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異文化の青年たち

先日、海外から日本へ働きに来た若者たちについて、色々な形で目にする機会が続いた。

 その中のひとつは、村松公園で見かけた若者グループだ。

 外見で「海外からの」と判断するのは良くないことだが、まだまだ異文化が溶け込んでいるとは言えないこの街では、肌の色や服装から無意識にそう思ってしまうのが現実だろう。

 その彼らが、信号の無い横断歩道を渡ろうと待っていた。こちらが車を一時停止させたのを確認して足早に渡っていく。全員が渡り終えるのに少し時間がかかるくらいの大人数だった。そして最後の男性が渡り終えたとき、こちらに向かってペコリと頭を下げたのだ。

 「止まってくれてありがとう」と表現してくれた。そんな習慣の無い国から来た彼らがそれをしたことに、こちらこそ感謝の想いが湧いた。彼らは日本の文化を受け入れようとしているじゃないか、と。

 私たち日本人は、言葉も通じない土地に働きに来た若者たちのことを、どれだけ理解しようとしているだろうか。この国に来たのだからこの国のルールに従えと押し付けるだけでは、土台の無い彼らは生きにくさを積もらせるだけだ。

 それだけでなく、海外留学生の学費の話題や、在日他国籍の方への差別問題など、インターネット上では外国人排斥を謳う刃のような言葉が日々飛び交っている。いま、子供達に見せるべき姿は本当にそこにあるのだろうか。

 隣近所で、同じ職場で、同じ時間を過ごす人同士の受け入れ合いが街を作っていく。高齢社会で人出が足りない現代は、すでにそんな時代になっているべきだ。
 
 異文化を「知らない」のなら「知る」努力を、私たち日本人も必要なのだ。


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