【ネタバレ有り】最速!シンエヴァが理解できなかった人のための解説・考察

ネタバレ注意!

※この記事は大量のネタバレを含みます。読みたくない人はただちに閉じてください。

はじめに

シンエヴァはかなり情報量が多い作品だったので、わからない事がたくさんあったんじゃないでしょうか。これまでのエヴァについて知らないとわからない事もたくさんあるので、特に後半に起こった出来事についてできる限りわかりやすく解説していこうと思います。
「あれってどういうこと?」という質問があればコメントにください。必要に応じて追記していきます。
※できるだけ辻褄の合うように推理していますが、あくまで考察なので間違っている可能性もあります。特におかしいところがあれば指摘のコメントをください。



(↓↓↓以下、大量のネタバレが続くので注意!↓↓↓)





まず前提として、今回は第一部の「第三村」編はすっ飛ばして南極バトル編から解説していこうと思ってます。まずそのための事前知識から。

アディショナルインパクトとは何か?ゲンドウの目的は?

ゲンドウの最終目的はずっとひたすら「ユイにまた会うこと」。そのために、
 1. 「アディショナルインパクト」という新たなインパクトを起こし
 2. 人類補完計画を発動させ
 3. 溶け合って一つの生命体となった人類の中でユイを探し出し出会い
 4. 自分の理想の世界の中でユイとともに生きること
という流れで物事を起こそうとしてました。


インパクトって?人類補完計画って?


これは旧劇場版からずっと共通してるテーマとしてあります。xxxインパクトが発動すると人類補完計画が発動します。発動条件は:
 1. リリス、あるいはその分身が使徒と融合すること
 2. 人々のATフィールドを壊すためのロンギヌスの槍
 3. 依代(中心人物)となる人がいること

そして、インパクト&人類補完計画が起こるとどうなるかというと、全ての人類の魂が一箇所に集まり、融合して一つの生命体として進化するということが起こります。これが、ゼーレもゲンドウもやろうとしてること。

その上でゲンドウが独自に今回の新たなアディショナルインパクトで起こそうとしてるのは、世界そのものを、依代となる人間の願いの通りに再構築すること

今回アディショナルインパクトに必要なものは下記でした:
下記は他のインパクト発動時にも必要なもの
* (1) トリガーとなるエヴァ13号機
* (1) エヴァ13号機と融合できる使徒
* (2) エヴァ13号機に刺さったロンギヌスの槍
* (3) ゲンドウ自身

さらにアディショナルインパクトで世界を再構築するための追加材料として:
* 新たな槍を生み出す材料となる黒き月
* 4つのHorsemen(戦艦)
* 虚構の世界(=マイナス宇宙)にアクセスするためのゴルゴダオブジェクト

用語解説

ここからいくつか用語解説をしていきます。

Horsemen
* 聖書の「黙示録の四騎士(Four Horsemen)」が名前の由来。聖書では、7つの目を持った子羊が封印を解いて地上に召喚する。それぞれが侵略・戦争・飢饉・死をもたらすと言われている
* ネルフにより建設された4つの戦艦がまさにこれにあたる
* インパクト時の明確な役割が定かではないが、翼が生まれるところを見ると何かしら儀式のために揃えなければいけないものだと解釈
* 旧劇では9体のエヴァが必要だったように、儀式の材料という程度の解釈で十分そう

ゴルゴダオブジェクト
* 現実世界の壁を壊してマイナス宇宙にアクセスするための道具
* インパクト中にゴルゴダオブジェクトに触れることで、虚構の世界と現実の世界も一つにしてしまえる。ロンギヌスの槍が「心の壁」を壊すように、ゴルゴダオブジェクトは「世界の壁」を壊すものだと考えるとシンプル
* さらに、インパクトの依代の人物が心の壁を壊したいかを決められるのと同じように、世界(虚構と現実)の壁をどう壊してどう世界を再構築したいかも依代となる人物が決めることができる

マイナス宇宙
* マイナス宇宙はようは虚構の世界
* 虚構とは人物の記憶、妄想、そして時空を超えた別の物語も含む
* 新劇の世界から見れば、旧劇の世界は「別の物語」であり、マイナス宇宙の中のものである
* パラレルワールドでも世界線でもなく「物語」という言葉が使われてるところがポイント。その物語はその物語の中の人にとっては現実だが、他の物語の人たちから見ればただの想像上の産物
* つまり、現実ではないもの全てひっくるめて「マイナス宇宙」である
* 「エヴァンゲリオンイマジナリー」はこのマイナス宇宙の中の、つまり虚構の中のエヴァ

円環(ループ)する世界について
* エヴァの世界はループしているのは確定。カヲルが「円環する物語」と言っている
* ループしている事実を知ってるのはカヲル、ゼーレ、ネルフ
* 死海文書には人類のおおよその流れが書いてあるので、ループについても書いてあると考えて良さそう
* 「生命の書」に名前が書かれていると、記憶を持ったまま常に円環する世界に生まれ続ける。知ってる限りではここに名前が書かれているのはカヲルのみ。なので、カヲルのみがループするたびにずっと同じ記憶を引き継いで生きている
* 新劇のゲンドウは、シンジが以前(旧劇)でサードインパクトの依代になり、さらに彼が他者の存在を望んだことで人類を一つの生命体にするのをやめたという事まで知っている
* ゲンドウらは明確にループしている説明を最後まで確認できなかったため、彼らはループについての知識は持ってるが実際にループはしていないと考えて良さそう

南極バトルについて


* 南極(セカンドインパクト爆心地)にゴルゴダオブジェクトがあるのでここでインパクトを起こす必要あり
* 南極まで13号機が格納されたネルフ本部と黒き月を運搬したのはそのため
* さらに、ヴィレが来るのは予想済み。ヴィレ側にインパクトを起こすための材料があるので来てもらう必要があった。一つ目はHorsemenとして利用するためのヴンダー。もう一つはエヴァ13号機が融合するためのアスカの中にいる第9使徒。アスカが使徒化するシーンでマリが「これがゲンドウくんの狙いか」と言っているところから、ゲンドウはここまで計算に入れていたと考える
 * つまりゲンドウの計画は、
 1. 黒き月とネルフ本部+13号機を南極まで運搬
 2. ヴィレが襲ってくるところに対し、3つの戦艦で応戦し、10号機でヴンダーを乗っ取る→4つ目の戦艦まで揃う
 3. アスカの中に眠っている第9使徒が覚醒したタイミングで13号機で捕食し融合→エヴァがインパクト開始可能な状態になる
 4. 材料が揃い、インパクト開始可能

ではここから実際に映画後半のアディショナルインパクトでどんな事が起こっていたのかを解説していきます。

アディショナルインパクトの解説1:ガイウスの槍が届くまで


* ゲンドウが依代となりインパクト開始。だが、13号機と初号機が組み合った状態でインパクトが起こっていたのでシンジの意思も一部反映された状態でのインパクトになる
* ゴルゴダオブジェクトによりマイナス宇宙(虚構の世界)に突入
* 13号機と初号機の戦いは本当のエヴァ同士の戦いではなく、ゲンドウとシンジのインパクト主導権争いのための意識の争い
* 13号機と初号機が戦ってきた場面は全て2人の記憶をベースに構成されているが、全て虚構なので作りも雑になっている。13号機と初号機の動きがしょぼかったり、第3新東京市の造形がお粗末なのはそれが理由
* 依代はゲンドウであるためこの戦いにシンジは勝てず、ゲンドウ依代状態でインパクトが続く
* ゲンドウは旧劇のシンジと違って「全員が一つに融合する世界」を望み、実現する。インパクトは進展し魂が融合している状態になったが、ゲンドウは「ユイ、ユイ、ユイ」とユイを探し回るが見つからない。

アディショナルインパクトの解説2:ガイウスの槍


* 破でシンジが強い意思の力覚醒して無理矢理ニアサードを起こせたのと同じように、ミサトの強い意思の力により槍を作ることが出来たと考えていいと思う
* 新劇では「人の意思の力で、権力者のシナリオ外のことを起こす」というイベントが二度起こったことになる。シンジの覚醒はゲンドウのシナリオにはあったようだが、加持が「ゼーレが黙っちゃいませんよ」と言ったあたり、ゼーレのシナリオ外だったことがわかる。今回のミサトにより槍作成もゲンドウのシナリオ外だった。このあたりは本作のメッセージである「意思の力」や「希望」などのテーマに沿った流れだと考えられる
* ガイウスの槍の効果は、カシウスの槍と同じく「希望の槍」としてATフィールドの修復(アンチATフィールドの無効化)のようなものだと考えて良さそう
* さらに、マリはガイウスの槍と共にマイナス宇宙に潜入。目的はシンジの救出

アディショナルインパクトの解説3:ガイウスの槍到達後


* ゲンドウはユイに会えず意気消沈して、その上ガイウスの槍の到達もあり、インパクト続行を諦める。この時点でシンジがインパクトの主導権を得て依代となる
* シンジはここでついに「エヴァのない世界」を願う。しかしそれは完全なる世界の作り直しが必要になる。それが「新しい世界の創造(ネオン・ジェネシス)」という事である。
* その上でアスカ、レイ、カヲルをマイナス宇宙から1人ずつ逃がす
* 新しい世界の創造とは、それまでの虚構の世界(物語)の消滅を意味する。
* 旧劇のラストシーンに再訪し、そこでアスカを救い上げている。そこにいるアスカは惣流アスカのプラグスーツを着た大人のアスカ。これはつまり、旧劇の惣流アスカ(倒れていて古いプラグスーツを着ている)と新劇の式波アスカ(呪縛が外れて大人になることができ、さらにシンジに「好き」と言った記憶を持っているアスカ)が統合されて1人のアスカになっている、と考えて良さそう。
* マリがシンジを迎えにきた時、アニメ絵がどんどん荒くなり、鉛筆だけの白黒の絵になった。これはつまり虚構の世界(物語)が消滅してきていることを物語っている。
* インパクトを止めるためには依代となっている機体に槍を刺し、ATフィールドを再び修復できるようにする必要がある。破のニアサードでは初号機がカシウスの槍に刺されて止まった。今回も最終的に依代になった初号機+シンジに槍を刺す必要があるが、初号機とシンジはシンクロ率∞で同化しているため、初号機に槍を刺すのはシンジに槍を刺すのと同義であり、シンジがマイナス宇宙から抜け出すことを諦めなければいけないという事になる。
* が、シンジの心の中に眠るユイがシンジの代わりに槍を刺す役目を受けた。これによりシンジが離れても問題なく、シンジもマイナス宇宙から離れられるということになった

アディショナルインパクトの解説4:インパクト後


* ラストの世界はシンジがインパクト時に作り上げた「エヴァのない世界(物語)」。
* この時点でもうそれまでの新劇の世界も、旧劇の世界も無くなったということ

以上、とりあえずここまでで推理できた考察をまとめてみました。これでもまだマリの話は全く触れていなかったりと多くの情報が抜けてるので、適宜増やしていきます。
本当に今回は情報量が多いですね。

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