動画から写真を【綺麗に】作る方法

2021年4月14日 19:28

以前から、「動画から１コマを切り出して写真になるんじゃない？」とシャッターチャンスに賭けている写真マニアの人が聞いたら切なくなるような話があります。自分もどちらかというと、「瞬間を切り取るのはライブで派」なので、動画から写真切り出すなんてと思っていました。

また、せいぜい4K程度（iPhoneくらい?それでも十分綺麗ですが)の解像度だし、各色8bitだろと高をくくっていたのですが、見つけてしまいました。動画から写真を【綺麗】に作る方法を。

方法は簡単で、一言でいうと、動画の1シーンを切り抜いて、それをPhotoshopのスーパー解像度で高画素にするという方法です。
スーパー解像度はPhotoshop2021に搭載された素晴らしい機能で、2倍細かい、画素数でいうと4倍に高画素化することができます。

ただ、綺麗に切り出すにはjpegの8bitでは劣化が激しく、綺麗にするには色々とコツがあるので、その部分についてメモしておきます。

用意するもの

・動画編集ソフト
　自分はDavinch Resolveしか知らないので、それを使います。多分無料版でも4Kが扱えるので（4K 60pまで）大丈夫だと思います。
・Photoshop
　α7sユーザの自分としては、ポートレートのようなあまり緻密でない写真は、4K(3840x2160)でもA3くらいまで引き延ばしてもさほど劣化は感じられませんが、Photoshop(Camera Raw)のスーパー解像度を使うとこれが8K相当まで解像度をあげられます。Davinchからの画像にスーパー解像度を使うには、写真管理ソフトAdobe Bridge経由になります。BridgeはPhotoshop使われている方はたいてい持っている（バンドルされている）と思います。
・（推奨：4K10bitで動画が撮れるカメラ）
　Davinch Resolve(Davinch YRGB management)でカラーグレーディングすれば、元画像が8bitでももっと微妙な色が出せると思いますが（多分32bit処理となる）、元々の素材が10bit以上であるに越したことはありません。ただしそれ以上に1080pより4Kである方が綺麗に見えるかと思います。
　自分はα7s3の4k 10bitで動画を撮っているので、これを利用しています。

扱う色数に注意

動画を写真に変換するには、各工程で16bit程度の高い色数をハンドリングできるようにしておくことが綺麗な写真に仕上げるテクニックです。
工程は以下のとおりです。

①Davinch Resolveの設定
　マスター設定-タイムラインフォーマットを3840x2160(4K)に設定。
　カラーマネージメント-カラーサイエンスを Davinch YRGB Color Managedに設定。

②Davinch Resolveで１枚の写真を切り出し、Tiffとして保存。
　Davinchのカラーページ(色調整ページ)で、好みのシーンを表示させて、

表示画面を右クリックして、「スチルを保存」
Davinch画面左上のメニュー下、ギャラリーで、写真（スチル）が確認できると思います。
ここで、そのスチルを右クリックして書き出しを選択してファイルタイプをtiffとして保存。

書き出す際のファイルタイプをjpegで保存するとデータは8bitになってしまいます。（色数が減ります）

ここで、Adobe BridgeでDavinchで保存したjpegファイルのファイル情報(右下)を確認するとビット数は8bitです。

いっぽうTiffで保存したファイルは16bitとなっています。

③Adobe BridgeからCamera Rawの環境設定
　Bridgeから起動するCamera Rawはデフォルトでは8bitカラーのようです。
　Bridgeのメニューの　「編集」-「CameraRaw環境設定」の画面を表示して、「ワークフロー」のカラースペースを8bitから16bitに変更します。
カラースペースはいつもPhotoShopで使っているカラースペースで。