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サンフランシスコ、AIブームで再び「スタートアップの聖地」に




サンフランシスコがパンデミック後の停滞を脱し、再び世界中の起業家を引き寄せています。特にAIブームの中心地としての地位を取り戻し、海外の創業者たちが続々と移住を決意しています。

世界中の創業者がサンフランシスコへ

パンデミック期間中、リモートワークの普及や経済の不安定さから、多くのホワイトカラー労働者が都市を離れました。しかし、OpenAIのChatGPT 3.5が公開された2022年末以降、生成AIの可能性が広まり、スタートアップ創業者たちはサンフランシスコの「魔法」を再発見しています。

コロンビアのボゴタから移転準備中のフィンテック企業Bucksのエマニュエル・マルテス氏は、街のエネルギーを肌で感じたといいます。「ここでは誰もが何かを作り上げようとしている。『もっと大きく考えなければ』と思わされる」と語りました。

サンフランシスコを選ぶ理由

AI関連スタートアップへの投資額は世界全体の50%を占め、2023年には270億ドル以上がベイエリアに流れました。これに対し、カナダ全土のスタートアップ資金調達額は50億ドル以下にとどまります。創業者にとって、顧客やパートナーとの近接性は非常に重要であり、多くがこの都市を選ぶ理由としています。

元Uber幹部のクリス・サード氏も、オーストラリアから再びサンフランシスコに戻った一人です。「ブロックバスター映画を作りたければロサンゼルスへ。ブロックバスター企業を作りたければシリコンバレーへ」とその理由を語ります。

移住の課題と期待

一方、ドナルド・トランプ元大統領の移民政策への懸念もあります。特に高技能労働者向けビザの取得は、移住を目指す起業家にとってハードルとなる可能性があります。しかし、規制緩和や減税を掲げる政策は、投資活動を活性化させると期待する声も少なくありません。

新しい波が築く未来

サンフランシスコの復活を象徴するのが、海外の創業者の急増です。Y Combinatorのギャリー・タン氏は移住を奨励し、「未来を形作る場所」に近づく重要性を説いています。パンデミックの逆風を乗り越えたサンフランシスコは、再び「スタートアップのメッカ」として注目を集めています。


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