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模倣フィルム/DRAMAticEND

本日ご紹介の音源はこちら。
桜樹和哉氏率いる新バンド、DRAMAticENDの初音源となるミニアルバム。
音だけでなく、ドラマ映像も作成することでより幅の広い表現を見せることをテーマとしている。
CDには6曲、DVDにはこれまでYouTubeにて配信されていたドラマを収録。

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1.Ego denial
桜樹氏のソロ名義にてリリースされていた楽曲で幕開け。
ノスタルジーを感じるメロディーに跳ねたバックのリズムが心地よく、頭からグッと胸を掴まれるような感覚。
思わずハンドクラップをしたくなるような軽快なリズミカルさの中に、桜樹氏が得意としている哀のある旋律が生きた曲。

2.Moon dinner
ハットの裏打ちが心地よいノリを見せる、キャッチーかつメランコリックな雰囲気を孕んだナンバー。
サビで見せるほんのりとした明るさすら切なく感じさせるのは、彼らの持つセンスの賜物か。
流れる中に言葉が詰め込まれ、それが水のようにすっと染みていく。そんな感覚に陥る一曲。

3.溺れた言葉
先行配信されていたバラードをここに挟むことで、アルバムの流れに一つの緩急を。
繊細な空気感も孕みつつ、しっかりと聴かせる。そんな相反する味わいを見せることができるのは、桜樹氏の独特の声質だから。低音から高音まで美しく聴かせる、浸らせてくれる優しげな楽曲。

4.スライドショー
V系にありがちな昭和レトロではなく、平成レトロとでも言うべきか、懐かしさを含むアレンジに仕上がっているポップス。
都会的なテイストにギターロックを盛り込んだ、じっくり聴くにもBGMとして流して聴くにもうってつけなお洒落さがある。最後の余韻を残した終わり方も癖になる。

5.未来の種
こちらも先行配信されていた楽曲。スローナンバーだが力強いアレンジと旋律が耳に残る、メランコリックかつしっかりと聴かせてくれる楽曲。
アンニュイな雰囲気もありつつ、エネルギーを感じる所もありつつ。アルバムのクライマックスに向けて盛り上がっていく感覚も同時に味わえる。

6.Flash back
ラストはスピード感の楽曲で締め。かつ変拍子で印象づけをしながらも、やはり郷愁を感じる雰囲気は忘れない。
クライマックスに向けて走り抜ける疾走感、2分半という短さがまだ彼らの音を聴いていたいという余韻を引き出してくれる所まで考えているとしたら、かなりの策士と言えよう。


DVDにはYouTubeにて配信されているドラマ「それを誰も赤と気づかない」全編を収録。
アイドルを目指す女性と若手プロデューサーの視点を中心に、彼らを取り巻く環境を現代風ホラー調にて描く…といった内容。結末は見る者に委ねられている。見る度に色々思案が巡ってしまいそうな、そんな作品。


楽曲+MV+ドラマという、従来のバンドの視点から更に一歩先をいく、視覚も含めた表現を見せるバンド、DRAMAticEND。
本作「模倣フィルム」は明日6/16より全国リリースとなります。
音の良さはお墨付きなので、是非他のバンドでは感じ取れない部分まで味わって頂きたい。
https://dramatic-end.world

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