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業績を伸ばすため、会社に新しい上司が来たという話。

とある地方の中小企業、O塚商事に勤務する「堂」と申します。

今年から会社の組織体制が変わって新しい上司が来まして、売上をもっと伸ばそう!ということになりました。いろいろなことがあったので、備忘録がてらに振り返ってみようと思います。

売上を伸ばすために新しい事業部長

今年は昨年対比で1.5倍の売上を目指すこととなりました。その先には上場とか。うちの会社では何の根拠もなく現実的ではない目標が出るのはいつものことです。過去に景気が良いときには業績が伸びた時もあったものの、体制など考えたら「そりゃ無理じゃないの」と思うのは毎回のこと。

達成できなくても責められることはあまりないのですが(目標設定が違っている気も)、新しい目標が出るたびに組織が変わったり上司が変わるのが大変です。大企業での実績がある人を招聘して社長は満足げなんですけどね。

ちなみに今回招聘されたのは若いながらも勉強熱心な紅(べに)さん。昨年までは実績も経験も豊富な谷(たに)さんでした。両者とも組織をコントロールしながらきっちり進めていくタイプで、紅さんの方が若いだけあってどんどん前に進んでいく人かなと思ってました。

谷さんの前はちょっと珍しいお名前の理嘉(りか)さん。

谷さんとの違いは「現場の判断に任せる」という方針

現場の状況は刻一刻と変わるのだから、こちらの指示を待っていたら間に合わない。「結果を出すための自己判断」は歓迎する」という方針でした。確かに今までは、指示通りにやらないとそれができるようになるまで徹底的に細かいところまでマネジメントが入ってきました。それが息苦しさになっていたのも事実なので、自由度が増えてやりやすくなるイメージがありました。

周りの同僚もあんなことをやってみたい、こんなことができたら楽しいのでは?と楽しそうに話し合ってましたしね。

で、なにをすればいいの?

紅さんから大枠の話はあるものの大企業出身というだけあって抽象的で、我々のような地方育ちの人間にはちょっとわかりづらいことも多かったです。横文字も多いですし、何が一番困ったのかというと、その大企業で使われている用語を連発すること。今は違う会社なのだから違う言葉を使ってほしいのですが、そのあたりはあまり気にしていないようでした。

結果を出すためにやっているんだからわからないことはお互いに話し合って理解すればいいでしょう?その前に、それぐらいはできるよね?というスタンス。

その通り…。でも、どこから聞いたらいいのかわからないし、聞いたとしても知識も経験も土台が違いすぎてかみ合いません。ここには一抹の不安が。

みんな頑張っていた

無料相談会を開催してみる、既存のお客さんにDMを出してみる、新商品の企画コンテストをやってみる。結果を出す取り組みは前向きになれるし、やってことがないことなのでみんな楽しそうでした。反響もそれなりにあって売上も多少は伸びました。ここのまま行けば1.5倍は難しくても1.2倍はいけそうな感じ。

ただ…しばらくすると伸びが鈍ってきました。最初は目新しいから気にしてくれるけど、慣れてくると反応は鈍くなります。そうするとちょっと過激というか煽り気味になっていき、いつの間にか今までやってきたことと違うようなことをするようになっていきました

頑張っていろんな方法を考えるんだけど、現場と営業の足並みがちぐはぐになってきたり、俺はこのやり方だとだダメだと思う、といった否定的な意見も増えてきました。

議論しているうちにも時間が過ぎていき、毎月の売上目標も下回っているので、どうしても目先の売り上げを取りに行く方向になってしまうのも仕方がないです。ちょっとずつは数字は出るものの大きく伸びもしません。自分も含めて徒労を感じている人も増えてきました。もう売れる方法なんて考えられないよ…という雰囲気。

お客さんから言われたひとことが

困り果てているときに懇意にしている企業の担当者さんからこんな一言が。

なんでそんなにガラッと変えちゃったの?会社は保守的ではあったけど商品が信頼できたし、そこが良いから買ってたのに

ハッとしました。

売ることは考えていたけど、なんで売れていたのかは考えていなかったんです。商売なんだから売る人と買う人がいて成立することを忘れていたんです。

会社に帰ってみんなに話したら、「そうだよな…」と言う人と「ガラッと変えないと目標達成できないよ!」と言う人と半々ぐらいな感じ。

相変わらずギクシャクはしているけど、今までの良かったことを改めて見直してやり直そうというグループと、今までやったことがないことをやろうというグループに分かれたので、新しいこと一辺倒ではなくなったのはいいことだと思っています

変えたからこそ見えたものかもしれない

自分たちの良さが何であったか?自分たちが変わってしまったのはどこだったのか?谷さんと紅さんの違いはどこだったのか?何すればよかったのか?自分は責任を持って動いていたのか?

1人だけで頑張っても結果は出ないけど、人任せにしてはいけない。
みんなが頑張ったからといって結果は出ないけど、協力しないといけない。

いろんなことが見えてきました。

見えただけだから、行動に現れてくるのはまだ時間がかかりそうです。

ただ、どう動けばいいのかはみんながぼんやりとわかってきた感じです。

「こういうことだよね?」「こうするといいのかも?」「このやり方だと信頼を失っちゃうね」。良い話し合いもできるようになってきました。

結果は全然出ていないけど

このままいけばうまくいく気がしています。

あとはこのスピードを上げるだけなんですが、焦っても同じことの繰り返しになっちゃうので、できることを確実にやろうと思っています。


また報告します。

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