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インテル® vPro® プラットフォーム向けにインテル社から現在一般提供されているツールについて

今回はインテルからvPro用に正式提供されている(とはいえ全てAMT用ですが)ツールについて紹介しようと思います。全て一般向けに公開されているサイト等から入手可能なので、誰でも入手可能です。
なお、それぞれのバージョンについては執筆時点(2023/11/21)の物を記載しています。

Intel® Endpoint Management Assistant (Intel® EMA)

現在提供されている唯一の管理コンソールです。Windowsサーバー向けのサーバーアプリケーションで、EMAのエージェントソフトウェアを各クライアントPCにインストールする事で自動的にAMTのプロビジョニングを行い、サーバーに登録する事で管理コンソールからのコントロールが可能になります。
電源や画面のリモート操作などを行う事ができます。他にもエージェントソフトウェアを利用したファイルやプロセスの操作などを行う事ができます。
機能は著しく制限されますが、vPro対応ではないPCも一緒に登録する事が可能です。OS起動中にエージェント経由の画面やファイル操作は可能です。
オンプレミスとして社内に構築してももちろんOKですが、AWSやAzureなどのクラウド上のサーバーに構築する事でテレワークなどで社外にあるクライアントPCもクラウド越しに管理する事が出来るようになります。
また、サーバーにはREST APIが用意されているので外部のアプリケーションからEMAを経由して電源操作等を行う事も可能です。
現在のバージョンは1.11.1.0で、1.11.0からSQL Server 2022への対応が追加されています。
[2023/11/24 追記 バージョン1.12.1.0が公開されました]

Intel® Active Management Technology (Intel® AMT) Software Development Kit (SDK)

すでに何度かサンプルプログラムを使った例として紹介してきましたが、AMTの機能をアプリケーションから呼び出して使用できるようにするためのソフトウェア開発キットです。
AMTではクライアントPCーサーバー間で主にWS-Managementというプロトコルを使用してやりとりを行うのですが、そのプロトコルを扱うためのライブラリや使用例を書いたサンプルプログラムが含まれています。それ以外にもHigh-Level Application Programming Interface (HLAPI)と呼ばれるAMTで主に使われる操作をもっと簡単に呼べるためのインターフェースが定義されたライブラリやPowershell上でAMTの操作を行えるようにするためのIntel vPro® Technology Module for Windows* PowerShell*というモジュールも含まれています。
HLAPIやPowerShell用のモジュールは単体でも用意されています。Powershellモジュールの使用方法については今後カバーして行こうと考えています。

Intel® AMT SDK

Intel® AMT HLAPI

Intel vPro® Technology Module for Windows* PowerShell*

現在のバージョンはいずれも16.0.7.1で、第13世代のプロセッサーが載ったAMT 16.1まで対応しています。AMTのバージョンが変わるたびにSDKもバージョンアップが行われてきています。
SDKのドキュメントはオンラインになっていて、SDK自体にはリリースノートやライセンス関連のドキュメントしか入っていないので、開発者の方はオンラインドキュメントを参照して下さい。

Open Active Management Technology Cloud Toolkit (Open AMT Cloud Toolkit)

こちらもSDKのようなツールで、ソフトウェアメーカー等が先に紹介したEMAのような機能を自社の製品に組み込めるようにしたオープンソースのToolkitです。AMTのプロビジョニングを行う部分やクライアントPCからの接続を受ける部分のようなマイクロサービスがいくつか連携しながら動作しています。
Windowsサーバー専用のEMAとは異なり、JavascriptベースでNode.jsやReact.jsが使われていてLinuxサーバーでも動作させる事が可能です。また、DockerやKubernetes等のコンテナに展開して大規模環境へのスケーリングも対応できるようになっています。

Intel® Management and Security Status

前回も出てきましたが、イベントの通知をポップアップで表示させたり現在のクライアントPCのステータス(プロビジョニング済か、ファームウェアのバージョンはいくつかなど)を表示させるアプリケーションです。多くの場合はプリインストールされていると思いますが、入っていなかったり自社でOSイメージを構築している場合などではMicrosoft Storeから入手する事ができます。"Managemant and Security"で検索すると見つけやすいと思います。

Microsoft Storeの画面

Intel® Manageability Commander

EMAを「現在提供されている唯一の管理コンソール」と書きましたが、こちらも管理コンソールのソフトウェアです。しかしながら2022年を最後にメンテンスがされておらず、最新のAMT16.1のPCでは接続する事ができません。

配布ページにはこういう事が書かれています。This is expected behavior…

まだ提供はされているようですが今後はどうなるか分かりません。早くバージョンアップされると良いのですが・・・

さて次回は

次回からは今回紹介したEMAをインストールしたりvPro PCを実際に繋げたりしてみようと思います。

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