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退院そして再入院

その後、体調は徐々に改善し、鎖骨上リンパ節の郭清部位からの漏出は3回のピシバニール注入によってほぼ止まりました。手術検体の病理検査の結果も「胸部中部食道に12x6mm大の扁平上皮癌の遺残が認められるがリンパ節には癌の転移を認めない」というものでした。4月17日に晴れて退院となりました。

実は退院の2、3日前から起床時の喉のつかえが気になっていましたが、経過をみる方針になっていました。しかし退院翌日から朝の喉のつかえがひどくなり、お昼までは水も通らない状態になりました。飲み込んでもその分下から空気が上がってきます。無理して飲み続けると、苦しくなり、すべて吐き出すことになります。午後から液体を飲むことはできるようになりますが、固形物はどんなに噛み砕いても喉につかえてしまいました。

4月19日、病院へ赴き緊急で内視鏡検査を受けました。切除した食道と再建に利用した腸の吻合部が肉芽として盛り上がり、さらに白苔とよばれる瘡蓋のようなものが傷口から伸びていました。これが狭くなった吻合部の内腔を塞いでいたのです。外来処置であったため、表層の白苔を取り除くことに留め、バルーンによる狭窄部の拡張は見送ることになりました。帰宅後は流動食なら喉を通るようになっていました。しかし、翌日は朝から水も通らない状態に逆戻りで、十分な症状改善に至りませんでした。

4月22日、十分な飲食ができない状態で体力が落ちる一方だったので病院に赴きそのまま入院になりました。造影CTでは手術部位に問題を認めませんでしたが、ごく軽い肺炎の所見がありました。抗生剤の点滴と持続経腸栄養が始まりました。緊急再入院は精神的にも経済的にも打撃ですが、とにかく治療をしないことには前進できません。

内視鏡所見 4/19

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