見出し画像

25年前の渋谷クアトロ回顧録

HIROMIXに憧れコンパクトカメラを片手にシマロンのカラーパンツにつんつんのツイストパーマ。東京郊外に住み、私服高校で先生も校則も緩かった事を理由に自主的早退を繰り返す。バイトとライブで忙しいフリをした女子高生、それが私。

2000年が始まる少し前の頃の話。

大学に進学する事も考えていなかった私は時給830円のバイト代をもとに様々なバンドのライブへ通っていた。その中でもよく通ったのが渋谷のクアトロ。私服を盾に放課後は学校からそのまま電車に乗りフラフラ一人で渋谷へ行く。開場まで時間があるからウェンディーズでチリチーズフライを食べてクアトロへ向かい、柱が邪魔だといつも思いながら色々な音楽を聴き気分を高揚させ、たまに涙ポロッとこぼしたり。

当時、表面的にはうまくいっていた友達と彼氏の事でありがちで幼稚な三角関係に悩み落ち込んで何ヶ月か立ち直れない時期があった。その時も助けてくれたのはクアトロ、あの階段を何段も上がって下手の邪魔な柱に寄りかかり目の前で楽器がなる、いつもそれの繰り返し。それでもそれがあったからある時一瞬で目が覚め晴々しい気持ちで帰りは階段を降りたのを記憶している。

ローソンチケットのファッションスナップに声をかけられ写真を撮ってもらった事(紙面に出ていた事も確認笑)隣のお姉さんが酔っ払ってふらつきシマロンの太ももにビールをこぼされた事(今なら確実にこぼしちゃう立場)ライブ終わり、大好きだったベーシストが隣で同じステージを観ていたのを最後に気がついた事、そのベーシストを別の日にクアトロの下で見かけて声をかけた事(カメラを持ってたのに一緒に写真撮ってもらう事を思いつかなかった情け無い私)

思春期をむかえた娘、彼女はそっち方面に興味は無い模様。現代はどこにいても好きなものを好きな時にチェック出来る時代だしね。ママの若い頃とは違うのよ。

しかし今でもあの柱に寄りかかっている女子高生はいるのだろうか。

眠れない夜に当時の事を思い出し朝がやってきた。今日の娘弁当にはポテトを入れます、チリチーズがない事だけがちょっと不満。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?