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【cEDH】横断マルコムターナのデッキ解説

統率者レジェンズが発売されてからより一層、統率者人気が高まっているように感じている。これから紹介するのはこの統率者レジェンズに収録された《鋭い目の航海士、マルコム》と《血を蒔く者、ターナ》を共闘としたデッキだ。

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このデッキはそれなりにリストが作られているのだが、発売してからまだ間もないということもあって解説記事がほとんどないので書いてみることにした。ちなみにデッキ名に"横断"とついているが、これは《ウルヴェンワルド横断》のことを指している。昂揚達成のためにカード選択が僅かながら異なってくるため、他のリストとは差別化する意味もあって付けた。

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国内ではマルコムの共闘先として《激情の薬瓶砕き》の方が人気傾向にあるような気もするため、これとの差についても後述する。

デッキリストと勝ち手段

デッキリストはこちら(リストは随時アップデート中)。

勝ち手段は青赤でよく見るブリーチコンボと《光り角の海賊》の2種類。
特に後者のコンボはマルコムとこれ1枚でコンボが完結しており、マルコムの共闘相手に赤色が選ばれる理由となっている。

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コンボの流れは下記の通り。

《鋭い目の航海士、マルコム》&《光り角の海賊》コンボの流れ
戦場にはマルコムと光り角が揃っている状態で

1. 光り角で攻撃を宣言する。
2. 光り角の起動型能力でカードを1枚捨て、1枚引く。カードを1枚捨てたため、各対戦相手に1点のダメージ。
3. 光り角は海賊であるため、マルコムの誘発型能力で宝物トークンが対戦相手の人数分生成される。

対戦相手の人数が2人以上であれば光り角の起動型能力でダメージを与えつつ、マルコムの誘発型能力で宝物トークンが2個以上生成できるようになる。

光り角自身に速攻が付いているため、起動コストさえ用意できれば勝てるお手軽コンボになっている。

"マルタナ"と"マル砕き"の違い

マルタナとマル砕きの大きな違いはその色である。
自分もデッキを組む際にどちらにするか考えたのだが、その時に挙げたそれぞれのメリットは下記の通りである。

マルタナ(緑)のメリット
・軽量マナクリの採用が可能
・打ち消し対策が優秀
・クリーチャーサーチが豊富
・アーティファクトの採用が最低限で済む

マル砕き(黒)のメリット
・神託者コンボを搭載可能
・万能サーチが豊富
・《むかつき》を採用可能
・《致命的なはしゃぎ周り》を採用可能

私は1, 2ターン目にマルコムを着地させられるマルタナを選んだ。
マルコム着地の翌ターンにコンボを揃えるのは難しいが、更にその翌ターンであればそれなりに安定してコンボ+打ち消し対策の準備を整えることが出来る。

マル砕きも万能サーチが魅力的ではあったが、グリクシスカラーであれば《ロフガフフの息子、ログラクフ》&《求道の達人、サイラス・レン》の《むかつき》デッキの方が強そうに感じたため、組むのはやめた。

各枠の紹介

ここからは私の記事恒例の枠紹介。

土地
純粋な土地は29枚。
確率的には30枚欲しいのだが、《むかしむかし》や《ウルヴェンワルド横断》があるのでこの枚数。
息継ぎが課題となるマルコム+αにおいてキャノピーランドを2枚採用出来るというのはマルタナのメリットの1つ。
両方とも青マナを出せるため構えやすいという点が気に入っている。

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基本土地については《島》と《山》しか採用していない。
まず、最近遊んでいるレベル帯では《血染めの月》や《基本に帰れ》は滅多に見かけないため、これらのケアはなし。
仮に置かれてもマルコムの能力で宝物・トークンを生成し続けることが出来るため、そこまで困らないだろう。
基本土地の組み合わせだが、これは単純に《ウルヴェンワルド横断》で青か赤をサーチしたいため。
《ウルヴェンワルド横断》を唱えられるということは既に緑はあり、緑を多めに必要とする場面が少ないため《森》は採用していない。

マナ加速
マルタナのマナ加速は"2ターン目マルコム用"と"それ以外"の2種類に分けられる。
前者については《宝石の洞窟》等も含めて16枚採用している。
これらの中で《むかしむかし》はEDHでは珍しい部類に含まれるだろう。
最低でも土地として数えられ、マナクリにもなり得るという点で1ターン目にマナクリから動きたいデッキであれば迷わず採用しているお気に入りの1枚だ。

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後者では《眷者の神童、キナン》が珍しいかもしれない。
他の統率者では基本的に他のマナ加速在りきの中途半端なカードであるが、マルコムであれば自身で宝物トークンを供給し続けられるため使いどころに困らない。
序盤で勝ちきれなかった場合でも余ったマナの捌け口になれる点が優れている。

打ち消し
この枠はどの統率者でも大体同じなのだが、私は《神秘の論争》を採用している。

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これは光り角コンボを止められる置物呪文も打ち消すことができるため。
特に《船殻破り》や《概念泥棒》は《Timetwister》や《Wheel of Fortune》等の手札リセット系呪文と合わせた強力なコンボのパーツにもなるため、これらを青1マナで打ち消せる点を評価している。
タップアウトした相手の《精神的つまづき》を気にしなくていい点も精神衛生上よい。
《Red Elemental Blast》や《紅蓮破》等、青くないインスタント・ソーサリーを強く見たい場合は《唱え損ね》の方が優れている。

除去
《剥削》が素晴らしい。

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《船殻破り》や《敵対工作員》はもちろん、光り角コンボを妨害する《溜め込み屋のアウフ》、《無のロッド》、《呪われたトーテム像》を全て破壊することが出来る。
もう1枚ぐらい入れたかったのだが、《溶鉄破》とかいう《剥削》の下位互換しかなかった、残念。

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サーチ
ここで紹介するのが《ウルヴェンワルド横断》。

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ゲーム序盤では基本土地サーチのみで十分役に立ち、それ以降では光り角を探しに行くカードとなる。
統率者自身がデッキを掘れたり土地を手札に加えられる訳ではないため、安定して毎ターン土地を置くのは怪しい。
そんな時にこのカードは「コンボカードになり得る1マナ基本土地」として扱える。

墓地利用
最近のリストではほとんど見かけない2枚のカードを採用している。
その1枚は《影武者》。

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墓地に落ちた光り角を回収できるクリーチャーが1枚欲しく、その枠として採用した。
柔軟性は《永遠の証人》の方が勝るのだが、墓地の光り角を場に出すまでのマナが《影武者》の方が1マナ軽い。
また、《新生化》や《異界の進化》から直接場に出せばそれ以上マナが必要ないというのも選んだ理由だ。

そして2枚目は私の大好きな《ゴブリンの闇住まい》。

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マルタナのリストでは《新生化》や《異界の進化》の選択肢として《オーランの凍り牙》が採用されていることがある。
これはマルコムもターナも自身の能力でアドバンテージを稼げないためであり、ターナのトークンをドローに変換できるからである。

しかし、ターナをコストに凍り牙を場に出すことを考えた場合、1つ問題が発生する。
ターナも凍り牙も攻撃時に誘発する能力を持っているため、攻撃時にトークンを出すのかドローするのか選ばなければならないのだ。
トークンを出すだけの動きは弱いため後者を選ぶことになるのだが、そうなるとドロー出来る枚数は限られてくる。
であれば「すぐにより大きなアドバンテージを稼げるクリーチャーを場に出した方がいいだろう」と考えて採用したのが《ゴブリンの闇住まい》だ。
《ゴブリンの闇住まい》であれば《新生化》からそのまま《聖別されたスフィンクス》に繋ぐことが出来る。

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《聖別されたスフィンクス》は青いのでREBパイロの的になってしまう点が気にはなるが、着地して自分のターンまで持てばほぼ勝てるのでリスクに見合っているだろう。
《ゴブリンの闇住まい》についてはフォロワーの何名かが採用してくれているようなので一緒に感触を確かめていきたい。

ドロー
ここでは採用していないカードを紹介する。
それは《Wheel of fortune》。

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記事の上の方でも軽く触れたが、グリクシスが《船殻破り》or《概念泥棒》+手札リセットのコンボを積極的に採用している。
そしてこれらのデッキは万能サーチを使って頻繁に《船殻破り》をサーチしている疑いがある。
コンボパーツを探しつつ、妨害も構えられるようになるため、サーチしたくなる気持ちもよく分かる。
となると《Wheel of fortune》を唱える場合にはそれなるの準備が必要となってくる。
この準備をした上で更に7枚引いた各対戦相手の妨害を掻い潜ってコンボを通すのは難しいだろう。
せっかく光り角1枚で勝てるため、《Wheel of fortune》が必要となるような消耗戦では的確に光り角を引き込むプレイングをする方が自分は好みである。

最後に

マルタナはまだ登場してから数ヶ月しか経っていないため、まだまだ発展途上のデッキだと言えるだろう。
色的にもかなりのポテンシャルを秘めていると感じているため、お気に入りの百合子と合わせてこちらも色々と試していきたい。
他にいいカードやアイデアがあれば是非、教えて欲しい。
皆で最高のマルタナを組み上げよう。


執筆中に飲んでいるコーヒー代に充てさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。