見出し画像

関市の観光がとるべき3つの戦略

関市の観光はまだまだ本領を発揮できていない

と感じています。

令和3年3月に拠点施設として「せきてらす」がオープン。その初年度、令和4年度の来場者は年間約55,000人。
ちなみに新潟県燕三条のせきてらすと類似施設である「燕三条地場産センター」は令和3年度205,641 人。4倍近くも違います。

関には、さまざまな観光資源がありますが、その中でも特に、刃物、刀、小瀬鵜飼は、どこにも負けないコンテンツだと思っています。それぞれにフリーマガジンでもずっと取材してきて、ふかーい思い入れがあります。書き出すと相当な分量となり記事が完成しないので、とりあえずここでは、「すごいんだぞ」という前提で進めます。

私は関の観光について考えていることが3つあります。

  • 産業観光の日常化

  • 日本刀や刃物の技術を転用した新たな体験コンテンツの集積

  • 小瀬鵜飼と一体となった小瀬池尻エリアの川アクティビティの拠点整備

1、産業観光の日常化

関市では、「関の工場参観日」というイベントを2014年から実施して2022年で9回目となりました。
私も立ち上げから第3回くらいまで一応副実行委員長という肩書きで関わってまいりました。
関市内の工場に見学にいってワークショップが開催される、この企画はとっても面白いです。もっと外から評価されても良いし、もっと観光客がきてもおかしくない。
残念なのは、それがイベントにとどまってしまっているということです。日常的に産業観光できるわけではありません。もちろん、工場側の負担も考えるとそう簡単ではないことはよく分かっています。しかし、燕三条では、日常でも工場見学できるところがたくさんあり、そういったコンテンツの整備がされています。
産業観光を関市で日常化していくためには、行政の方針と施策が必要となります。私が考えるのは以下の3つです。

  • ファクトリーショップワークショップ会場の開設支援

工場見学をしたら、そこの製品を買いたくなるもの。工場内にショップがあると楽しいです。新しく建設することへの補助金等も必要ですが、そこまで投資しなくてもまず始められるように移動販売車や屋台なようなものを行政が作って貸し出す制度も良いと思います。

  • 工場見学ルート整備支援

工場見学をするためには、作業の邪魔や危険のないようなルートの整備が必要になります。その整備に対する補助金制度です。

  • せきてらすで工場見学コンテンツ開発して斡旋する

工場見学できるところのツアーや、ワークショップコンテンツを観光協会が中心となって工場と開発して、それを、せきてらすの窓口で斡旋します。もちろん有料で。

これらには、しっかりとお金が工場に落ちるような設計をしなければなりません。
将来的には各工場の売上の10%程度が産業観光からの売上になることを目指すべきだと考えます。

2、日本刀や刃物の技術を転用した新たな体験コンテンツの集積

日本刀鍛錬は関市の観光の大きなコンテンツであることは間違いありません。ただ、日本刀には、柄巻師、研ぎ師、鞘師、白金師などなど分業でなりたっています。このそれぞれの技術がすごいのです。ここにももっと注目してほしい。
以前、私は、柄巻師さんと一緒に、いろんなものに柄巻をして、日本刀っぽくするワークショップができないか検討してきました。
その時作ってもらった靴べらに柄巻したもの。むっちゃカッコよくないですか?いまでも自宅で愛用しています。

また、以前、刀匠の方と一緒に、「刀匠と一緒にマイ包丁をつくろう」という企画をしました。1万円ほどでやりましたが、30分で定員が埋まりました。トップの写真はその時の様子です。
このように、それぞれの方が持っている技術を、今の何かに転用したワークショップコンテンツにする。それを日常的に体験できる。そんな着地型観光コンテンツを目指すべきだと考えます。

3、小瀬鵜飼と一体となった小瀬池尻エリアの川アクティビティの拠点整備

小瀬鵜飼が本当に大好きです。季節ごとに見せてくれる景色が違って風情を楽しめます。ただ、小瀬の力はこんなものではありません。小瀬の河原の昼間が本当に素敵です。
昼間に小瀬で楽しめるアクティビティがもっとあれば、昼も夜も人が来る場所になります。
私たちは、昼の可能性を知らしめるべく幾つもの取り組みをしてきました。
一つが、舟に乗って読書をする会。
もう一つが、ただただ、昼間に鵜飼観覧舟に乗って遊覧する会。

どちらもすぐに定員が埋まりました。
お隣の美濃加茂市では、ラインくだりの乗船場跡地を開発して「リバーポートパークみのかも」をつくり、そこでバーベキューができたり、川のアクテビティができたりします。そこは国土交通省の「川まちづくり」を活用して整備されました。国としても川の活用は進められています。
関市も小瀬鵜飼だけでない川や歴史を感じるアクティビティができる拠点施設がつくり、小瀬の観光開発をするべきだと考えます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?