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【ヘッドホン】SONY MDR-MV1 が FiiO Q3 MQA と 4.4mmバランスケーブルでさらに音楽が輝いた


MDR-MV1の登場にわくわく

XRに関わる日々になって映像はもとより音に関わることも空間や立体を意識するようになりました。Appleの『空間オーディオ』関連をおさえるのは基本だと思いますのでAirPods ProやAirPods Maxは日常的に使っています。
そんな中SONYから発売されたヘッドホンが『MDR-MV1』です。

立体音響などの制作に最適なヘッドホンとうたわれていましたので発売日に購入しました。SONYが満を持して発売した約6万円の製品。そりゃあ悪いはずもないのですが、音を聞く前からつけ心地も良く満足できる一品でした。本体と付属のケーブルだけで十分に満足できるのですが、さらに可能性を感じたくてケーブルを変更してDACを使ってみました。

というわけで、このMDR-MV1をできるだけ日常的なリスニング機器として使うためのアップデートの一例として書いてみます。

6.3mm端子を3.5mm端子に変換するものが付属

一般的な6.3mm標準端子と3.5mm端子に対応するケーブルは付属しています(これで十分)

標準プラグの6.3mmとそれを変換して3.5mmとして使えるケーブル類は付属しています。通常の用途ではこれで大抵のことは済みます。細部まで聞き取れます。お気に入りの音楽を全部聞き直したくなるくらいに解像度の高い音です。
30年も聞き続けていたJ-POP曲のベースやシンセのフレーズをずっと<聞き違いをしていた>ことに気がつけるくらいです。30年もそこにいたのに私が聞き取れなかったばかりに誤解され続けていた音が数メガバイトのファイルでもシッカリと記録されていたんですよね‥。
その上で、せっかくだからもっと良い音でMDR-MV1のポテンシャルを引き出して聞いてみたい

My SONY MDR-MV1 & FiiO Q3 MQA

「バランス接続はノイズ低減や繊細な表現にメリットがある」とのこと

エレキギターやエレキベースをやっていますのでシールドケーブルの種類を変更して音が変わることは知っています。ヘッドホンのケーブルも変えてみようと思いました。それでググって『4.4mmバランスケーブル』でMDR-MV1を使ってみようと思いました。
(接続については、フジヤエービックのサイトにも書かれています)

4.4mmバランス端子で使うためにはDACが必要

DACとは『デジタル・アナログ・コンバーター』。パソコンやスマホなどのデジタル機器とヘッドホンなどのアナログ機器を仲介するものです。
MacBook Pro(や多くのパソコン)には3.5mmアンバランス端子(一般的なイヤホンなどが挿せる)の穴はありますが、
より良い音で聞けるという『4.4mmバランス接続』の穴は空いていません。
そこで4.4mm端子対応のDACが必要になりました。

DACはFiiO『Q3 MQA』を購入。いい感じです

これまでもポータブルアンプとかハイレゾなどのリッチなオーディオの探求はしていない(正しくは→できない)のでDACもリーズナブルなものを探しました。
そこで見つけたのがFiiOというメーカーの『Q3 MQA』です。スマホで使うための短いケーブルなど付属品も多くお手頃だと思いました。※サイトをみると今は販売終了のようです。(当時は21,900円でした)

Q3 MQA。機能も大きさも満足ですが、本体の表示が老眼には厳しく、ひと工夫

いわゆる『デザインの敗北』ってものでしょうか。本体側面の小さなボタンやスイッチの文字が読めないのでドラフティングテープ(通称:ドラテ)を貼ってしまいました。私は仕事で使う機器もドラテを貼りまくるタイプの人間です。

持ち出さないので恥ずかしくは無いです

4.4mmケーブルはe☆イヤホンで購入(16,500円)

MDR-MV1が発売になるときにe☆イヤホンのTwitterで対応ケーブルのつぶやきがありました。すぐに注文しました。
『対応』ということで、ヘッドホン側の端子部分がくるくる回して固定できる仕様になっています。
(購入したのはこれです↓)

FiiO Q3 MQAをMacBook Proと接続

付属のUSB-Cケーブルじゃないです(意図はありません)

二台をケーブルで繋ぎ、Q3 MQAの電源ノブを回してオンにするとMacではすぐに認識します。『Audio MIDI設定』ではこんな感じ。音のフォーマットはこれが選べる最大の値です。

32ビット整数、384kHz まで選べます

Q3を使わずに、MDR-MV1とMacBook Proを3.5mm端子で直結すると?

表示は『外部ヘッドホン』となります。

32ビット浮動小数、96kHz まで選べます

【音比較】Q3 + 4.4mm VS 本体直結3.5mm

『Q3 MQA』と『4.4mmケーブル』の音が私の環境では『ベスト音質』

音楽の好みも聞こえ方の好みも人によって違いがありますが、私は味付けされてる"感じ"がないのが理想です。低音も高音も出過ぎない方が良いです。その感じ方も人によって違いますが‥。(どーどーめぐり)
MDR-MV1は音の制作者向けのヘッドホンですからある種の正しさを提示してくれています。強い味付けや強いクセがないように基準となるようなものを目指して作られています。(だから聞きたかったわけですが)
そういう前提がある上で、

『Q3+4.4mm接続』で音を聴くと、ナチュラルさはそのままにさらに解像度が上がるような感じがしました。
『本体直結3.5mm』に比べてさらに私の聴力が上がったように感じます

ギターの弦を弾くピックの微かにカリッとした音も聞き分けられる聴力の超能力が身についたような感覚です。過剰に目立つわけではないけど意識をすれば「聞こえる、なんでも聞こえるぞ!」みたいな。

別の例えをするなら
MDR-MV1は凡人の私を「100mを10秒」で走らせてくれるような製品だとしたら、DACや4.4mm接続で使うことで「100mが9.5秒」になるような感じです

3.5mmケーブル直結で十分なんです。ブレードランナーの屋台のおじさんではありませんが、十分です。
それでも「なぜDACやDAPやハイレゾ対応の製品が多数存在しているのか」がブワッと一気に理解できた感じです。意味がある人にとっては意味がある楽しさがそこにあるんですよね。

【ケーブル比較】3.5mmアンバランス vs 4.4mmバランス(Q3経由)

4.4mmの方が音にコシが出て明瞭さが増す

Q3 MQAを追加して、ケーブルは付属の3.5mmアンバランスケーブルだとどう聞こえるか。4.4mmバランスケーブルの個性がわかります。
4.4mmで聴くと少し音の世界が広くなり解像度が上がって、音と音の隙間というか配置がさらに明瞭になった。
これはバランス接続の特徴であるノイズ低減などが関連していると推測。
聴き比べないと分からない僅かな違いではありますが、やはり常用するのは4.4mmですね。

【まとめ】それぞれの特徴/印象を整理

・MDR-MV1はそもそもクセがなく解像度が高い
・FiiO Q3 MQAを使うと少し音にコシが出て明確かつ解像度が上がる
・4.4mmバランスケーブルにすると少し空間が広くなって抜けが良くなる
・4.4mmバランスケーブルにすると少し音が大きくなる(3.5mmと比較して)
結論:MDR-MV1 + Q3 MQA + 4.4mm は素晴らしいセットである

【おまけ】iPhone15 Pro Maxだと空間オーディオが楽しめる

理由はわかりませんが、FiiO MQAはiPhone15 PRO Maxにつなぐと空間オーディオ(Dolby Atmos)が活きるようになります。MacBook Proではできません。空間オーディオ対応のデバイスとは認識されません。不思議です。

MDR-MV1での空間オーディオは素晴らしく気持ちが良いです。「空間が広がっているなぁ〜」と実感できます。半オープンタイプのヘッドホンならではのヘッドホン自体の存在感を感じさせないような自然か聞き心地が空間オーディオでさらに力を発揮しています。

Dolby Atmos表示になります

以上、長文になってしまいました。
XRマンだから『空間オーディオ』をフィーチャーしたかったのですが普通の感想になってしまいました。
将来的にはMacBook Proで空間オーディオとして認識するDACを手に入れると思います。ですが、ひとまずiPhone15 Pro Maxを使えば楽しめてはいますので我慢できます。
なにより私にはすでに余りある高音質です。いわゆるステレオの音声でも空間を感じさせるミックスとして色々な工夫がされていますからそれも十分に「空間的な」体験だと思います。その先に『空間オーディオ』がある感じです。
ニュートンが生まれる前から地球に引力があるように、名前が付く前から音は空間的に解釈されて作られていますからね。
よりリアルにライブ・コンサートの会場での聞こえ方を再現するとか色々な取り組みは行われていますので、そういった話題はまら改めて。ではまた

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