見出し画像

【cEDH】選別トラテヴェのデッキ解説

MoxfieldのPrimer用まとめ記事。

選別トラテヴェとは?

《トリトンの英雄、トラシオス》と《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット》はいずれもアドバンテージを稼ぎ続けられる能力を持っている。

これらの能力は優秀なのだが、そのコストの重さから起動までにやや時間が掛かるため、主戦場はミッドからロングゲームとなる。本構築は《選別の儀式》を軸に添えることによってコンボ始動ターンを早めると同時に、高速コンボデッキ相手に受け続ける必要をなくし、得意なアドバンテージゲームに持ち込みやすくすることを狙いとしている。

選別トラテヴェを組んだ経緯

統率者が異なるのだが、原型は先日紹介したトラティムミッドレンジ。

こちらのリストはミッドレンジ合戦では強かった。しかし、ログラクフ系複数と同卓した場合は最序盤の動きを捌けたとしても、その後に残りの《波止場の恐喝者》を有する赤系を筆頭とする展開力の高い相手に為す術もなく負けることが多かった。
そこで2枚、欲しくなったカードがある。これらは《ネクロポーテンス》と《選別の儀式》だ。

欲しい理由は下記の通り。

いずれも色的にはトラティムでも採用可能だが、それぞれそのまま採用するには問題がある。まず《ネクロポーテンス》については早めのターンで(B)(B)(B)を揃えることが困難である。採用されているリストも見るが、いずれもミッドレンジ合戦をより有利に戦うためのものであり、最序盤に唱えることは考えていないと予想している。《選別の儀式》については色が多ければその分BGのみで完結しているカードが減り、唱えた後の動きにムラが生じてしまうだろうと考えた。BGのみでどちらの統率者も唱えられない点もいただけない。
これらの理由から《ネクロポーテンス》と《選別の儀式》を採用するならば色を減らしたほうが良いだろうと判断。《選別の儀式》の採用が決まっていたため色はBUGに決定。BGのみで唱えられる優秀な統率者としてテヴェシュを選択し、その共闘相手に早いターンから統率者ピッチを構えられるトラシオスを選択した。そして構築段階で《選別の儀式》による展開力の高さは経験済みだったため、このカードを軸に各枠のカードを選択することによって選別トラテヴェが誕生した。

勝利手段

《タッサの神託者》コンボ
緑が含まれているため《タッサの神託者》へのアクセスは容易。クリーチャーサーチから《Demonic Consultation》や《汚れた契約》にも繋げられるように《呪文探求者》を採用している……はトラティムミッドレンジと同じ。白の《沈黙》系が取れないため、打ち消しを吐かせるジャブと多めのサポートが必要となる。統率者のドロー能力によるアドバンテージで圧殺するか、後述の勝利手段からここに繋ぐことが多い。

《選別の儀式》+α
《選別の儀式》でBG限定だが大量のマナが手に入る。このマナを使って《むかつき》や《ヨーグモスの意志》を唱えられればほぼ勝ち。この勝利手段のためにBGのみで唱えられるサーチ呪文を厚めに採用している。《選別の儀式》でコンボに邪魔な《Mystic Remora》や《耳の痛い静寂》等の置物妨害をまとめて割っておける点が優秀。

逆転棒は非採用
トラティムミッドレンジと同じ理由に加えて《選別の儀式》と相性が悪いため非採用。

《最後の審判》は非採用
テヴェシュの能力でドローしてからコンボを始動するか判断することが多いのだが、《最後の審判》ではこれが出来ない。《最後の審判》は1枚で勝てるカードではあるが、ケアしなければならない呪文が多く、実際に動き出すまでに時間が掛かってしまう点がコンボが簡易である点と噛み合っていないため非採用。使うのであれば《沈黙》系を採用できる白が欲しい。

《最後の審判》(2021/11/28更新)
公開当初は採用していなかったがコンボが揃わない、揃ってもマナが足りない等の理由で一歩足らずに敗北する場面がそこそこあったため採用。《最後の審判》の詳細についてはDDマルティムの記事に記載。

パイルの掘り始めをテヴェシュに任せるため《噴出》パイルと同じ流れを軸とし、他パイルの固有パーツは不採用とした。ただこの場合、テヴェシュなしでは《最後の審判》から勝つことが困難になるため《噴出》は採用。また、会話拒否カードとしてアクセスが容易な《落葉の道三》を採用した。

キープ基準

T2までにテヴェシュを唱えられる初手は概ねキープ。マナ加速がなくても土地2枚と《吸血の教示者》か《伝国の玉璽》があればT1《宝石の睡蓮》サーチから唱えられる。共闘相手が《ロフガフフの息子、ログラクフ》ではないため、テヴェシュ着地即ドローはほとんど出来ないという点には注意が必要。
T2テヴェシュが見えない場合はどのリストにも共通するキープ基準に加え、構築のきっかけとなった《ネクロポーテンス》と《選別の儀式》を意識した展開を考慮して判断する。

採用カードの一部紹介

《願い爪のタリスマン》
使用後に対戦相手の場に行ってしまうが《選別の儀式》をサーチした場合はそのまま《選別の儀式》で処理が可能であり、《選別の儀式》が通った後であれば任意のカードをサーチすることができるため《選別の儀式》との相性が良い。プレイングとしては難易度が高いが置くだけ置いて起動せずにターンを回したり、人に押し付けて半強制的に動かす運用も選択肢として存在する。

《激しい叱責》(2021/11/28更新)
コンボは何かとクリーチャーが組み込まれていることが多く、これらをエンチャントというやや打ち消し辛いタイプでありながらキャントリップ付きで対策できる点が気になっている。小技程度のものではあるが、手前プレイヤーのターン終了時に唱えておいて《選別の儀式》からマナに変換したり、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を盤面に固定したりすることも出来る。
採用カードへ昇格。青を含むほとんどのリストに《心悪しき隠遁者》が採用されるため優先度を上げて採用とした。

《王冠泥棒、オーコ》(2021/11/28更新)
環境の変化に合わせて採用。テヴェシュのトークン能力のおかげもあって除去能力を2回は使えることが多い。このため1回目で目の前の脅威を排除し、2回目でマナを使わずに妨害クリーチャーや妨害アーティファクトを除去することが出来る。2回目の除去対象がなければスラルトークンの鹿化、食物トークン生成からの《むかつき》ライフ確保、食物トークン生成からの《弱者選別》で追加マナ確保、等を狙っても良い。

非採用カードの一部紹介

《新生化》(2021/11/28更新)
追加の《タッサの神託者》として採用する場合は強いのだが、1マナクリーチャーの枠を1枚分《緑の太陽の頂点》に譲っており、2マナクリーチャーサーチとしてやや安定感に難があるため非採用。
非採用はやり過ぎだった。反省。

《深淵への覗き込み》
本リストで唱えるには重い。《選別の儀式》が通った後ぐらいでしか唱えられるタイミングがなく、であればBGサーチを採用して複数のゲームで動けるようにしておいた方が良い。

《緑の太陽の頂点》(2021/11/28更新)
《選別の儀式》を唱えると自分のクリーチャーはほぼ全て流れてしまう。するとBGマナを確保した後の《悪魔の意図》や《異界の進化》に余計なマナが掛かってしまう問題が発覚した。そこで《選別の儀式》で土地が流れない点に注目し、《緑の太陽の頂点》+《ドライアドの東屋》パッケージを採用することにした。《ドライアドの東屋》以外のサーチ先もX=3までは用途別に分けた本構築に合っているクリーチャーを採用してある。
《最後の審判》を採用したことによって《選別の儀式》から勝てる捌け口が増えたため優先度が下がって不採用に。単体性能で見ても唱えて勝てるカードではなく、やや悠長な動きになりがちだった。

《飢餓の潮流、グリスト》(2021/11/28更新)
除去性能は悪くなく、トークンを生成する能力がテヴェシュのドロー能力と噛み合っている。やや重い動きとなってしまうのだが、《緑の太陽の頂点》を除去として運用出来るようになる点も評価して採用に至った。
緑頂点がなくなった流れで非採用に。他のクリーチャーサーチによるアクセスは容易であるが、貴重なクリーチャーサーチをピン除去には使いたくない。

《自然の怒りのタイタン、ウーロ》(2021/11/28更新)
マナ基盤を維持しつつ《ドライアドの東屋》を採用したため土地枚数は30枚となっている。これにテヴェシュドローとウーロ自身のドロー能力が加わるため、マナ加速としての運用が容易となっている。このマナ加速がセットランドによるものであり、即座に使える点が重要。《選別の儀式》後に《緑の太陽の頂点》等から繋いで青マナ源とし、《タッサの神託者》を唱えることもある。もちろん長期戦になれば脱出して優秀なアドバンテージ源として運用することも可能。ホログラム厳選している友人にオススメされて採用してみたら強かった1枚。
ユーティリティ枠であったため、より優先度の高い《最後の審判》コンボのパーツ枠と入れ替えた。

《断絶》(2021/11/28更新)
それなりに多くのリストで見かけるフリースペル除去。《むかつき》や《選別の儀式》が通った後に(U)(1)を(U)(U)に変換できる除去として採用。現在は採用していないが、《永遠の証人》も採用すれば《ガイアの揺籃の地》と合わせて無限マナを生成するコンボを狙うことも出来なくはない。
《最後の審判》のBBBで勝てるようになったため非採用。

検討中カードの一部紹介

《無のロッド》
《溜め込み屋のアウフ》とこれにアクセス可能な《緑の太陽の頂点》を筆頭とするサーチが複数枚採用されており、追加の枠を割く必要はないと判断して採用はしていない。本リストが意識しているゲームよりやや遅い環境を意識するのであれば追加で採用しても良さそう。

マナ基盤

《ネクロポーテンス》を意識して黒を濃いめに採用。《古の墳墓》、《ドライアドの東屋》、《ガイアの揺籃の地》は土地ではあるが色マナ源としてはカウントせず、残りの27枚で基盤を組んでいる。マナが出ない土地は採用しておらず、更に色はBUGのみで安定しているため、他プレイヤーの手助けになることの方が多い《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》は採用していない。対戦相手には是非採用していただきたい。

最後に

BUGが活躍するには厳しい環境なのだが、4CからBUGに色を削ぎ落とすことによって私の構築条件を満たせるリストに仕上がるとは思ってもいなかった。私のメイン統率者である《虎の影、百合子》も最後にnoteを投稿してからそれなりにアップデートされているのでこちらもPrimer更新用に近々改めてnoteを投稿しようと計画中。

執筆中に飲んでいるコーヒー代に充てさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。