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買い戻しとバーンでデフレを引き起こすEverRise

買い戻しとバーンをスマートコントラクトによって自動化することに初めて成功したブロックチェーンプロジェクトEverRiseについて紹介する記事です。なお本記事は、紹介した企業・クリプトへの投資勧誘、投資助言を目的としたものではありません。


EverRiseとは

Webサイト:https://www.everrisecoin.com/
Twitter:https://twitter.com/EverRise
Telegram:https://t.me/everriseofficial
Github:https://github.com/everrisecooin?tab=repositories
コントラクトアドレス:0xc7d43f2b51f44f09fbb8a691a0451e8ffcf36c0a

EverRiseは、買戻しとバーンをスマートコントラクトによって自動化することに初めて成功したブロックチェーンプロジェクトです。Binance Smart Chain(BSC)上に構築されています。まだトークンローンチされて約1ヶ月しか経過していない新興のプロジェクトになります。

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トークンセール(プレセール)はDXsaleで実施され、10秒で4000BNBを集めました。なお、プレセール前にはプライベートセールが実施されており、トップクラスのクリプトインフルエンサーや、チームメンバーと関わりのある個人投資家が参加しました。トークン価格はプレセール価格より10%引きで、個人キャップはほとんど10BNBだったようです。(一部のインフルエンサーのみ30BNB,40BNBまで購入。)

トークン設計

EverRIseという名前からわかるように、トークン価格の上昇機会のためにハイパーデフレを引き起こすように設計されています。具体的には買い戻しとバーンをスマートコントラクトによって実行します。EverRiseではこのスマートコントラクトのことを「Kraken」と呼んでいます。

買い戻し:運営によるトークンの買い戻しのこと
バーン:トークンを永久的に消滅(焼却)させること
この買い戻しとバーンによって、「強い買い」が入り、なおかつ循環数が減少することでデフレを引き起こし、トークン価格を上昇させることを期待しています。

この買い戻しの資金源は、ユーザーによる各トランザクションの手数料から来ています。EverRiseでは、トランザクション手数料の使い道の一部をあらかじめ決めています。こちらは各トランザクションごとに発生します。

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2%:ホルダーへの報酬
3%:マーケティング費用
6%:買い戻し税

2%がRISEトークンのホルダーに分配され、3%が運営のマーケティング費用になります。分配される報酬については、下記のサイトで確認することができます。

報酬確認サイト:https://risereward.com/

そして、6%が「買い戻し税」として買い戻しの資金源になります。この「買い戻し税」は「Kraken」に蓄積されていき、開発者もこの資金を動かすことはできません。開発者がアクセスすることができるのは、買い戻し額の変更や買い戻しの開始/停止のみです。そして、買い戻しはランダムな時期にランダムな間隔で実行されます。(最初は実行条件などがあったので、買い戻しを実行させようとするボットとの攻防戦があったようです。)

買い戻し税を徴収
  ↓
コントラクトに2,000億RISEトークンを蓄積
  ↓
2,000億RISEトークンをBNBに交換(大きい売りが出る)
  ↓
BNBでRISEを買い戻してバーン

※7/26現在 コントラクトには5,800BNBが蓄積されています
https://bscscan.com/address/0xc7d43f2b51f44f09fbb8a691a0451e8ffcf36c0a


スマートコントラクトの監査

Krakenのコードの監査はTechRateとCertikによって実施されました。Certikの監査では、スマートコントラクトの所有権の問題が指摘されました。しかし、この所有権の問題は現在開発中の「EverOwn」というDappsで解決させることになっています。

TechRate
https://3daza35f311kaziryjqcf17s-wpengine.netdna-ssl.com/wp-content/uploads/2021/06/EverRise-Finance-Full-Smart-Contract-Security-Audit.pdf
Certik:https://www.certik.org/projects/everrise

EverOwn

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EverOwnはスマートコントラクトの所有権を一時的に放棄し、またそれを取り戻すことができるDappsです。ほとんどプロジェクトではスマートコントラクトをデプロイしたら、所有権を永久的に放棄しています。これはブロックチェーンの中央集権化の観点から支持されているのは確かです。しかし、デプロイ後に、DEXやDappsに対応させたりする際にスマートコントラクトをアップデートする必要が出てきます。所有権を放棄してしまった場合、このような対応ができなくなってしまうとともに、運営側もスマートコントラクトの所有権を取り戻すことを、コミュニティに理解してもらうことは難しいです。

このような問題を解決するために生まれたのが、「EverOwn」です。この所有権をコミュニティ側に帰属させるか、一時的に開発側に戻すかどうかをコミュニティによる投票で決定できるようにします。収益モデルの詳細は明らかになていませんが、EverOwnの収益の75%はKrakenに投入されて蓄積されていきます。8月9日までに完成予定。

なお、EverOwnの次にEverWalletの開発に着手するようで、その後はEverLock、EverSale、EverSwapといったDappsの開発を予定しています。

チームについて

主要なチームメンバーはTitan、Wiz、Lordの3名です。TitanはEverRiseのコードの開発者、Wizはマーケティング担当、Lordはマーケティング担当です。彼らは、35名のEverRiseチームを率いています。なお、Titanは匿名で顔出しも行なっていません。そして、最近本業の仕事を辞めて、開発に専念しているようです。


このようなプロジェクトに対しては、価格上昇を見越して短期投資家が集まりがちですが、EverRiseが今後長期的にどのようなDappsを開発し普及させられるかが焦点になります。また、「◯◯Rise」と名前がつくプロジェクトが同じようなトークンモデルを打ち出していますが、実はこの買い戻しとバーンのアルゴリズムを作ったのはEverRiseです。株式市場に自社株買いが浸透しているように、暗号資産市場ではスマートコントラクトによる買い戻しとバーンが今後当たり前になっていくかもしれません。今後どのように活動していくか楽しみです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
執筆者:ビニール

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