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CBC賞回顧~アシスト~

「夢の5秒台」の突入は叶わなかったものの、1.06.0の日本レコードで決着したCBC賞。

1・2着は500㌔台の大型馬でこれこそが前日コラムに書いた、「小倉芝1200mの上級条件は大型馬で先行馬が有利なシチュエーションが多い」という事なんです。
向正面2m勾配の下り坂が要因で、この影響で大型馬がスピードに乗ってそのまま押し切るケースが上級条件だと多いんですね。

その通りに1着馬は走りました。

0704 小倉11R

勝ったファストフォースは仕上げも良く、当日の馬体重は518㌔と大型馬で脚長。状況的にはピッタリ合っていたという事になります。
ただそれだけで勝てるほど重賞は甘くありません。私が考えるに、もう一つ勝つ要因「アシスト」があったと考えます。

それは「風」です。

当日15:30~15:40の小倉競馬場周辺は南西の風、風速5~10mと強い風が吹いていました。

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(上)CBC賞が行われた時。4.6m~6.1mは平均風速。8.3m~10.6mは最大瞬間風速。
(下)土曜日10Rの時間帯。0.2mは平均風速、1.1mは最大風速。

南西の風なので風向きは2コーナーから3コーナーの方角に吹いています。
なのでスタートは追い風、直線は向かい風になります。

強めの追い風状況で且つ高速馬場の重賞であれば、前半3F31秒台の可能性もあったはずです。ちなみに前日の2勝クラスの頃の風はほぼ無風で前半3Fは「32.3」でした。

それがCBC賞の前半3Fは「32.3」。前日2勝クラスと同じ前半3Fタイムだったんです。この点からも前半3F「32.3」はスローペースに近かったのでは?と推察します。

風に前半押されて楽に逃げられた上に大型馬でスピードを維持できればそれは押し切れるという事なんでしょうね。

2着ピクシーナイトは前日コラムで◎だった馬。結果は2着でTP的にも推定ですが底上げに成功しているので1200mでパフォーマンスが上がったと考えて良いでしょう。
ただこの馬も2着に食い込めた「アシスト」があったと考えます。

それは「騎手の判断」です。

スタートして200mはメイショウチタンよりも外で折り合いをつけていました。
このままだと3~4コーナーでは外5頭分を回されかなりの距離ロスが生まれます。高速状況で距離ロスはかなりの致命的・・・

そこで鞍上の福永さん、一旦下げて最内を回すルートでロスを最小限に食い止めることに成功したんです。
これは鞍上のファインプレー。なにも考えず外を回していたら2⇔3着は逆になっていたかもしれません。それだけ大きなプレーだったという訳です。
勝ち馬を捉えられなかったのは3コーナー手前で下げた分で「展開のアヤ」といっても良いでしょう。次走は逆転の余地は生まれそうです。

負けた馬の中では4着のタイセイビジョン。仕上げ良くスピードもありましたが結果は4着。直線挟まれたのもありますがやはり位置取りが後ろになったのが敗因でしょう。
パドックで「推」を推したように小倉1200mでは有利な大型馬なので次走以降、直近でいうと北九州記念かな?に出走してこれば巻き返す可能性があると思います。

1番人気のヨカヨカは5着。古馬重賞に入ると単純にスピードが足りない結果になりました。小倉芝1200mで7秒台を持っていても対応できなくなるのが今の競馬。「こういう非力な馬が走れる状況ではない」という事を高速決着の時は常に頭に入れておくことが大切です。

ちなみに1.06秒台で決着した全場の1200m重賞がを2012年以降8鞍あって調べてみたのですが、
馬体重480㌔以下が[1・2・4・51]勝率1.7%に対し、480㌔以上が[7・6・4・51]勝率10.1%。特に500㌔以上が半分の4勝と「時計の速いスプリント重賞」は大型馬有利という状況になります。
今後このようなシチュエーションが生まれたときは「大型馬を中心」に見ていくと良さそうです。

当日のパドック情報は現在、小倉はDISCORDにて無料で提供いたします。
函館・福島は有料になりますのでそちらもよろしくお願いします。

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