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今どきの若いモンは

今どきの若いモンは―



羨ましいぞ!!

何が羨ましいって?
今の世の中には美味しいモノが溢れているんです。

2020年が飲食を楽しむ人間にとって、どれだけ凄いことなのかは、

史実が教えてくれます。

一般的に飲食のピークは?

30歳前後というのが、編集部の意見です。
というのも、30歳になると、たとえば結婚したり、子供が生まれたりして、以前のように外食できなくなる場合もあります。もちろん、60歳まで飲み歩く人もいますし、統計をとった訳ではないのですが、いずれにしろ30歳までは外食で遊べると思います。そういった観点からも歴史を振り返ってみます。

1970~1980年代 黎明期


この時期にいわゆる『チェーン居酒屋』が始まりました。令和現在の60~70歳前後のおじいちゃんたちが飲み始めた時です。ということもあり、今の60~70歳前後のおじいちゃんたちは、居酒屋が好きな訳です。私のおじいちゃんも「銀座ライオン」が好きです(笑)また『ファミレス』業界には「ガスト」が登場し、若者たちのたまり場となりました。


1990年代

『チェーン居酒屋』が猛威を振るい、カクテルなども導入し始めます。そんな飲食業界に風雲児が現れました「ラボエム」「ゼスト」をひっさげたグローバルダイニングです。グローバルダイニングは、『チェーン居酒屋』と違い、内装を意識した『ダイニングバー』を生み出し、若者の心を掴みました。

また『ファミレス』業界ではワインも楽しめる低価格イタリアン「サイゼリヤ」が席巻します。「サイゼリヤ」は自社農場を持ち、客単価を大幅に下げつつも、味のクオリティを保ちました。同じように「びっくりドンキー」も生産者と契約し、ナチュラルビーフにこだわり、若者の支持を得ます。和洋折衷が売りだった『ファミレス』が、味を求める時代になったのです。


2000年


『ダイニングバー』と『チェーン居酒屋』をミックスした「土間土間」「牛角」「温野菜」が飲食業界に変革を与えます。客単価も『チェーン居酒屋』と変わらないため、『チェーン居酒屋』も変化していきます。たとえば、薄暗い内装でシックな音楽の流れる『ダイニングバー』を真似します。模倣の得意な「笑笑」もこの時期はデートや女子会に使われていました。「和民」が「座・和民」を出したのもこの頃です。

『ファインダイニング』の先駆けとなったグローバルダイニングは快進撃を続け、大箱の「モンスーンカフェ」「権八」など次々と新業態を生み出します。また渋谷区では居酒屋の味や見せ方を追求した「汁べゑ」など「楽コーポレーション」が存在感を増します。他にも、外国に修行に出た日本人シェフの逆輸入である『NOBU TOKYO』が訪日外国人観光客の心を掴みます。

富豪層は「ロオジエ」や「ロブション」だけでなく、ラグジュアリーホテルレストランも注目し始めます。帝国ホテル「レセゾン」、パークハイアット「ニューヨークグリル」に至ってはアカデミー賞ノミネート映画の舞台になりました。



2010年 過渡期

世の中が大きく変わる代、インターネット・スマートフォンの普及です。
それにより、飲食を楽しむ人たちは、いつでもどこでも店を探せるようになります。2005年にサービスをスタートさせた「食べログ」も時代とマッチし、外食産業にとってなくてはならないサイトとなります。
チェーンから個人へ―
それが色濃く表れたのが、焼肉業界でしょう。大手チェーンではなく、数店舗か個人店が積極的に選ばれるようになったのもこの頃です。というよりも、情報が大きく回り始めたといえるのかもしれません。
今までのように客単価4000円前後の業態は、一つのブランドをチェーン化するだけでは勝てない。そういった時代背景を先読みし、100店舗100業態を掲げたダイヤモンドダイニングが力を増します。その反面、『餃子の王将』はP/Lを突き詰め、店舗数を増やしても、コストパフォーマンスで客の心を掴み続け、成長し続けます。
また2008年に「ミシュラン東京」がスタートしたことで、日本人のグルメへの意識も高まります。ハイボール、ワイン、レモンサワーなどドリンクにもスポットが当たります。
グルメへの意識と、それをサポートするスマートフォンにより、『チェーン居酒屋』が迷走します。『チェーン居酒屋』の強みは、どの店にいっても、それなりの味がそれなりの価格で出てくる安心感です。ですが、時代はそれなりを求めなくなります。それを打破するため、『チェーン居酒屋』は280円均一居酒屋をスタート(笑)凄い時代でしたね。価格は魅力的ですが、味はイマイチのため、すぐに下火になります。
そこで入れ替わるように登場したのが「鳥貴族」。同じ280円均一ながらも、お店での串打ちはもちろん、限定したメニューや合理化、原価のバラつきを巧く利用し、大切な味を重視。これが若者にブレイクし、2014年には上場。均一居酒屋はほとんどのチェーンが撤退し、「鳥貴族」の一人勝ちとなります。また上述した「グローバルダイニング」出身者たちが『ファインダイニング』のクオリティを高めます。「リゴレット」「アガリコ」は最たる例でしょう。「ミシュラン」に登場する「レフェルソンス」もですが、この代に多くのプレイヤーが登場します。同様に「楽コーポレーション」出身者たちも『居酒屋』に多様性を持たせました。
他にも「やきとんひなた」「魚金」「阿部寿司」など、そのエリアでは強い力を持つ名店が登場したのも、この代です。
志ある個人店がチェーンに勝つ時代となります。それに対抗するために、「俺の株式会社」は「餃子の王将」同様に坪効率や内装費などを高級店と真逆のアプローチで高級店と同様の料理を出すことで、新たなチェーンの形を見出しました。


2020年 最盛期

過渡期に残った名店だらけです。
こうやって史実を振り返ると、「サイゼリヤ」「びっくりドンキー」は『ファミレス』、「吉野家」「松屋」は『ファストフード』という業態でありながら、ずっとプレイヤーとして活躍しているのは凄いことです。
何十年と営業している「ミシュラン」掲載店舗も凄いですよね。
そんな「ミシュラン」という柱から、「Instagram」「LINE CONOMI」など多くの情報を得られます。その中でも堀江貴文氏が不特定多数の「食べログ」ではなく、信頼できる個人にサイトをゆだねた「テリヤキ」をスタートさせたように、一周回って、飲食ステマもグルメには通用しなくなった年代でもあります。最近、「食べログ」をそこまで信頼しなくなりましたよね。
さらに言うならば、『コンビニ飯』のクオリティもあがっています。

こうやって、史実を振り返ると、


今どきの若いモンは―

羨ましくないですか???

10代を「サイゼリヤ」や「びっくりどんきー」で過ごして、
20代になって「鳥貴族」など2,000円前後のお店でお酒に慣れ、「楽コーポレーション」系列、「グローバルダイニング」系列、「やきとんひなた」のように地域で展開する会社のお店、「エイト」のように北京ダックが気軽に食べれるお店で飲んで食べて4000円の外食をして、
社会人になってからは飲んで食べて7000円前後の名店を回れる。
25歳から35歳のピークでは、「ミシュラン」店舗や好きな舌のおすすめ店舗に行ける訳です。


アンダー23、羨ましすぎるぞ…


ほんの二十年くらいまで牛丼580円だったんですよ・・・それが今や300円前後です。


今どきの若いモンは―

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