「いざ!」という時の対応で感じる心意気(フランスの保証の話)
日本からフランスへ2週間の隔離措置なく入国できるようになったようですね!
来月、フランスは3週間のバカンスが始まるということで、現在パリ在住の娘の悪魔のささやき「遊びにきなよー!」に私の気持ちも揺れています。
行きたいけど、行けない......。
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さて、2ヶ月以上のロックダウンが終わり、パリも少しづつ日常を取り戻しているようです。
フランスのロックダウン中は、週に一度の買い出しも行動範囲に制限がありました。
・半径1キロ以内
・1時間以内
しかも政府発行の証明書(紙)を持ち歩いて巡回しているポリスに質問されたとき、その証明書を持っていないと罰金だったそう。
そんな厳しい行動制限があっても、安心して家にいられるのは国からの保証がきちんとしていたからだと娘は言っている。
「時給型アルバイト」がないフランスは仕事をするすべての人に保証する
ロックダウン中は、仕事に行かなくても国から「給料の84%は保証しますよ!」と宣言があってすぐに、月初めにはきっちりお給料が口座に振り込まれていたとのこと。
日本のように10万円の給付をもらうのに役所から用紙が送られてきて、書いて、ポストに投函して.......のような手続などは一切なくだ。
ちなみにうちは未だに10万円の振り込みがない。
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では、フランスではどのような手順で、給付金の申請をしたかと娘に聞くと、特段なにもしていないとのこと。
国が、事業者に一括で支払って、それを会社が従業員にお給料として普段と同じように振り込む。といった仕組み。
だから、普通にだまっていても月初めに決まったお給料の8割が口座に自動的に振り込まれているということ。
それって、すごい潔い、合理的、簡単、早い!
もうこれに限って言えば、羨ましすぎる!
内容がどうとか、ああとか問題ではない。
このスピードに驚いている。
しかもロックダウン中の光熱費はすべて国が負担してくれるというオプション付き。
いつもは何でも時間がかかるフランスで、「初めてフランスにいてよかったと思った。」と娘。
この時ばかりは、フランス在住の日本人の知り合いも喜んでいたようだ。
そりゃ確かに。もし日本にいたら保証される保証もなかったはずだもん。
予約が必要なフランスのシステム
病気やけがは、前もってわかるものではなく突然やってくるもの。だけど、フランスでは病院を受診するにも事前の予約が必要になる。
当の本人は、もう慣れっこで「しょうがないよ、フランスだから」と諦めモードでいるが、私のほうが気が気でない。
つい先日は、野生のアスパラガスを食べてアレルギーになり、舌が2倍以上に腫れあがったとLINEビデオで連絡がきた。
舌はぼってり赤く見事に腫れあがっていて、水も唾液すら飲み込むのがツラい状態。それでも予約が取れたのが2日後だった。
たまたま大事に至らないのがラッキーなだけで、本気でヤバいときはどうなるのかと、毎回なにかあるたびにハラハラしている。
銀行までが予約制のフランス
病院だけでなく、なんと銀行までが予約するらしい。
日本では、投資信託や資産がたくさんある人が別室でやるあれ。その大げさなシステムを導入しているらしく、なにか用事があるとわざわざ予約をしている。
ちなみにお金を引き出したりするATMはある。。
とにかく銀行までもが、伝統的なアナログスタイルらしい。
アナログ的なフランスなのにいざという時は本領発揮!
なんでも予約だったり、かなり普段はアナログなフランスでも、今回の給付金の高速対応には本当に感心した。
人間と同じで、ピンチのときこそ本性が現れる。そんなものを見た気分だった。
日本を彼氏に例えると、やさしくて何不自由ない彼氏。だけどあるとき窮地に追い込まれた。その対応に修復不可能なほどがっかりする。
今、そんな気分でいる。フランスはその逆でポイントが上昇した。
ふだんの生活では、かなりアナログに感じたり、不安に思うこともあるフランスだけど、いざというときの底力を見せてもらった。
今回のことで、娘は安心できると思っていた日本に少しだけ失望し、一歩フランスに信用をよせた。私もフランスをいいと思った。
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