「ティムクラ以外でエスパーカラーを有するデッキを試してみたい」との考えに至り、トラシオス&ティムナを再調整していた。
本記事では約2年前に投稿した下記を引用、加筆することによって調整内容を記す。
トラティムとは?
アド源としてティムナの性能は間違いないが、トラシオスについては懐疑的。《フェアリーの黒幕》(以下Yuta)が登場してから青三種の神器(レモラ、リス研、Yuta)をサーチしてまで場に出す動きが増えている。すると談合プレイヤー同士の手札枚数が10枚以上でターンが回り、仕掛けのタイミングではマナの多さがより重要となる。そんなゲームで4マナも使ってちまちまアドバンテージを稼ぐ暇はない。唯一、強いと感じるのはマナ加速を意図した起動時。空中戦で追加の有色マナが染みる。
ティムナがキープ基準になる点は相変わらず強い。ただ、トラシオス軸のキープは《訓練場》があっても難しい。マナ加速の面では問題ないが、実がないと展開力で追いつけなくなる。序盤でティムナや青三種の神器でマナを節約しながらアドバンテージを稼げる土壌を作り、スキがあればトラシオスを起動する流れが理想的。
勝利手段
《タッサの神託者》
数少ない2キルを狙える軽量コンボ。《呪文探求者》は引いて強いときよりも弱いときの方が多かったため抜いた。《新生化》を採用する場合は戻してもよいだろう。Yutaの起動能力による負けパターンが増え、脆弱性は増したがその軽さは相変わらず魅力的。
《献身のドルイド》《即時換装》
2年前はなかった軽量コンボ。除去が効く、緑無限なので青がないとトラシオスを唱えられない等の弱点がある。しかし、軽量且つインスタントで狙える点、揃ってしまえばスタックの上から何度も起動し直せる点は良い。
《研究室の偏執狂》
即時換装コンボがなかった当初はやむなく採用していたが、現在は不要。
《むかつき》
変わらず。抜くことも検討したが、マナフラから1枚で勝てるため残した。
逆転棒は非採用
元記事の引用部分は複製時に引き継がれないようだ。即時換装コンボがある今、逆転棒は優先度は更に落ちた。今後使うこともなさそうなので手放した。
キープ基準
トラシオスやティムナでドローするより、センチネルや青三種の神器の方が手軽にアドバンテージを稼げるため積極的に狙う。これらを満たせない場合は下記を意識する。
ティムナ軸
T1ティムナT2アタックかT1アタッカーT2ティムナは欲しい。T3ティムナをする場合は着地後に浮きマナありで2体以上がアタックできるようにしておきたい。Yutaというキープ基準が増えたため、これらを満たせない場合は初手枚数5まではマリガンすることが多い。
トラシオス軸
確実に遅い卓なら問題ないが、それ以外では狙わない。上記の《悟りの教示者》についてもサーチはマナ加速かレモラ、リス研で良い。
ブルー/グリーンカウント
色カウントは相変わらず意識している。が、手札が容易に増えるようになったため、以前よりも少ない枚数でも許容可とした。
青は22, 23枚あれば十分な感触。
採用カードの一部紹介
《Elvish Spirit Guide》
瞬間加速の重要度が増しているため続投。タップアウトから突然マナを出せるため、青三種の神器とも相性が良い。
《忍耐》
即時換装コンボ後にライブラリーをループさせる役割が増えた。コンボに組み込める場合に限り、数少ない緑の良カードと言えるだろう。ピッチで唱えられるため、青三種の神器とも相性が良い。
《呪文捕らえ》
T1マナクリT2《呪文捕らえ》T3ティムナの動きが良かったのだが、T1のマナクリ枚数を減らした際に本カードも抜いた。
《さまようアルカイック》
《異界の進化》を経由して出すことが多かったのだが、リスクの割に活躍がイマイチだったため抜いた。
《むかしむかし》
キープ基準を満たせるカードが増えたため抜いた。
《召喚の調べ》
インスタントタイミングで勝利を狙える点は魅力的だが、構え方が露骨で動きがぎこちなくなるため抜いた。
《モックス・アンバー》
軽量統率者であるトラシオスが生きる数少ないカード。良い。
非採用カードの一部紹介
《イーオスのレインジャー長》
入れない選択肢はない。2年前時点でもマナ基板を工夫して採用するべきだった。このことを言いたかったがために本記事を書いたと言っても過言ではない。
《唱え損ね》
Yuta登場によって青が強化、増えることによってログ系が息を潜めている今は不要。
《マナ吸収》《ドビンの拒否権》
色の濃さから《マナ吸収》は不要。唱えるマナの確保も唱えたあとのマナ活用が噛み合わない。同じ打ち消し範囲だと《遅延》の方が優先度高。《ドビンの拒否権》は弱い。
《石のような静寂》
ファクト対策が好みではない。赤が強いのは相変わらずで、それらから妨害を受けたくない。
《森の知恵》
Yutaで良い。
追加カードの一部紹介
《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》
縛りがちょうど良いスタックスクリーチャー。当時は環境が今よりも早く、対戦相手のピッチスペルが止まって他プレイヤーのコンボが止まらない裏目が出やすかったが、今はやや遅くなって裏目が減った。裏目が減ってしまえばちょっとした《堂々たる撤廃者》のように使える。
《復活した精霊信者、ニッサ》
トラティムはT1, 2クリプト、ソルリンの有効活用が苦手だった。そこで白羽の矢が立ったのがニッサだ。T2ニッサ着地からフェッチでティムナ着地が可能。更に誘発能力でエルフかエレメンタルが手札に加わる。手札に加わるカードはランダムだが、マナ加速、妨害、コンボパーツといずれも悪くない。
この動きが足されたことによって緑チューターもキープ基準になり得る初手パターンが増え、初動の安定感が増した。
《ドラーナとリンヴァーラ》
通称ドラリン。色が濃く、強くなった《静寂の守り手、リンヴァーラ》。Yuta下でタッサするために採用したのだが、予想以上に強いことが判明した。
起動型能力が軸の統率者(5Cシッセイ、マグダ、緑単、アーカムetc.)は打ち消しが効きづらいため、対処する場合は除去が必要となっていた。そこでドラリンがいるとこれら全てを対処しつつ、優秀なブロッカー兼アタッカーとして運用することが可能となった。これによってクリーチャーサーチしかない場面で渋々ドレイクする必要がなくなった。攻めの面でも即時換装コンボは揃っているが、ドラ判のせいでトラシオスを唱えられない等の盤面で対戦相手の起動型能力を無限回起動して勝つ、等の運用方法もある。
最後に
本リストのトラティムは40戦程度しか回せていないが、勝率は約32%と悪くなかった(明らかに有利な卓で勝った試合は除いた)。ただ、ラッキーぶっぱ勝利がない点は課題だと感じた。どの試合も地盤を固め、的確に妨害を吐き続ける必要があったため、些細なプレミが敗北に繋がるケースがしばしばあった。しかし、その分各試合から得られたフィードバックは多かった。恐らく大会には向いていないが、練習に適しているデッキと言えるだろう。