【ShortNoteより再掲②】 びちゃびちゃクレープ

校則が厳しめの女子校で過ごした高校時代。先生からの評判は真面目な優等生だった。

夏休みの話。部活の練習のためだけに学校に通っていたが、昼過ぎには終わる。

青春真っ盛りの高校生が部活が終わったからといってまっすぐ帰れるだろうか。校則で寄り道は禁止されていたが、よく部活の仲間と学校からは遠いクレープ屋に寄ってクレープを食べていた。中にバニラアイスが入ったクレープが好きだった。くだらない話に笑い、夢中になるうちに、クレープの中に入ったアイスが溶けかけて慌てて食べたりした。

ある日先生に見つかった。現行犯だ。

この先生は熱血漢だ。部活の仲間も真面目という評価だったせいもあり、「お前らがこんなことしているだなんて、がっかりしたよ」とちょっと泣いていた。我々は素直だったので少しシュンとしてしまった。説教の最中、手に持っていたクレープの中のアイスが溶けていき、クレープはびちゃびちゃに、手はベタベタになってしまった。開放された後に食べたびちゃびちゃのクレープの味は覚えていない。

しかし我々はめげず、その後も部活後のクレープ屋通いは続いた。そんな事で青春を止められると思っているならナメてるとしか言い様がない。

教え子がクレープ食ってるくらいで泣くな。

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