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マーケティングイベントに登壇する業界各社の皆様へ


登壇するということは、未来に対して責任を持ち、若い世代への見本となることです。その責任を自覚し、日本の未来を共に創造していくことが求められます。私が駆け出しのころ、ソニーの宣伝部の先輩たちから多くを学びました。世界的な企業であるソニーの出入り代理店の一員として働く中で、河野透さんのプレゼンテーションに感動し、マーケティングの面白さを知りました。彼のユニークなアイデア、例えばタコの赤ちゃんやウォークマンの猿など、メディアの使い方には多くの学びがありました。これらの経験は、私のマーケティングに対する情熱を高め、創造的なアプローチを追求するきっかけとなりました。

また、佐伯雅司さんからはハンディカムの世界戦略や、PlayStation1の発売に携わる経験を通じて、大きな感動を味わいました。「俺についてこい!」という姿勢に憧れ、メーカーの立場でしか感じられないマーケティングの醍醐味を実感しました。これらの経験を通じて、私は日本の製品を世界に広めることの重要性と、そのための戦略的思考の必要性を深く理解しました。

現在の日本のマーケッターの皆さんにも、当時の先輩方と同じように、革新的で挑戦的な精神を持って取り組む姿を期待しています。しかし、最近のマーケティングでは、安易にテクノロジーベンダーのセッションに参加して広告塔となる「事例パンダ」や、実力者が上を目指さずに下の人からお金を巻き上げる「情弱ビジネス」に甘んじるケースも見受けられます。これらの傾向は、短期的な利益追求にとらわれ、本質的な価値創造を見失う危険性があります。

ここで強調したいのは、日本の将来にとって外貨の獲得が不可欠であるということです。日本経済の成長と安定を図るためには、国際市場での競争力を高める必要があります。外貨を稼ぐことは、日本国内の雇用を創出し、経済の循環を促進するための重要な手段です。そのためには、優れたマーケティング戦略が求められます。マーケティングは単なる広告や販売促進活動ではなく、市場のニーズを的確に捉え、独自の価値を提供するための包括的な取り組みです。

皆さんが過去の成功例に学びつつ、現状に甘んじることなく、世界市場で競争力を持つための新たなマーケティングの可能性を切り開いていくことが重要です。例えば、デジタルマーケティングの進化や、グローバルな消費者行動の変化を見据えた戦略的なアプローチが求められます。デジタル技術を活用することで、ターゲット市場に対する深い洞察を得ることができ、効果的なマーケティング施策を展開することが可能です。

また、日本の強みである技術力や品質の高さを最大限に活かし、世界の市場で信頼を築くことが重要です。製品やサービスの差別化を図るだけでなく、ブランドのストーリーテリングを通じて、消費者との深い共感を生むことが求められます。グローバルな視点を持ちながら、地域ごとの文化や価値観を尊重し、柔軟なマーケティング戦略を展開することが成功の鍵となります。

皆さんが未来のマーケッターにとってのロールモデルとなり、日本の経済成長に貢献することを心から期待しています。日本のマーケティング業界は、革新と挑戦を続けることで、さらなる成長と発展を遂げることができるはずです。そのためには、一人一人が自らの役割を自覚し、高い志を持って取り組むことが求められます。

共に未来を創りましょう。日本のマーケティングの力を結集し、世界に誇れる成果を生み出すために、私たちは一丸となって前進していきましょう。このカンファレンスが、新たなアイデアや視点を共有し、未来のマーケティング戦略を模索するための有意義な場となることを願っています。皆さんの熱意と努力が、必ずや日本の明るい未来を切り開く力となるでしょう。

60才になった私から業界各社の”想いがある方々”へのメッセージです。

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