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「茎」を伸ばし「根」を深く張った21年、「枝・葉」を生やす22年【VUILD Annual Report2021】

代表メッセージ 秋吉浩気

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皆様、あけましておめでとうございます。
活動を始めて5年目になる本年は、いよいよ「真価が問われる年」だと思っています。2018年はメンバーと出資者を募り「土」を整え、2019年は『EMARF』や『まれびとの家』などの「種」を植え、2020年には『グッドデザイン金賞』などで世間の注目を集めることで遂に「芽」が生えたと思っています。

その上で、2021年はしっかりと「茎」を伸ばし「根」を深く張ることに挑戦してきました。具体的には、目先の仕事に追われるのではなく長期的な開発ができるように、やるべきことにフォーカスできる組織体制とマネジメント手法の構築を進めてきました。

その甲斐もあって、2021年5月には僕たちの集大成としての住宅事業『Nesting β』を公開し、50名以上の建設希望者の問い合わなど多くの反響を頂きました。また、2021年11月には開発から約半年で1棟目の住宅が竣工し、構想を現実にすることができました。さらに、この流れと並行して資金調達を実施し、起業家応援団という頼もしい仲間を集めることができました。今年春には遂に正式リリースを実施し、急成長を目指したいと思っています。

このように「茎」を伸ばしていくと共に、ShopBotとEMARFによって「根」もしっかりと降ろしてきました。ShopBotは遂に累計100台の導入数を突破し、どのエリアに行っても僕たちの価値が届くようになってきました。EMARFは会員数が約4000人になり、学生だけでなくプロの設計者や大手企業さんの利用シーンが増え、幾つかの展覧会を実施するまでに至りました。

供給側の体制は万全に整ってきたので、いよいよNestingを中心に需要側のテコ入れを実施し「枝・葉」を生やすと共に、VUILDという1本の木をしっかりと育てていきたいと思っています。本年も何卒応援宜しくお願い致します。

EMARFの「場づくり 」(機械販売・デジタル人材育成)

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「つくりたい」を、育てる
ワクワクする暮らしや人生を自らの手でつくり、設計者を育てる人たちのことを、「ヴィルダー」と呼んでいます。「わたし、こんなこともできるんだ」という発見を、もっとたくさんの人へ届けるために。どんな人でも、手軽に「つくる」ことを叶える3D木材加工機「ShopBot」を活用し、日本全国どこでも・誰でも・好きなものがつくれる環境を、全国各地のヴィルダーと連携しながら構築していく。ヴィルダーズ事業部は、そんなヴィルダーを増やしながら、「つくりたい」と思う心を育て伝播させていくために、地域コミュニティの構築やShopBot導入後の運用まで、多面的なサポートを行なっていきます。

ShopBot導入台数が108台に
ShopBotの販売を行いものづくりの基盤をつくってきたVUILDでは、昨年の導入台数から48台増え、合計108台となりました。材料(素材)をダイレクトに最終製品として出力できるShopBotの広がりは、ものづくりツール「EMARF」の拠点の広がりをも意味しています。

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Desktop型のShopBotを販売開始
車にも積み込めるほどの小さな加工機「ShopBot Desktop」の取り扱いがWEB Shopで始まりました。彫刻レベルの精度が高いこのマシンは、そのサイズも特徴的。車に乗せて共に移動することで、多くのEMARFワークショップでも活躍しました。

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公式instagram開設
これまであまり発信できていなかった、導入拠点の取り組みをより多くの人に知って欲しい!そんな想いから、公式instagramを開設しました。ShopBotならではの加工Tipsや、全国から集まったものづくりの工夫を凝縮し発信しています。@vuild_vuilders

EMARFの「仕事づくり」

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プリントアウトするように家具をつくろう
これまで職人にしかできなかった家具や建築のデザイン・部材加工などのものづくりを、あなたに解放すること。規制部品の組み合わせではなく、ニーズや好みに合わせた思い通りのデザインを1点からでも、大量にでも、ボタンひとつで速く、安くカタチに。自分ではつくれないと思い込んでいるものも、どこかの誰かが「つくったもの」には、違いない。EMARFは、ネットワークとテクノロジーによって「つくりたい」の制限を取り払い、誰もが自由に「つくる」ことを可能にしていきます。

様々な層への広がり
2020年のサービスローンチ後、より多くの方々にものづくりを楽しんでいただきたいという思いから、サポート体制を充実させてきたEMARF。2021年は特に様々なテーマで、多くの方々にワークショップにご参加いただきました。また、アート文脈でのご利用も増え、チームとしても驚きの多い一年になりました。

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企業とのコラボレーション増加
デザインやものづくりには携わっているけれど、実務では実際に手を動かす機会は少ないというデザイナーさんは多いそう。そんな背景を知り、EMARFでは企業とコラボし、普段の業務で培った創造性や個性を生かすもづくりを共に行いました。

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EMARF初の展覧会を開催
「EMARFでつくる新しい生業」と題した初の展覧会を開催。デスクトップ型のShopBotを場内に持ち込み、並行して開催したワークショップも反響を頂き、リアルタイムで来場者のアイデアがカタチになる様子にEMARFチーム一同もワクワクさせられる機会になりました。

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VUILD ARCHITECTS・VUILD fabrication(設計・施工)

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「つくりたい」を、究める
すべての人を「設計者」に。その先に目指す、「生きる」と「つくる」がつながる社会を実現するために、まずは自分たちが率先して「つくりたい」を追い求め、実現させていく必要があるとわたしたちは考えています。そのために、素材の特性やその地域にしかできないことは何なのかを、徹底的に考える。そうして生み出したアイディアを自分たちの手でつくる過程から、新しい建築の可能性を開拓する。まずは自分たちの「つくりたい」を究めていくということは、設計を担うVUIILD ARCHITECTS、そして施工を担うVUILD fabricationの重要な使命のひとつです。

ShopBotの新たな使い方を模索する研究開発
VUILD fabricationチームではShopBotの新たな使い方を模索する研究開発にも力を入れています。既存のセッティングで丸太を加工することはできませんが、オリジナルの治具をアルミフレームで製作することでShopBotをハックし、丸太加工を実現しました。

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Hololensを活用した施工
設計業務のモデルチェンジというビジョンを達成するテストケースとして都内某所に竣工した本作品。デジタルデザインとデジタルファブリケーション、そしてHoloLensを使ったデジタルコンストラクションに挑戦しました。

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建築づくりの本格化
2019年に「まれびとの家」が竣工して以来、VUILD ARCHITECTS/ VUILD fabricationでは様々な工法開発に尽力してきました。建築未満を経て、建築づくりを本格化させるVUILDでは、現在Nestingと並行して進行していくつかの住宅を計画中です。

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デジタル家づくりプラットフォーム「Nesting」

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「つくりたい」を究める -すべての人に理想の家づくりを-
Nesting は、あなたの理想の暮らしを実現するデジタル家づくりプラットフォームです。快適で環境負荷の少ない住まいをデジタルテクノロジーを用いて、自分たちで設計して作り出す体験を提供します。
■Nestingとは?
Nestingは「Template 〜 エコで贅沢な空間」「Application 〜 住まいを作る喜び」「Process 〜 皆で造る楽しさ」「Community 〜 創ることで共に学ぶ」の4つを特徴とし、2021年5月に構想を発表しました。現在、来春の本格ローンチに向けて日々プロトタイピングをおこなっています。

21年10月、事業を加速させる資金調達を実施
デジタル家づくり事業を加速させるべく、企業家応援団を迎え、第三者割当増資を実施し、総額1億円強の資金調達を実施しました。今秋に竣工した1棟目を皮切りに、現在15棟のプロジェクトが進んでいます。

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21年11月、1棟目が竣工
記念すべき1棟目は北海道に建設。構想公開から約半年、上棟に1日、躯体工事完了に3日というスピードで完成しました。本住宅は、VUILDの設計者監修のもと、施主自らがデザイン、設計をしています。

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22年春本格稼働、23年中に100棟を目指す
1棟目竣工の時期と同時に、家づくりアプリのβ版も公開。アプリを利用することで、よりスムーズなデザイン、設計、見積りの取得を目指しています。来春の本格稼働後、2023年中には100棟竣工の目標を掲げ、現在も全国各地で計画が進んでいます。

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最後までお読みいただきありがとうございました!引き続き様々な取り組みをnoteで発信していきます。本年もVUILDをよろしくお願いいたします。

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