非シロ組が電脳少女シロを語る

はじめに

みたさんの「アイドル部、電脳少女シロが復活するためには」、きりんさんの「電脳少女シロの現状分析」のnote記事を読みました。どちらの記事でも現在のどっとライブの課題とそれに対する提言を簡潔に述べられており、的確で建設的な分析がされていると思います。本記事では両記事を読んで自分なりに考えた今後の方策をまとめてみました。

ちなみに自分はシロ組ではなく、きりんさんの記事にある「全く刺さらない」タイプの人間です。そんな人間の記事など当てにならないと思われるかもしれません。しかし、これから先「知っているけど見ていない」「登録はしたけど追っていない」という層に訴求していかなければならないことを考えて、そういう立場の人間からの意見として読んでいただければ幸いです。


1. 動画投稿について

上の2つの記事でも毎日投稿については見直すべきと述べられていますが、私もその意見に賛同します。

一般的なYouTuberの間でも、負担が大きい、個々の動画のクオリティが落ちる、動画のネタが枯渇するなどと毎日投稿の弊害がよく言われています。ある程度の知名度を得た後には、頻度を下げて質の向上にシフトするという動きがよく見られます。電脳少女シロはすでに知名度を稼ぐ段階を過ぎており、方針を見直す時期に来ているのではないでしょうか。個人的には、生放送やイベントのある日については投稿を控えてもいいのではないかと思います。

それともう一つ、動画の内容についてももう少し整理が必要だと感じます。現状では単発の動画がほとんどで、マインクラフトのようなシリーズの動画も投稿頻度がまちまちです。いまの投稿形式は個々の企画やゲームに興味を持った新規の視聴者が定着しづらい形になっているように思います。例えば、○曜日はゲーム実況のシリーズ、✕曜日は単発企画などのように分けることで視聴者の見やすいリズムができるのではないでしょうか。これは動画のネタを長持ちさせることにも有効だと思います。


2. キャラクターモデルについて

電脳少女シロはかなり頻繁に新規モデルを投入していますが、キャラクターのイメージを保つ上で逆効果になっている気がします。他のVtuberでも衣装替えなどはよくおこなわれていますが、大本のイメージを変えてしまうレベルの変更をこれほど多くおこなっている方はいないのではないでしょうか。

キャラクターの外見に対してファンはかなり敏感です。ディズニーランドのミッキーとミニーについても顔の変更に反対の声が数多くあったようです。正直自分には見分けがつかないレベルなのですが、ファンにとっては非常に大きな問題になりうるという例です。キャラクタービジネスにおいて、見た目の変化というのは非常にデリケートな問題であると認識すべきだと思います。

また、衣装変更のたびに装飾がどんどん増えていることも気になります。装飾過多になるとキャラクターイメージに重要な特徴が埋もれてしまい、モデル変更の違和感をより強く感じてしまうのではないでしょうか。ファンアートの描きやすさなどにも直結する部分だと思います。他所のVtuberをよく見てみると、特徴的な記号以外は案外シンプルな造形になっていることに気付きました。少なくとも今後モデルチェンジをおこなう際には、キャラクターイメージを長く保つことを念頭に置いておいた方がよいと思います。


3. イベント内容について

ここ数ヶ月リアルイベントを多く開催しており運営側もなんらかのテコ入れを図っていると思われますが、残念ながら主催イベントのクオリティは低いと言わざるを得ません。

去年のhPa以降、Vtuber界全体でリアルイベントの大型化が進んでおり、各運営がどんどん力を入れてきています。しかし、どっとライブにおいてはむしろクオリティが低下してきており、他運営との差が顕著です。具体的には、モーション機材、舞台演出、企画の密度、楽曲の充実度などの部分で差が大きくなっていると感じます。収益にとっても重要ですし、なにより金銭の介在する商売である以上は妥協してよいところではないはずです。

もし今でも武道館でライブをするという目標を持っているのであれば、ファン向けのイベントとは別に、外部にも大きくアピールできる高クオリティのイベントを打ち出す必要があると思います。


4. どっとライブメンバーとの関わりについて

シロとアイドル部は同じ事務所に所属し妹分という扱いにも関わらず、ふだんの活動で接点があまりないように感じます。イベントやテレビ出演の場だけでなく、動画などでも積極的に交流しても良いように思います。その1でも触れていた動画ネタの枯渇の対策にもなるはずです。

一方、去年の秋以降の一連の騒動でアイドル部とは距離を置いてほしいという意見もたびたび見られました。アイドル部の風評やリソースの不足が現在の低迷の原因につながっているという考えなのだと思います。ただ、個人的には現状でアイドル部と距離を置くのはいくつかの理由からあまり賛同できません。

まずきりんさんの記事にもありますが、一連の騒動は電脳少女シロの低迷のきっかけではあっても根本的な原因ではないだろうという考えです。

2つ目に、これまでの活動でアイドル部を妹分として関係を築いてきた以上、問題があったからといって距離を置くことはシロ自身にマイナスの印象を与えかねません。

3つ目に、現状のVtuber界で交流相手が減ることは孤立につながりかねないことです。現在は完全に独立して活動しているVtuberはほとんどおらず、大なり小なり外部との交流を通して新規視聴者の獲得や活動の拡充を図っています。電脳少女シロは動画投稿メインの活動であることを割り引いても、他所との交流が活発である方とはいえません。今後とれる戦略を確保する意味でも、アイドル部との関係は保っておくべきだと思います。

そして4つ目。これが最後にして最大の理由なのですが、どっとライブメンバーが一丸となって難局を乗り切るというのが今後のシナリオで最善のものだからです。問題を起こした部署を損切りして電脳少女シロのみ延命を図ろうとしても、きっと多くファンの賛同は得られないでしょう。極めて険しい道筋ではあると思いますが、だからこそファンの応援が得られるはずです。


いまこそ将来を見据えた活動を

いま電脳少女シロの活動に必要なのは現状分析とともに、将来の目標設定だと思います。「 たどり着きたい場所がハッキリすると、やるべきことが見えてくる」とはとあるアニメでのセリフですが、仕事や趣味などあらゆる活動に通じることだと思います。

一連の騒動がなかったとしても、活動を長く続ける間に方針を見直すことは珍しいことではありません。いまこそ改めて目標を見つめ直し、必要な行動を洗い出すことが必要だと思います。その目標をファンと共有することで一体感も出るし、ファンの熱量も取り戻せるはずです。

以上の提言は、電脳少女シロだけでなくどっとライブ全体にも有効な内容だと思います。その4でも述べたようにグループ全体で難局に取り組むことがファンに求められているはずですし、少なくとも私はそれを望んでいます。

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