大きな怒りと悲しさ。吐き出せなかったら娘を押し潰してしまうだろう。事実、押し潰されかかっていたけれど、今の娘は自分ではね返そうとしている。

でも…疲れるよね、本当に。まだまだ休み休みいこう。


亡くなってから1年、やっとこんな風に話せるようになってきたけど、まだまだ先は長い。
それでも、少しずつでもこんな風に自分を表現してくれる娘を頼もしく思う。

ゆっくりいこう。