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【cEDH】統率者レジェンズ後のYuriko Go

統率者レジェンズは統率者を意識した作品なだけあり、環境を変えてしまいそうなカードが複数現れた。
中でも目立っているのが《敵対工作員》、《船殻破り》、《宝石の睡蓮》の3枚
これらを意識して以前作成したYuriko Goを大幅にアップデートした。
本記事ではこれら3枚に対する考えをそれぞれ述べた上で、リストを紹介する。

統率者レジェンズによる環境変化

統率者レジェンズで作られた《敵対工作員》、《船殻破り》、《宝石の睡蓮》の3枚は今後それなりの頻度で見かけることになるだろうし、意識する必要があるだろう。
ここではそれぞれのカードについて考察し、Yuriko Goの調整ポイントを挙げていく。

《敵対工作員》について

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統率者レジェンズのカードで何度もテキストを読み直したカードその1。
サーチを制限するだけでなく、何故かそのサーチを横取りできる。
主な仕事内容は3つ。

1. 置物サーチ妨害
ただの置物妨害として唱える。
サーチに合わせて唱えればカードを1枚確保できる点が従来の置物妨害とは大きく異なる。
瞬足を持っているため、使い勝手も良好。

2. 疑似サーチ
手札次第では特定のカードを狙いに行っても良い。
コンボ内容が被っていそうな相手を狙えばコンボを妨害しつつ、自分はコンボを揃えに行くことができる。
《タッサの神託者》コンボのパーツの奪い合いはそれなりに多くなるだろう。

3.前方確認
コンボが揃ったからと言ってすぐに動き出せないのがcEDH。
コンボは揃っているが、通るか怪しい盤面では前方確認として使っても良いだろう(※サーチ時に相手の手札を見ることが可能)。
ただし、妨害札を持っていそうな相手がサーチするとは限らない。
そのため、《敵対工作員》に妨害札を使うように促すプレイングの方が重要になりそうだ。

今後、黒を含むデッキのほとんどがこのカードを採用すると考えている。
そこでTwitterのアンケート機能を使ってこんなアンケートを取ってみた。

ご覧の通り、9割以上の人がサーチを減らすつもりがないらしい。
私はサーチを減らすつもりだったのだが、自分だけサーチを減らして《敵対工作員》を見かけない試合での勝率を下げるわけには行かない。
そこでサーチの枚数は減らさないが、その内容は見直すことにした。

また、多くの人が除去を増やすとフォロワーのアンケートに出ていた。
どうやら「サーチは減らさず、《敵対工作員》を落とせる除去を増やす」という考えの方が多いようだ。

《敵対工作員》出現による調整ポイント
・サーチが通り辛くなる
・除去が増える

《船殻破り》について

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統率者レジェンズのカードで何度もテキストを読み直したカードその2。
ドローを制限するだけでなく、何故か宝物トークンが出てくる。
主な仕事内容は3つ。

1. 置物サーチ妨害
ただの置物妨害として唱える。
《概念泥棒》とは異なって3マナで色要求も青1だけであり、使い勝手が圧倒的に良い。
ドローに合わせて唱えれば宝物トークンを最低でも1つ確保することができるという点が通常の置物妨害とは異なる。

2. ドロー対策
《Mystic Remora》や《リスティックの研究》等の相手にドローをさせてしまう厄介な妨害置物の対策としても使える。
エンチャントに触れづらい青系デッキはこれまでバウンス呪文等でお茶を濁すしかなかったが、《船殻破り》があればこれらの対策をしつつ同時に攻めることが出来る。
Opus Thief(《織り手のティムナ》+《ルーデヴィックの名作、クラム》の共闘)等の7ドローが勝ち手段として使われるデッキの対策としても活躍するだろう。

とここまでいいことしか書いていないが、相手に使われることも考慮する必要がある。
一度に複数枚のカードを引いてしまうカードは最低限に抑えるか、いっそ採用しない方がよくなるだろう。

3. マナ加速
これは積極的に狙うものではないだろうが、マナスクリューしている場合は相手のドローに合わせて唱え、マナ加速として使ってもいいだろう。

これらのことから、調整ポイントを以下の通りにまとめた。

《船殻破り》出現による調整ポイント
・ドローが通り辛くなる
・マナ加速枠として数えられるかも?


《宝石の睡蓮》について

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統率者レジェンズのカードで何度もテキストを読み直したカードその3。
統率者専用の《Black Lotus》。
Turn1《宝石の睡蓮》から動かれると厳しい展開になることは間違いない。
しかし、だからと言って諦めたくはない。
マナを払わずに唱えられる除去は積極的に採用した方がいいだろう。
Turn2百合子をする場合はターン終了時にカードが1枚余るため、除去を使っても損害を最小限に抑えることが出来る。

《宝石の睡蓮》出現による調整ポイント
・マナを払わずに唱えられる除去を採用する

新型Yuriko Goのデッキリストと勝ち手段

大幅アップデートしたリストはこちら(リストは随時アップデート予定)。

これまで作成してきたリストは大きく分けて3段階に分けられるため、本リストをv3.00とした。
(*v2は初代Yuriko Go、v1はちびドラ杯で優勝した頃の型)

ご覧の通り、これまでのリストと比べて原型を留めていない。
全ては《直観》を抜くところから始まった(詳細は後述)。
勝ち手段は相変わらず「百合子の能力によるダメージ」と「《タッサの信託者》コンボ」の2種類。
ただ、これまでのリストと比べて信託者コンボに切り替えやすいようにしてある。

〜サーチ枠の紹介〜

これまでの記事と同様に、枠に分けて解説する。
まずはリスト変更時に真っ先にメスを入れたサーチ枠から。
先程も述べたが、《直観》を抜いた。

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バイバイ《直観》

《直観》に合わせて《敵対工作員》を出されると負けるためだ。
このカード1枚からコンボに繋げられる場合はリスクを背負って続投してもいいだろう。
しかし、百合子の場合は《神秘の聖域》の下準備が必要であり、これがそこそこ面倒である。
《神秘の聖域》も《直観》も個別に使って強いのだが、勝てる訳でもないのに個別で《直観》を使いたくはない。
また、今回は《敵対工作員》に引っ掛からない《汚れた契約》を採用したかったという背景もあり、《直観》は不採用とした。

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これらの他にもサーチの内容は一通り見直した。
《悪魔の意図》は元々ソーサリータイミングで生贄を要求してくる点が気に入っておらず、今回の《敵対工作員》出現に合わせて不採用とした。

抜いたカードの話ばかり続いているが、サーチの枚数を減らさないために新たに採用したカードももちろんある。
その1枚が《霊廟の秘密》である。

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Turn2百合子が成功した場合、ターン終了時に手札が1枚余って捨てることになる。
ここでクリーチャーを捨ててしまえば最低でも1枚分は確保できる。
今後除去が増えることも考慮すると、各ゲームで安定して1~2CMCの黒カードをサーチできると期待してもいいだろう。
2CMCまでサーチできるとなると大体どの枠にもアクセス出来るようになるため、採用してみることにした。
まだ採用してから数回しか唱えていないが、今のところ予想通りの活躍を見せてくれている。

〜土地枠の紹介〜

《神秘の聖域》から《汚れた契約》に切り替えたため、島の枚数が激減した。
これによって緑と同卓するたびに「《花の絨毯》よ、来ないでくれ……」と祈る必要がなくなった。
その代わりに特殊土地メタが効くようになったが、普段遊んでいるレベル帯ではほとんど見かけないので気にしないこととしている。

百合子の攻撃は以前よりも通り辛くなるだろう。
これまでクリーチャーの採用枚数が少なかった青黒系デッキに《敵対工作員》と《船殻破り》が加わること。
更に、統率者レジェンズ発売直後は相棒持ち統率者も増えると予想されるからだ。
そのため、ブロック耐性持ちの種クリーチャーから何度も忍術できるように《ファイレクシアの塔》を採用し直した。
Turn2百合子の確率が心配になるかもしれないが、多色土地の枚数が大幅に増えているため問題はない(なんなら少し上がっている)。

〜種クリーチャー枠の紹介〜

除去が増えること、ブロッカーが増えることを考慮してブロック耐性持ちを優先して採用することにした。
空は相変わらずどこかしら通ると予想しているため、飛行+おまけの青クリーチャーを優先的に採用している。
《エピティアの賢者》はこれまで1度も抜いたことがなかったのだが、ブロック耐性がなく、多色土地が増え、キープ基準も緩まったため不採用とした。

今回、《セイレーンの嵐鎮め》を自分の種クリーチャー確定枠に加えた。

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不採用の時期もあったが、種クリーチャーに求める最低限の性能を満たしており、《敵対工作員》と《船殻破り》を除去から守れるためだ。
また、《プテラマンダー》を採用してみることにした。

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最初は完全にお試しだったのだが、以外と《むかつき》環境に合っているようで、単体でもそこそこ活躍してくれることがわかった。
見た目も好きなので、今後も活躍してくれると期待したい。

それと厳密には種クリーチャーではないのだが、《菌類感染》も採用することにした。

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元々4, 5色デッキのマナクリーチャーを落とせる点で悪くないと考えていた。
そこに今回、ドヤ顔で百合子をブロックしに来るであろう《敵対工作員》と《船殻破り》 が現れたため、返り討ちに出来る点を評価して採用した。
他にもインスタントタイミングで種を補充したい時に《霊廟の秘密》から気軽にサーチできるという点で使い勝手は悪くない。
余談だが、このカードも含めてTurn2百合子の確率(ダブマリまで)を計算すると約90%となる。

……と書いていたのだが、シミュレータにミスがあることが発覚した。
修正して計算し直してみたところ、値は約81%となった(ver 3.02)。
ちなみに"トリプルマリガンまで"すると約89%となるようだ。
ここから1枚カードの内容を変更して確率の推移を見てみたが、どこかの枠を1枚割くほどではないと判断した。

〜除去枠の紹介〜

「気軽に唱えられる」ことを意識して選び直した。
環境の除去が増えればあるプレイヤーの場にクリーチャーが1体のみとなる盤面が増えると予想し、《リリアナの勝利》を採用することにした。

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各対戦相手に生贄を要求するため、多人数戦に適した除去と言えるだろう。
他にも《幕切れ》を採用することにした。

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《敵対工作員》や《船殻破り》を除去した際に動き出せるようになる他プレイヤーも同時に妨害することができる。
《名声の代価》はお気に入りだったのだが、《敵対工作員》はもちろん、今後増えるであろうOpusThiefの《船殻破り》や《概念泥棒》を2マナで落とせないため、不採用とした。

〜打ち消し枠の紹介〜

基本的に2ターン目までは百合子の上忍術に費やすことになる。
そのため、3ターン目には勝つための動きと妨害の両立を可能にしておきたい。
これまでもそうだったのだが、この必要性が増してきていると感じている。
ということで4CMC以上の非ピッチカウンターは全て不採用とし、《拒絶》や《神秘の論争》などの軽量カウンターを採用することにした。

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これらはどちらもクリーチャーを打ち消すことが出来る。
《神秘の論争》ではなく《唱え損ね》を採用しているリストをよく見かける。
しかし、今後増えるであろう《船殻破り》や《概念泥棒》を意識してこれらも打ち消せる《神秘の論争》を採用することにした。

〜追加ターン枠の紹介〜

5CMCの追加ターンは全部抜いた。
《神秘の聖域》を使わなくなった今、勝利が確定する訳でもない重いカードは採用したくないためだ。
これで追加ターンはコストを誤魔化せる《時間の熟達》と《時間への侵入》のみとなった。

〜マナ加速枠の紹介〜

唱えることによってそのターンに使えるマナが減るマナ加速は全て抜いた。
《敵対工作員》と《船殻破り》の登場によって、Turn3から3マナ以上を構え続ける強さが増したと考えている。
そのため、Turn2百合子した後(Turn3)に3マナを構えつつ唱えられるマナ加速以外は不採用とした。
5CMCの追加ターンもなくなり、ちゃんとマナを支払って唱える呪文が全て3マナ以下のため、マナ加速を減らしても問題ないというのも理由の1つである。

また、百合子はやたら色を要求するデッキであり、2マナファクトもなくなったため、《太陽の指輪》は不採用とした。
《Copy Artifact》はマナ加速として使う他に青ピッチのコストにする等、状況に合わせて使い分けられるため残している。
ただ、いずれ抜ける可能性もある。

2020/11/18更新
アーティファクトの採用枚数が少ないため、《Copy Artifact》は抜き、代わりに《無のロッド》を採用することにした。
《無のロッド》は単純なマナファクト対策として強いが、コンボ始動によく使われる《波止場の恐喝者》対策が主な採用理由である。

〜忍者枠の紹介〜

百合子自身の攻撃が通りづらくなるだろうことを考慮して枚数を増やした。
《霧組のナーガ》は自分のターンに3マナも要求してくるが、爆発力があるため採用してみることにした。

〜その他枠の紹介〜

その他としては妨害置物を増やした。
《敵対工作員》と《船殻破り》はもちろんだが、《Mystic remora》も採用することにした。

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ダメージ戦略が中心だった頃は必要ないと判断していたのだが、コンボを狙う頻度が増えるとなると話が変わる。
相手の妨害に反応して何枚もカードを引ける《Mystic remora》はコンボに失敗した際のアドバンテージ損失を抑えることができる。
単純な置物性能も高く、"may draw(引いても良い)"表記になっている点もポイントが高い。

最後に

百合子は元々除去耐性が高く、アドバンテージを稼ぐ能力が「手札に加える」であるため、環境的に強くなったのではないかと考えている
最近EDH人工が増えているからか、百合子に関する質問がリプライ等で届くようになってきた。
本記事で解説しきれていないこともあるため、気軽に質問等してくれると嬉しい。

ぶりん

執筆中に飲んでいるコーヒー代に充てさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。