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日本人の生き方のバイブル「教育勅語」とは?(後編)ー先生のための『和の国・日本国』講座⑮ー

こんにちは。りたろです。

自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。


今回も、引き続き、

「先生のための『和の国・日本国』講座」という主題のもと

「教育勅語」に焦点を当て、

先人たちが積み上げてきた生き方の極意

を学びながら、

『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。



【今日の内容】
日本人の生き方のバイブル「教育勅語」とは?(後編)~先生のための『和の国・日本国』講座⑮〜 

~【本文】概要~
1)『人間』として大切なこととは何か?
2)『社会の一員』として大切なこととは何か?
3)『臣民』として大切なこととは何か?
~【まとめ】~



前回の記事では、


「教育勅語」は、


【導入部】【本文】【まとめ】 

3段階の構成になっていること。


そして、

【導入部】には、


明治天皇が


①「すべての人が幸せになるために」建国し、それを受け継いできた歴代天皇はすばらしい。
②国民も、よく忠誠を尽くし、子が親孝行するように、天皇に尽くし、心を一つにして創り上げてきたことも、またすばらしい。
これらは、国体の成果であり、「教育の根本」も今まで先人たちが紡いできた生活の中にあるのではないか。先人たちが紡いで、2000年間、支えてきた「人間としての正しい生き方」とは何か。


と思っていることを述べてきました。



それでは、

「先人たちから学ぶ日本人としての正しい生き方」とは何か?

読み解いていきたいと思います。




~【本文】概要~



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爾臣民


爾(なんじ)=あなたたち

臣民(しんみん)=天皇の宝物・大切な国民一人一人

はこのように生きていくといいのではないでしょうか。

と言っています。



これから、

生きていくうえで大切なこと

全部で「12こ」順番に列挙されていきますが、

「最も大切なこと」から順番に


⑴ 『人間』として大切なこと
⑵ 『社会の一員』として大切なこと
⑶ 『臣民』として大切なこと


のさらに3つの大きな項目で書かれていきます。




1)『人間』として大切なこととは何か?



では、

「一番大切なこと」は何か?


それは、


① 父母に孝に、
 (親孝行しなさい)


「親孝行」です。


人として最も大切なこと。

それが「親孝行」だと言っています。


自分が生まれてきたのは

「親」がいたからです。


親がいなければ、自分は生まれてくることはできませんでした。


自分に命を授けてくれた恩人。

さらに、

自分が立派に成長するまで

さまざまなことをしてくれた親に対して

「感謝の気持ち」をもつ。

そして、

それに「報いていく」こと。


つまり、

「感謝の気持ち」を持ち、それに「報いようとする」こと

これが、根本的に大切なことであると言っているのです。



誤解しないでいただきたいのは、

儒教のように

「子は必ず、親に服従しなさい」

と言っているわけではありません。

あくまで、

「自分のルーツである親に感謝の気持ちを持とう」

と言っているのです。


② 兄弟に友に、
 (きょうだいは仲良くしなさい)


次に、

「きょうだいは仲良くすること」


対峙することはあっても

お互いに理解しようとし、助け合っていくこと。


特に、人間にとって大切なものの一つ

「人間関係」が挙げられますが

その基本中の基本として

身近にいる「きょうだい」と仲良くすることの大切さ

言っているのです。


③ 夫婦相和し
 (夫婦は仲睦まじくしなさい)


夫婦は一緒になって

お互いに協力し合いながら

生活していくことが大切である。

と言っています。


④ 朋友相信じ、
 (友達同士は信じ合いなさい)


全員とはできなくても

大切な友達とは互いに信じ合うことが大切

それが友達の最高の価値である。

と言っています。


⑤ 恭儉己れを持し、
 (わがままは言わないこと)


これまでは、

『人間関係』の話をしてきましたが、

次は、

わがままを言わずに、自らを律していくことが大切なことだ。

と言います。


⑥ 博愛衆に及ぼし、
 (まわりにいる人を愛しなさい)

困っている人がいたら

手を差し伸べることが大切である。

と言っています。




2)『社会の一員』として大切なこととは何か?



『人間』として大切なことを話してきましたが、

次は、『社会の一員』として大切なことが話されていきます。


では、

『社会の一員』として最も大切なことは何か?



⑦ 學を修め、
 (勉強をしなさい)


それは、「勉強する」ことです。


そして、この後は、

「なぜ、勉強するのか?」ということが語られていきます。


⑧ 業を習い、
 (職業を身に付けなさい)


勉強し、職業を身に付けることが

社会の一員として、基本的なことである。

と言っているのです。


⑨ 以て知能を啓発し
 (知能を啓発しなさい)


知能とは、

「物事の考え方」

「状況を見て判断すること」

知識や技術の上にあるものを身に付ける

ということです。


⑩ 徳器を成就し、
 (徳のある人になりなさい)


「徳のある人」とは、

「人の心の痛みの分かる人」

「人の喜びを自分の喜びとし、人の悲しみを自分の悲しみできる人」

のことを言います。


進んで公益を廣め、世務を開き、
(世のため、人のためになることをしなさい)


「なぜ、勉強するのか?」

「なぜ、職業を身に付けるのか?」

「なぜ、知能を身に付けるのか?」

「なぜ、徳のある人になるのか?」


ここまで、自分を磨き上げる理由


すべての答えが、

「自分のため」ではなく、

「世のため、人のために役に立つ」ためです。


「他者のために生きる」ということです。

これは、『和の精神』の根本です。


「自分のため」だけに生きていても幸せにはなれません。

本当に大切なのは、

『人と人とのつながり』なんです。


これは「死生観」にもつながっていきます。

自分のお葬式で、周りの人に何と言われたいですか?


「この人は、お金がたくさんあって…」

「この人は、フェラーリをたくさん持っていて…」


言われて嬉しいですか?


「この人は、私が苦しんでいるときにこんなことをしてくれました…」

「この人がいてくれたから、私は頑張ることができました…」


このように、

「惜しまれながら」死んでいく方が幸せではないでしょうか。



では、

どのような人が「惜しまれながら」死んでいくのか。

それは、

「他者のために生きた」人です。


「自分のため」だけに生きても幸せにはなれないことを

先人たちは知っています。

一見、遠回りのことのように思えるかもしれないけれど、

実は一番の近道。


家族のために何ができるか。

地域のために何ができるか。

会社のために何ができるか。

国のために何ができるか。


「他者のために生きる」ことの積み上げが

『豊かな人生』につながる。

ことを教えてくれています。




3)『臣民』として大切なこととは何か?



最後は、

『臣民』として大切なことが書かれています。


臣民として最も大切なこと。

それは、


⑪ 常に国憲を重んじ、国法に遵ひ、
 (憲法を大切にしなさい)


「日本国憲法」を重んじ、

「法律」を守ることが大切だと言っています。


⑫ 一旦緩急あれば義勇公に奉じ、以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし。
 (国が危機に瀕したときは、国のために勇気をもって守っていこう。
  そして、日本国(皇室)を支え、守っていこう)


これは、

「天皇のために闘って、死ね。」

という意味ではありません。


そうとしか読み取ることができないのは、

思慮がなく、理解力に乏しい人が考えることです。



義勇公に奉じとは、

兵隊だけを指すわけではありません。


モノをつくったり

食べるものをつくったり

国が危機に瀕したときは、

「自分にできることを

自分の役割を責任をもって果たしていこう。」という意味です。


これは、「人権」の裏返しでもあります。


なぜ、私たちには、「人権」があるのでしょうか?


「日本国憲法」で「国民主権」という文言があるように

「日本国の主人公は国民である。」

ことを示しています。


では、

いざ、国が危機に瀕したときに、

立ち上がるのは、誰でしょうか?


「主人公である私たち国民」

ではないでしょうか?


つまり、

「人権」の根拠は、

「いざというときに、国のために尽くす」

ということが前提になっています。


何もないのに、

「権利」は与えられません。


「権利」と「義務」は必ずセットなんです。


私たちは、

「国防」の義務を負うことで、

「人権」を得ることができているんです。


つまり、

一旦緩急あれば義勇公に奉じ、以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし。

とは、

国に未曽有の危機が起こった時には、

国民みんなで国をしっかり存続させていこう!

という当たり前なことを言っているのです。


そして、

国民の宝である「皇室」を守ることは、

天皇のためだけではありません。


「皇室」がなくなることは、

「日本国」が滅びることを意味します。


つまり、

「皇室」を守ることは、

「日本国」を守ること

「自分の愛する人々」を守ること

「未来の自分たちの子孫」を守ること

につながるんです。



そして、【本文】の締めの言葉として、


是の如きは獨り朕が忠良の臣民たるのみならず、


今言ってきた12のことは、

天皇のために実践するのではないです。


国民一人一人。

あなた自身のために実践してください。

と言っています。


では、

なぜ、実践することが自分のためになるのでしょうか?


又以て爾祖先の遺風を顕彰するに足らん。


つまり、

今言ってきた生き方というのは、

あなたたちのご先祖様が実践してきた生き方なのだから

ぜひ、実践してほしい。

と言っているのです。


この勅語の中には、

天皇としてのエゴはなく

ひたすら「国民の幸せを願う」想いが込められているのです。




~【まとめ】~



そして、いよいよ末文です。


斯の道は實に我が皇祖皇宗の遺訓にして、子孫臣民の倶に遵守すべき所、


今まで言ってきたような生き方(道)は、

これは歴代天皇が実践してきたことであり、

天皇だけではなく、

国民もこのような生き方をしてきました。


「天皇は国民の幸せを祈り、国民が国を支えてきた」

天皇も国民もともに守ってきた

生き方の作法だったのです。

と言っています。


之を古今に通じて謬らず、之を中外に施して悖らず。


こういった生き方というのは、

時代とともに変わるものでも

地理的に変わるものでもなく

人として普遍的な正しく、美しい生き方である。

と言います。


そして、最後


朕爾臣民と倶に拳拳服膺して、咸其の徳を一にせんことを庶幾ふ。


今まで言ってきたことを

まずは、天皇である私が実践するから

もしよかったら一緒にやりませんか?

と言って締めくくります。




もう巷にあふれる「自己啓発本」を読む必要はありません。

「教育勅語」に記されている


『和の精神』の根本である「他者のために生きること」


2000年の日本国の国づくりの

先人たちが実践してきたことを

ひたすらに実践していくことで

豊かな人生を歩むことができるのです。



少なくとも、

あの教育が混沌とした時代の中で

「教育勅語」を

天皇も国民もひたすら実践していったことで

日本国が、他に類を見ない経済大国へと躍進し、

今の私たちの豊かな生活が成り立っているのです。



今から一緒に実践していきませんか?




これまで、
「日本はいい国だ!」というと
軍国主義者と言われたり、
危険思想だと思われたりしていました。


しかし、

2011年3月11日

東日本大震災を契機に外国から注目されてから、潮目が変わりました。



じつは、わたしたちが住んでいる『日本国』はすごい国なんです!!

まだまだ、
歴史の闇に埋もれてしまった「真実」が
たくさんあります。


「日本を知ることは、
       『自分のルーツ』を知ること」



わたしたちの生まれた国をもっと学びませんか?

そして、子どもたちに伝えませんか?


自分の生まれた国を誇りに感じることは、
きっと自己肯定感とか自己効力感につながるはず。


一緒に、『和の国・日本』を楽しく学びましょう!



最後まで、お読みいただきありがとうございました。






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