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マナーよりも美味しい食べ方にこだわりたい

中華料理にはマナーがある。
回転テーブルは時計回りに回す、骨や殻を乗せた小皿は下げやすい位置に置いておくなどなど。
というのを、何気なくネットで調べ物をしていたときに発見した。
台湾のレストランで台湾人と食事をしていて、そういうマナーを気にしている人を見たことがない。
回転テーブルは食べたい料理を目指してどっち方向でも回すし、骨や殻はテーブルの上に吐き出すし、なんだったら空いた大皿を下げてもらうときにそれらをまとめて乗せちゃうし。
オーダーの方法だって特に決まりがあるわけじゃなく、食べたい物を好きなように注文すればいい。
肉/野菜/海鮮/ご飯物/スープを、旬の食材を織り交ぜてバランスよく注文するとセンスが良いってだけだ。

語学学校に通っていた当時、クラスメイトの韓国人が韓国料理屋でバイトしていた。
そこでオススメのビビンバを頼むと、「よ〜〜〜〜〜っく混ぜて食べると美味しいよ」と言って出してくれた。
だからよ〜〜〜〜〜っく混ぜてから食べた。美味しかった。
母と弟が台湾に遊びに来たときに、そのお店に行ってみんなでビビンバを頼んだ。
私がいつものようによ〜〜〜〜〜っく混ぜ始めたら、「あ〜混ぜちゃうんだ……」と弟ががっかりした声を出したのだった。

例えば。
日本大好きなアメリカ人の友人がいるとしよう。
ラーメン屋でフォークを使って麺を啜らずに食べ出したら、「箸はこう使うんだよ」「こうやって啜って食べるんだよ」と私は教えるだろう。
お寿司なら「ネタの方に醤油をつけて」「丸ごと口に入れて」と。
「こうして食べると美味しいよ」と。

ビビンバをよ〜〜〜〜〜っく混ぜた私は、弟の目には下品に映ったのだろう。
下品にならないようにすることは、周囲への気遣いとしてとても大事なことだけれど、そのために誰かが決めた画一的なルールや作法を気にし過ぎて、他人の好奇心まで制限するきらいが日本人にはあるように感じる。
「無知の知」と「バカの壁」という言葉を知るのはそれから数年経ってからのことだけれど、このビビンバ事件を時折思い出しては自分への戒めとしている。

一昨年行ったマレーシアで、隣のテーブルの女性が右手だけで器用に骨付き鶏肉をほぐし、右手だけでご飯とカレーを混ぜ混ぜし、右手でそれらを口に運んで食べていたっけ。
と、私が作ったカレーをスプーンでぐちゃぐちゃに混ぜてから食べ始める台湾人の夫を見ながら思うのだ。

全ての料理にストーリーがある。
現地人がやる通りに食べるのが一番美味しい。

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