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カメラマンさん目線からの動画のススメ(しかも無料で)

YouTubeでマネタイズ?

最近動画にもハマっていまして色々と作ってYouTubeにアップなどしています。
YouTube Waiwan
ここ1カ月くらいやってみて、これは楽しくて結構写真を撮るのにもプラスになるのではないか、と思ったので、そのあたりと自分なりのやり方をご紹介します。
あ、YouTube始めたからマネタイズだろうと勘繰られる方もいらっしゃるかと思いますが、この方法は全く向かないと思います(笑)。
なぜなら、YouTubeは視聴時間と登録者数がキーになっていますが、1分の動画を作っても大変な回数視聴されなければならないし、そもそも短すぎて広告が挟めません。そういうことをお考えの方は別の方法を考えましょう。
自分はブログに代わる新しい写真の保管庫のつもりで作っています。

なぜ写真を撮るのにプラスなのか

 話が逸れましたが、本題です。なぜ写真を撮るのにプラスになるのかですが、簡単に言うと、写真では得難い知識や意識を動画で補完できることではないかと思います。
 動画写真と動画の比較をしてみて気付くのは、写真には、光の読み方とか構図が重要ですが、動画には時間の流れ、ストーリが重視されるという事になるかと考えています。この、動画の『流れ』は写真を撮る時にはその流れの一瞬を切り取る事で成立しているのでしょうけれど、全体の流れはさほど意識していないのではないかと思います。(時間も1枚の写真に凝縮できるよ、という上級者もいらっしゃるかもしれませんが)
 ざっくりとこんな事を書いてもピンとこないかもしれませんね。もう少し具体的に書いてみます。

写真を撮る時に時間を意識するようになる

 動画を始めると一つのストーリーの中で、これは必要な写真という意識ができるようになってくると思います。また、写真を撮る前に、どんなストーリーで何を見せたいのかを撮る前に考えるようになりました。
 もちろんこれは、写真集を作る際も役立つと思います。
 また、組み写真でよくある、ちょっと主題の被写体そのものではないが、気になるモチーフを埋め込む事も意識するようになりました。
撮影を終えた後も同様です。
私の場合、写真を補完する(雰囲気づくりをする)ために動画を入れているつもりなのですが、音楽と相まって自分としてはとても心地良いんですよね。BGM流しているギャラリーで写真眺めてるいみたいで。この音楽も抑揚があって、そこにストーリー的なものを盛り込む事もあります。結構大変ですが、これも楽しめる。

プロセスが写真撮影に似ている

私は今まで知らなかったのですが、動画も今では写真でできることが色々出来ます。
例えば、色味を合わせるのにカラーコレクションとかカラーグレーディングをしているという事。写真の現像プロセスでプリセットを当てるのと同じことも、LUTを当てると言いますが、できます。
RAWに近いLog(SONYならS-Log、CANONならc-Log)という色味を広く活用できるフォーマットもあります。(RAWはRAWで別にあるらしい)
レイヤーもあって、スキントーン(肌色)を保持したまま周囲の色を変えるという事もやります。
また、動画中で傷隠しもトラッキングという機能を使って実現可能です。
このように、ネーミングがいちいち違ったりしますが、写真の現像工程の様なことは似たようにできるのです。

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 ResolveのLUTとカラーグレーディング

今までとは違ったルートから情報が入ってくる

 動画は動画のクリエーターさん達がYouTubeを中心に発信しているのを私は拾っています。そういった情報は私がどっぷり軸足を置いている(と言ってもとても狭い世界ですが)写真の世界と違う事や着眼点が違う事がよくあるのです。例えば動画の場合、シャッタースピードの上限は1/100くらいです(これ以上だとカクカク不自然に見える)。開放で撮ると逆光などは当然苦しみます。それを避けるため可変NDフィルターを使ったりすると、場合によっては可変NDフィルターのムラが写ってしまうとか(実際やりました)。また、ゴーストを消すのに便利なツールがあったり、シネマチックで撮るのに向いてるとても魅力的なフィルターの紹介があったり。
 今までが自分の勉強不足だろうというのは当然ありますが、こういった情報は写真撮影でもとても参考になります。

撮影後今まで以上に楽しめる

 実はこれが一番大きいのですが、普段週末に写真を撮って現像しても、それだけではかかる時間はさほどでもありません。私の場合ですが、楽しいことはすぐに終わっちゃう、という事です。
 ところが動画を作るとなると、その先にその数倍のプロセスがあります。(いつも写真をセレクト~現像してから動画を考えています)
 ・動画の(使える所)の切り出し
 ・動画とセレクションと写真とのバランスを考えた配置
 ・音楽を探してあてはめる
 ・カラーグレーディング
 ・トランジションの選択(画像と画像のつなぎ目の演出)
 などなど。(しかもこれらの時間は写真にプラスになる(かも))
覚える事はとても増えますが、それも含め楽しめます。
今撮影だけに比べて3~5倍くらいの時間を動画の作成にかけているかなと思います。

動画撮影に対する一つの疑問(あるかも)

 動画も撮影するとなると時間がかかるんじゃないか、と思われる方もいらっしゃると思います。
確かに、写真は1枚失敗してもまたすぐシャッターを押せば良いですが、動画は一連の動きを繰り返す必要があります。
ですが、今の私の撮っているような「写真の補足的な動画」だと、シーンは写真撮影で決まり、あこの写真に動画良いなと思ったタイミングだけ撮っている程度です。
 必要となる動画は1クリップあたり2~5秒程度。
しかも、スローが多いので、使っているのは1,2秒程度の瞬間です。
これをいくつかのパターン撮れば良いので、実際動画のトータル撮影時間は写真撮影の1/4~1/10くらいかなと思います。(動画にあまりこだわっていないとも言うのかも)なので撮影時の負担にはあまりなりません。私は、そもそも同じシーンで無駄に何枚も写真撮っていたものが減る、程度の感覚です。
一つだけ注意しているのは、撮影場所や被写体が動画か可(スタジオなら別料金もある)かという点の確認をしています。

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動画作成に必要なもの

基本、動画を撮るカメラと編集~アップ用のPCがあれば大丈夫です。動画機能はたいていのカメラに付いているでしょう。iPhoneとアプリでも今ではとてもインプレッシブな動画は作れますが、今私がやっているのは以下のようなツールを使っています。

・カメラ:α6100,α7s,α9,iPhone
  機動力を考えて写真動画兼用で1台で済ませる場合もあるし、外だとNDフィルターが必要になるので写真と分けて用意することもあります。ケースバイケースです。フォーマットはHD(1920x1080p)で、4Kはどこでも誰でも口を揃えてデータが重くて見られる環境が少なく、作ってもあまり意味がないと言われていて使っていません(確かに処理は重くなる。YouTubeはたいていHD)。
 Logで保存できるカメラはあるに越したことはありませんが(7sは使える)、逆光などは使うのがかなり難しいです(7sでLogの場合ISOは3200からになる)。ほとんど使いません。
今動画のメインはα6100です。屋外でNDフィルターが必要になる場合は写真撮影とカメラを分けています。
 レンズはズームが便利ですが、後で紹介するスタビライザーと組み合わせるなら、全長の変わらないものが良いでしょう(バランスが変わるため)。私はそこまで動画に時間をかけないので単焦点を使っています。
 あと、NDフィルターは動画の上限シャッタースピードが遅いため、開放で使いたい時には必須になります。

・動画編集ソフト:Davinch Resolve
 これがあるからこそ今の動画が作成できています。Adobe Premier Proなど有償で素晴らしいものはありますが、Resolveはほとんどの機能が無料です。しかもPremierよりも動作が軽いらしい。
買っても数万円ですが、私は無料で十分使えています。Resolveは今Premierの次くらいに人気がある動画編集ソフトじゃないかと思います。
動画の合成やトランジションやエフェクト、拡大縮小、クロップ、カラーグレーディング等々出来る事が多すぎてほとんど使えていませんが、基本的な操作はわかりやすいと思いますし、情報もPremierの次くらいに多いです。

・スタビライザー(ジンバル):
     Ozmo mobile3(iPhone用), FeiyuTech G6MAX(小型ミラーレス用)
 これは唯一無料ではありませんが、揺れの少ない動画(歩いている所など)や移動しながらのタイムラプスを撮るには便利です。ただスタビライザーってとても大げさなんですよ。カメラのバランス取りが必要だったりもするし。Kg単位のカメラを動かす機材なのでそれなりに大きさがあります。重いと機動力が激減します。Ozmo Mobile3はコートのポケット程度には入るので重宝しています(しかも1万円ちょっと)。ちなみに電子スタビライザーがあるGoProもものすごく安定しています。ボケが必要無いならこういうのでも十分です。G6は小型ミラーレスが載って最も軽いものという事で選びました。
 それに実はResolveにはソフトによるスタビライザー機能があって、撮った動画をスタビライザーを使って撮ったようになめらかにすることができるので、必ず必要かといえば全然そんなことはありません。
  DJI Ozmo mobile 3

・音楽:著作権フリー、無料のもの
 著作権フリーで無料なものを今は使っています。お金があればEpidemic Soundという所が音楽は一番良いと聞きますが(業務用です)、払い続けないとフリーにはならないらしい。私は収益化も考えていないので、手っ取り早い所で、YouTubeのオーディオライブラリや、同じくYouTube内の NoCopyrightSounds(NCS)、AIが作曲するEvoke music、国産のサイト、DOVE MUSIC等を使っています(無料ですがそれぞれの使用条件は要確認)。音楽はどこも一長一短で、好みもあるかと思いますが、探すには結構時間をかけています。

・PC:
 動画編集は重いので、それなりの性能は必要かと思います。動画をやる時ここがネックになるのかもしれません。私は、第9世代のcore-i5、外付けGeForceのグラフィックボード、16GBのメモリのを使っていますが、同じく古い世代のcore-i5、内臓グラフィック、16GBメモリのPCでは重くてストレスがあります。おそらくグラフィックボードが肝なんだと思いますが。
 ただ、先に紹介したResolveですが、編集時の動画のサイズを最適化するという機能があって、編集は小さいサイズの動画で行うことができます。

どのように編集するのか?

 自分でもまだ作成プロセスは試行錯誤中で確立していません。希望があれば喜んでご紹介しますが、今はまだあまり興味ある人も多くないしプロセスを熟成中、という感じです。写真だけでも十二分に楽しいですからね。
ちなみに、これはイイ!と思うのはAUXOUTさんのシネマチックVLOGというチャンネルで、彼女さんと旅行した時の動画です(別の撮影要員もいるようですが)。これは絶対お勧めです。
ここ

おわりに

 ちなみに、写真と動画の組み合わせはもともと、このコロナで展示ができなくなってしまい、代わりのものは無いだろうか、と考えた末に出てきたものです。私は写真はプリントされたものこそ最高だと思います。そしてそれを展示して見ていただきたい、しかし今、なかなかそれを見る事は出来ない。そんな中で、単に消費されていくデータではなく、なんとか繰り返し見ていただくチャンスを含めた場としてYouTubeを選択しました。
家にいても見られ、単に使い捨てにされない(され"なさそう"ですね笑)。チャンネルという一定の場所に保存され、見たい時に繰り返し見られるというオンラインギャラリーのように。
もしご興味あれば、動画は週1以上のペースで追加していますので、YouTubeのチャンネル登録よろしくお願いします。


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東京都在住のアマチュアカメラマンです