ソードワールド2.5リプレイ 《風の廻り道》キャンペーン 第二話「漁村と忌子と失踪事件」前編

はじめに

この記事は2021/4/25に行われた「ソードワールド2.5(グループSNEのTRPG)」のセッションログを再編集したリプレイです。
読みやすくするため、実際のセッションログを少しだけ脚色したり、発言順序を整理したりしています。

本作は、「グループSNE」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の、二次創作です。

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絵:松本えひめさん

0. これまでのあらすじ

ドーデン地方、《キングスレイ鉄鋼共和国》の首都《キングスフォール》にて新たに旗揚げされた冒険者ギルド《風の廻り道》は、“鉄道路を活かした長距離移動を伴う依頼”にフォーカスして作られた珍しい支部である。
偶然にも同じ日にギルドを訪れた5人の冒険者は、そのままパーティを組んで依頼を引き受ける。

第三都市《グランティン》で依頼を達成したPC達は、そのまま同都市の冒険者ギルド《鉄橋の守衛》に滞在しているところであった。

1. 導入

210408 酒場2

GM:◆描写◆
ドーデン地方、《キングスレイ鉄鋼共和国》の第三都市《グランティン》
海に面するこの街は《キングスフォール》や《ヒスダリア》に海産物や塩を供給する湾岸都市でもある。
また、超巨大鉄橋である《グランティン大鉄橋》は海峡をまたいで《アルショニア女王国》のあるアルショニ島と繋がっており、同国との貿易においてはほぼ唯一の経路となる。
漁業や行商においては首都と同じかそれ以上に重要な、共和国の要所と言えるだろう。

そんな《グランティン大鉄橋》を臨む街の高台に、冒険者ギルド支部《鉄橋の守衛》亭は存在していた。

◆GMのメモ◆
《鉄橋の守衛》亭 規模:中
主に《グランティン》の周辺街道で発生するトラブルや行商人の護衛、《グランティン大鉄橋》のメンテナンス拠点である《橋上街》の警護などを請け負う、第三都市でも老舗の冒険者ギルドである。

石造りと木造の二階建てで、頑健で大きな造りが特徴。
一階が酒場と食堂、二階以上が宿屋となっている。

支部長は“両断番頭”バルドロイ・レドルリック(後述)が務めている。

GM:首都《キングスフォール》に拠点を置く冒険者ギルド《風の廻り道》に所属するPC達は、前回の依頼後、暫くの間《鉄橋の守衛》に滞在することになっていた。
前回の依頼から2週間ほど、各々好きに個人か2人程度で受けられる依頼をこなし、そこそこ経験を積みながら日銭を稼いでいる。
そんなある日の昼前頃、ギルドホールには珍しく5人が揃っていた。

リゼル:「やぁ、皆息災かい?」

リゼル2

絵:HAMさん

PC:リゼル・ウィンターズ/男性/27歳
PL:西口
種族:人間
技能:ファイターLv2/プリーストLv2/レンジャーLv1

戦闘特技:魔法拡大/数
装備:ヘビーメイス(鉾鎚) スプリントアーマー(金属鎧)

概要
大神である“樹神・ダリオン”に仕える神官。
名のある大神官を幾人も輩出する名家の出なのだが、家と世界の断絶に気付いてからは実際に自分の目で世界を見聞きするため出奔し、冒険者として暮らしている。
その一方で、酒や惰眠に目がないという神官らしからぬ面も。

神聖魔法とメイスを使った戦闘術の使い手であり、森に通ずることから薬草や薬品を扱う術も心得ている。

リラ:「勿論!だけど、このメンバーで顔を合わせるのは久しぶりだね」

リラ2

絵:カシア様@Cassia_1fall5(SKIMAにて依頼)

PC:リラ・ミスルトゥ/女性/19歳
PL:侘助
種族:メリア(ライラック)
技能:フェンサーLv3/セージLv2/エンハンサーLv1

戦闘特技:ディフェンススタンス、必殺攻撃Ⅰ
装備:ハンドアックス(手斧) カッツバルゲル(剣) バックラー(盾) クロースアーマー(布服)

概要
かつて瀕死の重傷を負った際、謎の遺物「ミスルトゥの種」によって一命を取り留めたメリアの少女。それ以来、以前とは別人のように少年のような性格へと変わったらしく、“英雄”を志すようになったという。
常に明るく前向きで、広範な知識と剣の腕を武器に戦う活発な少女である。

前回の依頼報酬で新たに剣を購入し、武器の使い分けによる戦術の幅を得た。また、呼吸法によって動体視力を強化する術も身につけている。

パローロ:「簡単なのを、色々……採取とか」

画像5

絵:鍵狐さん

PC:パローロ・ランプレドット/女性/26歳
PL:鍵狐
種族:リカント(狐)
技能:フェンサーLv3/スカウトLv2/アルケミストLv1

戦闘特技:かいくぐり、必殺攻撃Ⅰ
装備:ライトフレイル(連接棍) バックラー(盾) ソフトレザー(革鎧)

概要
やや寡黙でクールなリカントの女性。
かつて自分を捨てた男を見つけ出して復讐を遂げるために地方全土に足を伸ばせる《風の廻り道》の門を叩いた。
決意の証として、その背には『女の敵に鉄槌を下すミリッツァ神』の見事な刺青が彫られているという。

相手の攻撃を紙一重で回避し、その隙に必殺の一撃を叩き込むという豪快で荒々しい戦法の持ち主。

ヒルデ:「アル坊とはあん時以来だね。一緒に依頼を受けようと思っても、なかなか捕まんなくて困ったよ」

ヒルデ(アイコン)

絵:松本えひめさん

PC:ヒルデガルト・シュレーゲル/女性/21歳
PL:松本えひめ
種族:ナイトメア(リルドラケン生まれ)
技能:ファイターLv3/エンハンサーLv1

戦闘特技:全力攻撃Ⅰ、斬り返し
装備:モール(鉾鎚) チェインメイル(金属鎧)

概要
生まれたときから角と“穢れ”を持つ突然変異種族ナイトメアの女性。
素直で社交的な気質の持ち主な一方、「戦うために生まれてきた」と自身を称する武人的な性格も併せ持っている。
ナイトメアに対して寛容な竜人・リルドラケンの里で生まれ育ったため、自身が忌避される種族であるという自覚に薄い一面も。

戦闘時は重量級のメイスを軽々と振り回し、命中重視のスタイルと一撃の破壊力に特化した全力の振りを使い分ける。

アレックス:「ったく……んで追っかけてくんだよ」*口を尖らせる

アレックス2

絵:影山とらこさん

PC:アレックス・ヴァレル/男性/17歳
PL:影山とらこ
種族:人間
技能:シューターLv3/マギテックLv1/スカウトLv1

戦闘特技:ターゲッティング、牽制攻撃
装備:ジェザイル(両手銃) ソフトレザー(革鎧)

概要
前時代のロストテクノロジーを利用する魔動機術師の青年。
口が悪く偏見の強い言動が目立つが、根は真面目で努力家である。
都会のそれなりに裕福な家で育った三男坊であり、なにかと「普通」に拘る価値観の持ち主なことと相まってナイトメアのヒルデに突っかかることも。

各種の魔動機術に使用するキーアイテムである“マギスフィア”を媒介に、マナを込めた弾丸を発射する武器《ガン》による射撃で戦う。

リラ:「アハハ、相変わらずだね」
ヒルデ:「まぁね。皆も元気そうで何よりだ」

リゼル:「踏み込まれると逃げてしまうのも人間の心理というものだよ」
パローロ:「アル坊、照れ屋さん」
リゼル:「次からはもう少し優しくしてあげるといい」
アレックス:「照れてねえって!」*必死

GM:ではでは、PC達が近況報告を終えたあたりで……

バルドロイ:「よう、お前さん達。珍しく揃ってるじゃねぇか」

200417 戦士4

◆NPC解説◆
“両断番頭”バルドロイ・レドルリック(人間/男性/45歳)

《グランティン》の冒険者ギルド《鉄橋の守衛》亭を預かる支部長。
鎧を纏った偉丈夫で、身の丈ほどの大剣を得物とする武闘派の冒険者。
その一方、後進の育成にも精力的に取り組んでおり彼を慕う者は多い。

GM:《鉄橋の守衛》支部長、バルドロイが顔を出します。
   その手には一枚の羊皮紙が握られている。

リゼル:「これは支部長殿」*一礼
アレックス:「好きで揃ってるわけじゃねえって……」*小声
バルドロイ:「はは、そうなのか? 随分と仲が良さそうに見えたがね」*からかうように
アレックス:「誤解っすよ……」*口尖らせつつそっぽ向き

バルドロイ:「ま、お前さん達が揃ってて良かったよ。依頼を紹介しようと思ってたところなんでな。探す手間が省けた」
バルドロイ:「昨晩、冒険者が5人ほど必要そうな仕事が入ったんだ」

ヒルデ:「へぇ、こりゃ奇遇だね! 詳しい話、聞かせてよ」
リラ:「5人....かなり危ない仕事ってことかな?」
パローロ:「大がかりな仕事は久々」*ちょっと尻尾を揺らす

バルドロイ:「危ない仕事……そうだな。少なくとも、前の仕事よりは明確に何らかの“危険”があると見て良いだろう」
バルドロイ:「今日は少人数でできそうな仕事もないし、ちょっと見ていけよ」*掲示板に貼ろうとしていたであろう羊皮紙をこちらに渡す

ヒルデ:「どれどれ~?」

◆依頼内容◆
・依頼主は《ウルムグラン》町長
 ドレアム・ディムライト(男性/人間/45歳)
 報酬は総額4500G(1人あたり900G

・依頼内容は数日前から町で発生している連続失踪事件の調査
 原因を特定、推測して被害を止めること

・依頼期限は今日から数えて4日間
 《グランティン》からは馬車で半日ほどかかることに留意すること

リラ:「なら受けよう」
リラ:「そういう仕事こそ英雄(ボク)の役割だからね」*依頼書すら見ず

リゼル:「連続失踪事件……ですか」
パローロ:「物騒」

ヒルデ:「……情報ってこれだけ?原因不明ってこと?」
リラ:「調べるのも仕事の内ってことだね……」
アレックス:「ほーん……」*報酬のとこだけ覗き見つつ

リゼル:「事件が発生しはじめたのは、どの程度昔なのでしょう?」

バルドロイ:「いい質問だな。最初の失踪者が出たのは一週間前だそうだ」

バルドロイ:「事件のあった街、《ウルムグラン》ってのはここから北に馬車で6時間走った先にある漁村でな」
バルドロイ:「現在判明している段階で町の住人が3人、2日前調査に着手した近隣の街の冒険者が2名行方不明になっているそうだ」

リラ:「一般人ならともかく、武器を持った冒険者が"行方不明"」
リゼル:「だから複数人で行け、というわけですね」

バルドロイ:「そういうこと。2人とはいえ冒険者が消息を絶ってる。こいつはどうにもキナ臭いぜ」
リラ:「うん、確かにこれは大ごとだ」
ヒルデ:「へーえ……?」*戦闘バカなのでピンときていない

リゼル:「ふむ……二人とも行方不明か」
リゼル:「いざという時は一人だけでも生き残って情報を伝える、なんてことをする必要も出てくるかもしれないね」

リラ:「よし、じゃあ早速行こうか。依頼のあった《ウルムグラン》に」

◆GMのメモ◆
《ウルムグラン》に向かうには、大きく分けて「馬車」を使うルートと「魔動列車」を使うルートがある。
運賃と所要時間は以下のとおり。

馬車 運賃:5G/所要時間:6h
列車 運賃:30G/所要時間:3h

ヒルデ:「今からだと向こうに着く頃には暗くなってるんじゃないかい?」
リゼル:「あの辺にはローカル線の駅があったな……。魔動列車を使えば、もう少し早く着けそうではあるね」
リゼル:「ただ、個人的には馬車で行きたいかな」

ヒルデ:「そりゃまたどうして?」
リラ:「ボクは列車で行くべきだと思うな。人的被害が出ている以上、可能な限り早く向かうべきだ」

リゼル:「それほど深い理由があるわけでもないけど」
リゼル:「まず第一に、これから向かう先でなにがしかの事件が起こっているとして……」
リゼル:「その影響範囲を観察できるかもしれない。そもそも、どういった事件が起きているのかさえわからないからね」
リゼル:「村の外にまで影響を及ぼす類のものなら、移動中にある程度備えられるだろう?」

リゼル:「第二に……」
リゼル:「路銀が少し不安でね。いやぁ、ここ一週間ばかり支出が多くて」
パローロ:「超個人的」
リゼル:「地酒の声が聞こえたものでね」*苦笑
ヒルデ:「そんなことだと思ったよ」*苦笑
パローロ:「お酒は美味しいから、仕方ない」

リラ:「え~!そんなのウルムグランで怯えている人にとって些細なことじゃないか!」
リゼル:「勿論、早く行動するべきだというのもわかるよ」
リゼル:「でも、怯えている人々を助けるためには、何より私たちが慎重に行動すべきだとは思わないか?」

アレックス:「俺ァ列車に一票だな。尻が痛ぇよ、馬車は」

リラ:「う~ん、だったら二手に分かれるのは?」
リラ:「馬車で町の外を観察する組と、ささっと現地で情報を集める組」

リゼル:「ふむ、なるほど。私はかまわないよ」
パローロ:「賛成」
ヒルデ:「あたしも賛成ー!」
アレックス:「俺も賛成……つーか俺は馬車で行くのなんかゴメンだ」

リゼル:「現地の地図はあるかな?集合場所を決めておこう」
バルドロイ:「地図ならあるぜ。貸してやろう」*羊皮紙を渡す

ウルムグランマップ

Inkarnate World様で作成したマップ。
多少誇張して描かれているが、村の北部には漁師町が広がっている。
漁師町の東には太陽神・ティダンを祀る神殿がある。
また、町から見て南の方には枯木林が広がっており、その奥に墓地がある。

リラ:「なら集合場所は村の自治会館にしようか。一番分かりやすいからね。依頼人もそこに居るんでしょ?」
リゼル:「じゃあまた後で会おう。すぐに移動するといっても、備えくらいはしておきなさい」
アレックス:「自治会館ね、手っ取り早くていいや」*列車だ
ヒルデ:「そうと決まれば出発だな!」

パローロ:「私も馬車で行く。村の外から観察する視点は大事」*スカウト的な意味で
リゼル:「それじゃ装備を確認して、馬車の手配だね」

◆GMのメモ◆
こうしてPC達は列車組(リラ、ヒルデ、アレックス)と馬車組(リゼル、パローロ)に分かれて《ウルムグラン》へと出発したのであった。

2. 漁村《ウルムグラン》

GM:まずは列車組の方から!

GM:◆描写◆
《ウルムグラン》の町は《グランティン》の北に位置している。
村の北部一帯が海に面しており、冷涼なドーデン地方北部の海風が吹き込むこともあってか木々は少ない。
ここは海で獲れた魚介類の保存加工や貯蔵を生業としている者が集まってできた村である。獲れた魚介はこの村で長期保存に適するように加工され、《グランティン》へと送られるのだ。

建物はそのほとんどが木造で、街灯の代わりに家々の軒先に吊るされた魚油ランプが使われている。
潮風の香りと共に、ランプの魚油が独特の臭気を放っていた。

GM:PC達は《ウルムグラン》最寄りの駅で列車を降り、街の中を見て回っている……という感じです。

ヒルデ:「うおっ……おぉ~!」*顔をしかめつつもどこか楽しそう
リラ:「変わった匂い……これが漁港ッ!」*すんすん
アレックス:「か~っ……」*引きつった顔
リラ:「生き物の匂いが凄いな……森とは全然違う」

GM:choice[ヒルデ,リラ,アレックス]  //PCランダム選択
<BCDice:GM>:DiceBot : (CHOICE[ヒルデ,リラ,アレックス]) → ヒルデ

GM:ヒルデさんが周囲を見渡すと、まだ割と明るい時間帯なのに酒場に人が集まっているのが目に留まります
GM:もしヒルデさんが酒場に入るなら、アレックスさんは彼女のフードがちゃんと被られているか注意してあげてくださいね

アレックス:そのためにきたみたいなところあるな……(?)
ヒルデ:じゃあ現状はバリバリ外れているということで
リラ:夫婦じゃん(すぐに関係性を見出す)

ヒルデ:「リラ、アル坊、おいで!酒場と宿があるよ!」*こう見えても20過ぎのお姉さんなので年少二人に保護者面します

リラ:「うん、まずはここを拠点としようか」
リラ:「前の冒険者の事も分かるだろうからね」
ヒルデ:「ああ、早速情報収集といこう」*ずかずか

アレックス:「わ”っ!待ちやがれ、ツ……バカ女!」*乱暴にフード掴んで無理矢理かぶせます
ヒルデ:「おっ? ……あぁ、忘れてた」*フード被り直し

アレックス:「こういう田舎は特にナイトメアへの偏見が強いんだ。頼むから面倒事だけは勘弁してくれよ」
ヒルデ:「助かったよ、ありがとなアル坊!」*頭をわしゃわしゃする
アレックス:*露骨に嫌な顔をします

GM:◆描写◆
酒場の中は薄暗く、男たちが酒を傾けている。
その表情は暗く、恐怖や苦悩を忘れるために酒を呷っているようだ。
よく日焼けした彼らはおそらく漁師だが、このところの騒ぎで漁どころではないのかもしれない。

「これもきっとアイツのせいだ……」
「あの穢れ持ちが、裏で何かしてるに決まってるぜ」
男たちはそんな陰口を叩きながら、酒を流し込んでいた。

リラ:「ちょっといいかな?」*男たちの隣に座る
リラ:「この街の失踪事件について聞きたいことがあるんだ」
男たち:「ん? あ、あぁ……構わないが」

アレックス:*後方彼氏面をしてます(話を聞くのが面倒なだけ)

ヒルデ:「依頼を受けてきた冒険者だ、よろしく頼むよ!」
男たち:「あんたら冒険者か……。気を付けてくれよ、何日か前に来た冒険者が戻らねぇらしいんだ」

ヒルデ:「そいつを解決するために来たのさ。ま、飲みながら話そうか!」*奢りついでに自分も飲む
アレックス:*フードが外れないかハラハラしながら見てる

ヒルデ:なんだかんだ商人気質なので、ここは軽く酒とつまみを奢って話を手早く聞き出せないかな、と
GM:良いですね! 10G程度のエールとつまみで男たちは知ってることを全部話してくれます。

◆GMのメモ◆
《ウルムグラン》の酒については、第三都市《グランティン》周辺と同様に大麦を種として醸造したエール酒が一般的なようだ。

《ウルムグラン》では「大灰鱈」という魚が主な交易品で、干物や塩漬けが《グランティン》周辺までの町に出回っている。
「大灰鱈」はその名のとおり灰色をした大型の底生魚で、地引網や釣りで漁獲されている。最大全長約1.5mほどで身に脂の乗る冬が旬。

この魚の切り身を塩漬けや干物・燻製にしたものがつまみとして食される。
雌魚は産卵期になると卵巣が発達し、魚卵を抱くことから珍味としてこちらもよく出回る。雄の成熟した白子は保存が難しく出回りにくいが、濃厚な味わいで愛好者も多い。

塩漬けにした大灰鱈の肝臓を濾してペースト状にしたものに魚卵を漬け込み、瓶詰めにした「大灰鱈の卵肝」は独特の風味と強い塩気から、硬いパンに塗って酒と一緒に嗜むドーデン地方の北海の幸とされている。
GM:◆情報◆
墓守のナイトメアについて
《ウルムグラン》の外れには小さな墓地があり、老いや病で死んだ者を埋葬している。墓守はナイトメアの娘が1人で努めているが、村の住人と口を聞くことは殆どない。
村にあるティダン神殿に勤める神官がその娘の後見人のような立場になっている。

この情報を入手すると「ティダン神殿」を調査できるようになる。

GM:今回のシナリオはシティ……シティ風……シティっぽい……やつです。
    こんな風にイベントが発生すると「情報」が開示され、次に調べられる候補が出てきます。
アレックス:ふむふむ……

GM:この情報は、さっき彼らの言ってた“穢れ持ち”に関することですね
GM:要するに「村はずれの墓を管理してるナイトメアが怪しいから犯人に決まってるぜ!」という感じの内容です

リラ:「へぇ~。ちなみに、いなくなった冒険者について心当たりとかないかな?」
リラ:「冒険者ってこういう場所によく来るんでしょ?」

男たち:「心当たり……いや、依頼を出してたのは村長だからなぁ」
男たち:「あぁでも、指輪をしてたっけか。何だっけ、あの素早く動けるっていう……」
リラ:「“俊足の指輪”かな?」
男たち:「たしかそれだ!」

リラ:「やっぱり村長か。依頼の話もしたいし、一度彼に合わないとね」
ヒルデ:「馬車組と合流したら、早速訪ねてみるかね」
アレックス:*あくび

GM:それでは馬車組!
パローロ:は~い

GM:馬車に揺られること約半日。
西に日が沈み始めた頃、《ウルムグラン》近くの駅に交易馬車が到着した。
馬車を降りると、潮風と魚油の独特の臭いが鼻を突く。

GM:リゼルさん 冒険者レベル+知力Bの判定をお願いします
    難易度は10にしよう

リゼル:2d6+2+2  
<BCDice:リゼル>:SwordWorld2.5 : (2D6+2+2) → 7[1,6]+2+2 → 11
→成功!

リゼル:「うーん、漁村の匂いだ」
パローロ:「魚臭い……」*耳が垂れる
リゼル:「嗅ぎなれないかい? 内陸の生まれなのかな」
リゼル:「かくいう私もそうだけど」
パローロ:「海よりは、山が近かった」

リゼル:「私もそうさ。私の場合は山というよりも森だったけど」
リゼル:「こうして見知らぬ街の見知らぬ臭いを嗅ぐにつけ、返って故郷を思い出してしまう」
パローロ:「うん……」*うなづき

GM:それでは、リゼルさんは吹き込んでくる潮風に混じって微かな違和感を覚えます。彼の知る様々な経験に照らし合わせると……それは“墓土”の匂いに近い感覚だ。
極めて微かだが、リゼルさんは今までの旅の経験と合わせて「穢れた墓土」のイメージをその匂いに感じます。

リゼル:臭いについては確証が持てないので覚えておきつつパローロさんにはまだ黙っておこう

リゼル:「それでは、自治会館に向かおうか」
パローロ:「みんな待ってるし、いこう」

GM:それではPC達が合流ですね

リゼル:「やぁ、待たせたね」*仲間たちに軽く挨拶
パローロ:「お待たせ」*右に同じく
ヒルデ:「よっ」*軽く手を挙げる
リラ:「もう宿も取っておいたよ」
アレックス:「ん、これで全員集合だな」

GM:PC達は宿屋で部屋を押さえると、自治会館を訪れた。
依頼人は村長を務めている人間のドレアムという男である。

210420 村人挿絵

◆GMのメモ◆
ドレアム・ディムライト(男性/人間/45歳)
漁村《ウルムグラン》の自治会をまとめる。
村の漁師組合の代表も兼任しており、海には詳しい。

ドレアム:「よく来てくれた。私がこの村の代表、ドレアムだ」
ドレアム:「早速だが本題に移ろう。既に村の住人が3名、そして事件の調査に当たっていた近隣の街の冒険が2名行方不明になっている」

リゼル:「話には聞いています。原因などに心当たりはないんですか?」
ドレアム:「ううむ……これといった心当たりはない」
ドレアム:「町の一部の者達は「墓守のナイトメアが下手人だ」などと言っているようだが……私としては、根拠のない噂話の域を出ないと考えてる」

リラ:「噂話……?」
ドレアム:「ここに、行方不明者について記録を作っている」*大きめの羊皮紙を取り出し、テーブルに広げる

GM:◆情報◆
・行方不明者について
最初の行方不明者は村に住む漁師の娘。
一週間前、深夜になっても家に戻らず自治会に相談があった。
夜分に出歩くような娘ではなかった。

次の行方不明者は村に診療所を構える薬師の親子。
最初の行方不明者が出てから3日後、家に灯が灯っていないことから隣人が自治会に報告。
隣人の証言では行方不明前日までは家に居たとのこと。

現状、最後の行方不明者は村に来た冒険者。
最初の行方不明者が出てから5日後の時点で近くの街の冒険者ギルド支部に相談し、夜間の見回りに当たってもらった。
しかし、夜の見回りから宿に戻っておらず、ギルドに問合わせても戻っていないとのこと。
村の外れにある墓地に続く道の途中で、冒険者が持っていたと思われる指輪が発見された。

村外れの墓地」を調査可能になる。

ドレアム:「時系列順に、行方不明者について記したものだ」
リラ:「ふむふむ……」
ヒルデ:「……夜か」

ドレアム:「最後の行方不明者は隣町の冒険者2人なのだが……夜間の見回りを行ってもらったはずが、朝には姿を消しているのだ」
リゼル:「ふむ……」
ドレアム:「彼らのうち、一人が指輪を付けていたんだが……“俊足の指輪”というやつでね」*引き出しから指輪を取り出す
ドレアム:「こいつが、墓地に続く道の途中に落ちていたそうだ」

リゼル:「薬師の親子については断言できませんが、ほか二件はどちらも夜間、人目がない場所で失踪しているんですね」
リラ:「まずは行方不明者の家を当たるとこからかな……」
リゼル:「ふむ……」
パローロ:「……」*窓に目をやり、夜の帳が降りつつある外を見る

リゼル:「よっぽど指のサイズがあっていないものでもない限り、指輪なんてそうそう外れるものじゃない」
リゼル:「それが起きうるほどに激しい抵抗をしたか……それ以外に何らかの理由があって、敢えて外したか」
リゼル:「どちらにせよ剣呑ですね」

ドレアム:「私は魔物退治の専門家でもなければ、神官でもない……この凶事を引き起こしているのが何者なのかもわからんのだ」
ドレアム:「どうか、住民達を安心させてやってくれないだろうか」
リゼル:「えぇ、依頼を引き受けた以上は微力を尽くしますとも。報酬もいただきますしね」

リラ:「任せて、ボク達が必ず不安を払うと約束しよう!」
アレックス:「(ま、どうせ噂のナイトメアで落着すんだろ……)」

ヒルデ:「……墓場のナイトメア……」*小声
リゼル:「何か聞いたのかい?」

アレックス:「なんでもここは、ナイトメアが墓守をしてるんだとさ」
リゼル:「あぁ、さっき村長もそんなことを言っていたね」
ヒルデ:「その子が犯人っていう噂がある、てだけ」
リゼル:「らしいといえばらしいね。場所にも寄るけど、墓守は賤業とされやすい」

リラ:「ティダン神官の人が後見人らしいけど、関係は……」*口ごもる
アレックス:「ま、こういう田舎じゃよくある話だしな」
アレックス:「動機としても十分だろ」

リラ:「彼女に直接知っていることを聞きたいけど……まずは彼女の後見人である神官さんに話を聞きたいかな」
ヒルデ:「…………んん~~~」*眉間に皺

リゼル:「まあ、噂は噂だ。別に根拠なんてないだろう」
リゼル:「その子が誰かを傷つけたって前例があるなら、とっくに手を出してるさ」
リラ:「彼女に直接知っていることを聞きたいけど……まずは彼女の後見人である神官さんに話を聞きたいかな。場所も近いしね」

リゼル:「そうだね。私は賛成だ……とはいえ、流石にもう暗い」
リゼル:「調査は夜が明けてからにしようじゃないか」
パローロ:「夜は危ないし、ね」

リラ:「そうか……キミたちは睡眠が必要だったね」
リラ:「不便だなぁ~」

ヒルデ:「……そうだな、今夜は寝るか」
パローロ:「(噂程度の事しかわかってないし、何にも言えない、かな)」
リゼル:「睡眠は始まりの剣が生んだ三つの娯楽の一つだ。私は享受しているとも」

リラ:「思考が断絶するなんてボクには考えられないや」
パローロ:「リラも、休みは取った方がいいよ……?」

アレックス:「それ初めて聞いたぜ、ほんとか?」>三つの娯楽
リゼル:「ああ、本当だとも」
リゼル:「3年ほど前、3日間の怠惰と熟睡を経て至った真実だ」
アレックス:「(始まりの剣も神官要素もまるで関係ねえじゃねえか!)」

リゼル:「それに、今のところ犯行時刻は夜だ。いくら複数人とはいえ、軽率に動くのは危険だからね」
ヒルデ:「すまないね、リラ。番は頼むよ」
リラ:「あぁ、任せてくれ!」

リゼル:「ここへ来た時、微かに香った物がある。穢れた墓土の匂いだ」
リゼル:「……どこかで嗅いだ臭いだよ」

リラ:みんなが睡眠をとっている間、得た情報を紙に記録して壁一面に張ったりしてます。
パローロ:探偵ものでよくある“アレ”じゃん……!

GM:それでは翌朝から本格的な調査をスタートします~

3-1. ティダン神殿と神官・アルバス

GM:◆描写◆
村の中央付近には、小さなティダン神殿がある。
神殿は石造りの建物であり、1階は礼拝堂と学び舎、2階は神殿勤めの神官の居住空間になっているようだ。

PC達が立ち寄った時間帯は、住人の何人かが相談に訪れていた。
一連の行方不明事件に関して、住人の間では不安が大きいようだ。
住人達は礼拝堂の椅子に腰掛け、ティダンの聖印が象られた小ぶりな首飾りを握り締めながら一人の男に話しかけている。

住人達:「あぁ、アルバス様……もうあの娘に関わるのはお止めください」
住人達:「それもこれも、きっとあの娘が原因に決まっています」

アルバス:「先入観で物を言ってはいけないよ。あの娘はやさしい子です」

210214 アルバス挿絵

◆NPC解説◆
アルバス・セオナイト(男性/人間/38歳)
《ウルムグラン》のティダン神殿に務める神官。数年前に首都《キングスフォール》からこの村の神殿に赴任してきた。
周囲の人間からは“神父”と呼ばれている。

アルバス:「恐ろしいのはわかる。不安なのもわかる。しかし……それはあの娘を罪人とする根拠にはならないだろう」
アルバス:「偉大なるティダン神曰く、太陽は全てを公平に裁く……。この事件にも、太陽の如く公平な裁きが下るさ」

アルバス:*PC達に気づく

アルバス:「む……」
アルバス:「皆の者、すまない。今日の集まりはここまでとさせてくれ」*住人達を帰す

リゼル:*頭を下げよう
パローロ:*ペコリと会釈
リラ:「おはようございます!」

アルバス:「御挨拶が遅れました。私はこの神殿に勤める、アルバスという者です」

リゼル:「リゼル・ウィンターズと申します」
リゼル:「お邪魔をしてしまい申し訳ない」
パローロ:「パローロ。冒険者です」
アレックス:*意外と神妙にしている←

リゼル:「私たちは村長の依頼を受けた冒険者でして、今村民の方々に話を聞いて回っているところなんです」
アルバス:「太陽神の声も聴けぬまま人に教えを説く未熟者でよければ、なんなりとお訊ねください」*ティダンの神聖魔法は使えないらしい

ヒルデ:「……」*アルバスを観察中
リラ:「神様の声が聴こえない……?」*首を傾げる

アルバス:「あぁ、ルーンフォークやタビットの方のように種族として聴けぬ、ということではないのですが……どちらかというと才能、ですね」
アルバス:「神殿で修行を積んでも、神の声を聴くことのできる者はひと握りなのですよ」*リラに微笑む
アルバス:「もっと精進せよ、ということでしょうな」*頭を掻く

リラ:「へぇ~」
リゼル:「貴方といるときの人々の顔は、安らいでいるように見えました」
リゼル:「神の声を聴けずとも、しかしそれは神官として十全の働きをなされている証左でしょう」
アルバス:「そう言っていただけると、私ももう少し頑張ってみようという気になります」*照れくさそうに

アルバス:「して、私の元を訪ねられたということは……」
アルバス:「貴方たちも、もしやロアを……ナイトメアの墓守を疑っておられるのですか?」*悲しそうに

リラ:「わからない……。だからアナタの話を聞きたいんだ」
リゼル:「ここを訪ねた理由の一つは、彼女について聞くためです」
リゼル:「しかし誤解なさらないでください。何も噂を信じ込んでいるというわけではありません」

ヒルデ:「その、ロアって子はさ」
ヒルデ:「その……犯人がどうとかじゃなくて」
ヒルデ:「あなたから見て、どういう子なのかな。……あたしが知りたいだけなんだけど」

アルバス:「ふむ……」
アルバス:「そうですね。彼女はまともな教育を受けていないので、言葉は辿たどしく、些か内向的なところがありますが……」
アルバス:「しかしやはり、本質は大人しくて優しい子だと思います」

パローロ:「(大人しくて優しい子。教養は△……大人数で詰めかけたら怖がっちゃうかな?)」

アルバス:「まず、なぜ私が彼女の後見人をしているか、というところからなのですが……」

アレックス:「(こりゃ話が長くなりそうだ……)」*げんなり

アルバス:「私がこの町に来たとき、既にこの神殿には一人のティダン神官が在籍していたのです」
アルバス:「彼は若く、才能溢れる人物でした。若くしてティダン神の啓示を受け、神聖魔法を使うこともできるほどでした」

アルバス:「しかし、神官として大成するには複雑な教義を覚えたり、大きな街の神殿に仕えるなど、いわゆる聖職者としてのキャリアが必要でした」
アルバス:「そのことから、彼はキングスフォールから来た後塵の私に教えを請い、神官としての師弟となったのです」
アルバス:「その時、彼の妹だったのがロア……件のナイトメアです」
アルバス:「数年前、彼は病に倒れましたが……言わば彼女は、弟子の忘れ形見なのですよ」

リラ:「ふむふむ……」
パローロ:「病気……お悔み申し上げます」*耳と眉垂れ
アレックス:「苦労、してんだな」*素直な感想

ヒルデ:「じゃあ、墓守をしているのは?」
リゼル:「神官が墓地の管理をしているのは珍しくはないですが、彼女は神官職というわけではないんでしょう?」

アルバス:「えぇ。半ば彼女は神官見習いのようなもので……」
アルバス:「いや、私が勝手にそうあれば良いと思い、彼女にそうさせているのですがね」*付け加えるように

アルバス:「墓守ならば街の住人たちも取り沙汰することは少ないですし、それでいて神殿の職の一つに数えられます」
アルバス:「末席とはいえ、ティダン神殿で努めたという経歴があれば……別の街の神殿に紹介することも叶うかもしれぬ、と思ってのことです」
ヒルデ:「……そこに、この事件か」

リゼル:ナイトメアったら差別受ける側だから、手に職つけさせてまともに生きてほしいってことだね
リラ:この村社会においては妥当な場所に落ち着いた感だねぇ
GM:ですです。福祉的なアレですねぇ。
    ではここで情報を。

GM:◆情報◆
墓守のロアについて
《ウルムグラン》の外れにある墓地の墓守を務めているナイトメアの少女。
母親は出産直前に亡くなっており、彼女は死んだ母親の腹から出てきた。
その出生経緯とナイトメアであることから、村全体から疎まれている。

村人達は彼女と関わろうとせず、ロアは言葉すら教わっていない。
数年前にティダン神殿へと赴任した神官、アルバスが後見人を担当している。村人たちはロアが今回の連続失踪事件の犯人だと考えているようだ。

アルバス:「ロアについてはこのくらい、ですね。私の弟子、つまり彼女の兄については……彼女の方がよほど詳しいのかもしれません」

リラ:「なるほど……やっぱり一回、彼女と話してみたいな」
ヒルデ:「……そっか、ありがとう」
アレックス:「(……兄貴、ねえ)」

ヒルデ:「この事件……何が何でも止めてやる!」
パローロ:「頑張ろう……神父さん、お話ありがとうございました」
リゼル:「お時間をいただき、ありがとうございました」*一礼
リラ:「お話ありがとうございました」

アルバス:「何卒、よろしくお願いします」*静かに一礼

GM:ロアについて直接調べる場合は「村はずれの墓地」からですね

リゼル:じゃあ墓地行く?
リラ:行こうか!
ヒルデ:行きますか
アレックス:いきまっしょい!
パローロ:行きましょうか!

GM:はいな~ それでは一行は村はずれの墓地に……

3-2. 村はずれの墓地

GM:◆描写◆
村の南側にある墓地はよく手入れされている。
砂浜の上に切り立った崖に一軒の小さな小屋があり、墓守がそこに住んでいるようだ。

墓はどれも村の住人のものらしく、老いや病、或いは漁の間の事故で亡くなった者たちが弔われている。
掃除の行き届いた小さな墓石の前に、一輪ずつ花が供えられていた。
墓地の片隅に建てられた看板によると、この共同墓地はティダン神殿の管轄にあるようだ。

リラ:「あっ、お花……」*墓石に一瞥した時、独り言が漏れる
アレックス:「へえ、思ったよりちゃんとしてるじゃねえか」
ヒルデ:「あぁ、こまめに手入れしてるんだろうね」

GM:それでは……スカウト観察判定パッケージでの判定をお願いします。 難易度は12。また、プリースト+知力でも判定可能とします。

パローロ:2d6+2+3  //スカウト観察判定パッケージ
<BCDice:パローロ>:SwordWorld2.5 : (2D6+2+3) → 9[5,4]+2+3 → 14
成功!

アレックス:2d6+1+2  //スカウト観察判定パッケージ
<BCDice:アレックス>:SwordWorld2.5 : (2D6+1+2) → 7[6,1]+1+2 → 10
失敗……

ヒルデ:2D ヒラメ
<BCDice:ヒルデ>:SwordWorld2.5 : (2D6) → 5[2,3] → 5
失敗……

リラ:2d6 ヒラメ
<BCDice:リラ>:SwordWorld2.5 : (2D6) → 5[4,1] → 5
失敗……

リゼル:2d6+2+2  プリースト+知力
<BCDice:リゼル>:SwordWorld2.5 : (2D6+2+2) → 8[5,3]+2+2 → 12
成功!

GM:パローロさんとリゼルさんは成功だね 奇しくも馬車組だ
ヒルデ:伏線回収!?(ちがう)
パローロ:これは列車組、酒が抜けていませんね~?
リラ:ね、寝不足……
ヒルデ:リラさんの言い訳で寝不足は無理しかない

GM:◆描写◆
リゼルとパローロは一つの墓の前で微かな違和感を覚える。
墓石には「ソール=ルカサイン」と彫られていた。
しかし、具体的な違和感の原因についてはわからない。

リゼル:「……そういえば亡くなった彼女の兄の名前を聞き忘れていたね」
リゼル:「さすがにそんな偶然もないかもしれないが……なんだろうね、これは」

リラ:「? どうしたの?」

パローロ:「ソール=ルカサイン……(なんだろう、あのお墓だけ他と違うような……?)」
ヒルデ:「ん、どうしたの?」
アレックス:「??」

リゼル:「さあ、まったくわからない!」
リゼル:「が、何となく違和感があってね。まあ今は気にしないでくれ」
パローロ:「うーん、わからない」*腕組んで首をかしげる
ヒルデ:「そうかぁ。わからんことだらけだ!」*あはは

GM:ではパローロさんは「微妙にその墓の前だけ土が柔らかい」という印象を受けるかな
GM:リゼルさんもまた、神官として墓は見慣れてると思いますが……同様の違和感を覚えますね。
普通に埋葬してそのままにしといたらこうはならないよな……? 的な

リゼル:つまり、最近掘り返された……ってコト!?

パローロ:「……ここだけ土が柔らかい……かも?」
リラ:「それって、掘り返されたってコト?」
アレックス:「んなわきゃねーだろ、墓だぜ? 誰が好き好んで……」

GM:◆描写3◆
PC達は自分たちに向けられた視線に気が付く。
墓地の隅にある粗末な木造の小屋から一人の少女が顔を出し、PC達の方を睨んでいた。

ロア:「……」

210214 ロア0

◆NPC解説◆
ロア=ルカサイン(女性/ナイトメア/11~13歳)
《ウルムグラン》の村はずれで墓守を務めるナイトメアの少女。
まともな教育を受けていないため言葉が辿たどしく、内向的。

ロア:「……ここは、よそ者が来るところじゃない、よ」

パローロ:おやおや、第一印象は悪目みたいですねぇ
リゼル:ここで何で知ってるかを言わずに知ってること全部並べ立てれば、無事好感度を最低に出来る

ヒルデ:「!」
アレックス:「へっ、ナイトメアに余所者呼ばわりされる日が来るたぁな……」*小声

リゼル:「やあ、こんにちは」
リラ:「こんにちは!キミがロア?」
リラ:「ボクはリラ、メリアの英雄さ」*ややこしい物言い

ヒルデ:「あたし達は冒険者でね。ま、そう警戒しなくていいよ」*フードを外す

ロア:「……!」*ヒルデの角に気づく
ロア:「ナイトメア、はじめて見た」*自分以外の、という意味で

ヒルデ:「そうかい、あたしもさ」
ロア:「……冒険者って、何する人?」

ヒルデ:「そうだなぁ」
ヒルデ:「……人によるだろうけど、あたしにとっては」
ヒルデ:「何よりも強く、何よりも自由なものさ」*ロアに目線を合わせて笑う

ロア:「強く……兄さん、みたいに?」*先ほどPC達が違和感を覚えた「ソール」の墓の方を見て

ヒルデ:「あぁ。剣、弓、魔法、皆いろんな特技を持ってる」
ヒルデ:「命を懸けて夢を追う、それが冒険者の生き様さ」

ロア:「……」
ロア:「……何が、知りたいの?」
ロア:「……私、何も知らないよ」

ヒルデ:「……そうだなぁ、うーん」

リゼル:「ティダン神殿のアルバス殿から、君の話は聞かせてもらったよ。それで、今度は君から君のお兄さんの話を聞ければと思ってね」

リゼル:何であの墓が周囲と様子が違うのかも気になるしね
GM:ではここでロアから聞ける話を情報として貼り出しますね~

GM:◆情報◆
・神官戦士のソールについて
本名はソール=ルカサイン。数年前に死んだロアの兄。享年20歳。
6歳の頃から町にある太陽神ティダンの神殿に入り、神官としての修行を積んでいた。
これは神への誓いを立て、誠実に生きることで自身と妹を村に認めさせたいという思いもあってのことである。

14歳の頃に太陽神ティダンの導きを受け、神聖魔法を修得している。
魔法の覚えは早く、また精神鍛錬のために剣の修行を積んでいたことから神官戦士としては十分な実力を持っていた。
近隣の村に現れたアンデッドを滅したこともあったらしい。

GM:アルバスとは違ってティダンの声を聞き、神聖魔法を扱うことのできる神官だったと同時に卓越した戦士だったようです。

リラ:神官戦士!
パローロ:逞しいな
リゼル:なぜ亡くなっちまったのか
GM:アルバス曰く「病」ですね*情報整理
パローロ:ロアちゃんにも死因聞いてみたいかな 相違なければ良いが……

GM:ロアに聞いた場合、「アルバスが病と言っていたので自分も疑わなかった」という趣旨の答えが返ってきますね
パローロ:きな臭ぇ~~~~!!!
リゼル:さすがに妹の前で墓暴くわけにもいかんわな

リラ:「へぇ……すごいなぁ!」
リゼル:「立派な神官戦士だった訳だ」

GM:ちなみにロアは話し終えると小屋に引っ込んでしまいます

パローロ:「あとは……冒険者二人組が墓に来たかどうか、かな」*小声
ヒルデ:「あ、そっか。冒険者のしてた指輪がお墓で見つかったんだっけ」
リゼル:「墓に向かう途中の道で見つかった、ということだったね」

リゼル:「私は墓地を軽く見回っておくとするよ」
リラ:「ボクは現場や被害者宅を訪ねてみようかな」
パローロ:「墓から村に戻るまでの道を調べておくのも良いかも」
アレックス:「指輪の見つかった道、か……」*気だるげ

GM:それでは、リゼルさんが墓地の中を軽く歩き回っている間に他の皆は次の予定を立てている……って感じですかね。
ひとまず次は指輪の発見された、墓から村に戻るまでの道……と。

3-3. 墓場へと続く道

GM:◆描写◆
村はずれの墓地に続く道は、両脇が石垣で挟まれている。
石垣の上には小さな畑が作られており、見通しはあまり良好ではない。

この道に至る途中で、数日前に雇われた冒険者は消息を絶ったという。
現場に残っていたのは冒険者が身に着けていた「俊足の指輪」だった。

GM:指輪が見つかったというポイント自体は町長のドレアムから目印を聞いているのですぐにわかります。
リゼル:マップにマーカーが引いてあるやつだ

リラ:「リゼルも言っていたけど、指輪だけ落とすなんてヘンだよ!」
ヒルデ:「ここかぁ……」*周囲を見渡し
パローロ:「何か、他に手掛かりがあればいいけど」*しゃがみ込む

GM:ここでPC達は「探索判定(スカウト or レンジャー+知力B)」をどうぞ。 難易度は12です。

リラ:2d6 平目
<BCDice:リラ>:SwordWorld2.5 : (2D6) → 3[1,2] → 3
失敗……

パローロ:2d6+2+3  //スカウト観察判定パッケージ
<BCDice:パローロ>:SwordWorld2.5 : (2D6+2+3) → 10[6,4]+2+3 → 15
成功!

アレックス:2d6+1+2  //スカウト観察判定パッケージ
<BCDice:アレックス>:SwordWorld2.5 : (2D6+1+2) → 8[4,4]+1+2 → 11
失敗……

ヒルデ:2d
<BCDice:ヒルデ>:SwordWorld2.5 : (2D6) → 7[1,6] → 7
失敗……

リゼル:2d6+1+2  //レンジャー観察判定パッケージ
<BCDice:リゼル>:SwordWorld2.5 : (2D6+1+2) → 8[2,6]+1+2 → 11
失敗……

GM:パローロさん、今回本当に優秀なスカウトだ……

GM:パローロさんは、「指輪が落ちていたというポイントに向かって歩いてきた、ふたり分の足跡」を見つけます。冒険者達のものでしょう。

パローロ:「……皆止まって。足跡がある」
アレックス:「……!」*慌てて足を止める

パローロ:「二人分の足跡、墓場に向かって……指輪の所まで続いてる」

GM:そしてもう一つ。「石垣の上から飛び降り、指輪が落ちていたポイントに大股で駆け寄っている」足跡を発見することができます。

パローロ:なるほど……?
リゼル:アンブッシュを仕掛けられたってことだな
GM:イエス!

パローロ:「あれ……足跡……と……」*独り言をつぶやきながら、石垣の方を見てみますか
リゼル:「何か気になることが?」
リラ:「どうしたの?」

パローロ:「なんか、こっちの方から駈け寄ってくる別の足跡がある」
リゼル:「石垣の上から? となると……待ち伏せかな?」
アレックス:「え、嘘だろ……?」*気付いてなかったので

ヒルデ:「……うわ、本当だ。よく見つけるねぇ、こんなの」
パローロ:「襲われたのかな、やっぱり」
リラ:「おぉ~、やるねぇ」
パローロ:「それが斥候(スカウト)の仕事だから」*ブイ
ヒルデ:「足跡が残る……少なくとも、戦える相手らしいな」

GM:それでは、足跡に気づいた全てのPCはここで「足跡追跡判定(スカウト or レンジャー+知力B)」をお願いします。みんなで詳細に足跡を調べてみましょう。難易度は11です。

リラ:2d 平目
<BCDice:リラ>:SwordWorld2.5 : (2D6) → 10[6,4] → 10
失敗……

リゼル:2d6+1+2  //レンジャー観察判定パッケージ
<BCDice:リゼル>:SwordWorld2.5 : (2D6+1+2) → 7[5,2]+1+2 → 10
失敗……

パローロ:2d6+2+3  //スカウト観察判定パッケージ
<BCDice:パローロ>:SwordWorld2.5 : (2D6+2+3) → 12[6,6]+2+3 → 17
自動成功!

ヒルデ:2d
<BCDice:ヒルデ>:SwordWorld2.5 : (2D6) → 4[1,3] → 4
失敗……

アレックス:2d6+1+2  //スカウト観察判定パッケージ
<BCDice:アレックス>:SwordWorld2.5 : (2D6+3+2) → 7[4,3]+1+2 → 10
失敗……

GM:強すぎる
ヒルデ:強
パローロ:いやどうした??死ぬのか??

リゼル:「パローロ、追えるかい?」
パローロ:「任せて」*頷く

GM:パローロさんが慎重にその足跡を辿ると……その足跡は指輪のポイントで力強く踏み込んだあと、墓場の方に向かって歩いていった、ということが分かる。更に、その足跡の主は歩くときに僅かに左足を引きずるクセがあるようだ。

パローロ:左足が悪いんですかね
アレックス:癖まで見抜けるのめっちゃスカウトって感じでイイ……
リラ:わかる……

パローロ:「ここで踏み込んで、そのあと……お墓に向かってる?」
リゼル:「墓に、か……」

パローロ:「あと、左足の運びに癖がある。僅かに引きずってる感じ」
リゼル:「怪我……は冒険者を襲ってる時点で考えにくいか」

GM:「左足を引きずるクセがある」ということをパローロさんから共有されたPC達は「冒険者レベル+知力B」で判定を行ってください。難易度はまたもや11です。

リラ:2d+3+2 冒険者+知力
<BCDice:リラ>:SwordWorld2.5 : (2D6+3+2) → 5[2,3]+3+2 → 10
失敗……

リゼル:2d6+2+2 
<BCDice:リゼル>:SwordWorld2.5 : (2D6+2+2) → 8[4,4]+2+2 → 12
成功!

アレックス:2d6+3+2 冒険者+知力
<BCDice:アレックス>:SwordWorld2.5 : (2D6+3+2) → 7[3,4]+3+2 → 12
成功!

ヒルデ:2D6+3+3
<BCDice:ヒルデ>:SwordWorld2.5 : (2D6+3+3) → 7[2,5]+3+3 → 13
成功!

パローロ:2d6+3+3
<BCDice:パローロ>:SwordWorld2.5 : (2D6+3+3) → 8[3,5]+3+3 → 14
成功!

リラ:ボク以外全員成功じゃん~
GM:素晴らしい。この判定に成功したPCは犯人に思い当たりますね
リゼル:なるほど。その時は聞き役に回ろうかな。

GM:判定に成功したPCはティダン神官のアルバスを思い出します
GM:そして彼が歩くとき、僅かに左足を引きずるクセがあることに思い当たります。

GM:ここ本当は神殿でアルバスに会った時に癖を覚える判定やることになってた(忘れてました)

リゼル:「今確認したように、あそこに住んでいるのはあの少女一人だ」
リゼル:「けどパローロ。君が言うには、この足跡は片足を引きずっている癖があるんだね?」

パローロ:「そうみたい。あの子は、別に足が悪い様子はなかったし……」
リゼル:「誰かが墓場の方に人を運び込んでいる、ということになるのか。しかし何処に……?」
アレックス:「そもそも、んなことして何の得になるってんだ?」
ヒルデ:「んー…………んん?」

リラ:「う~ん……」*腕組みして思案

リラ:「……ちょっといいかな?」
パローロ:「?」
アレックス:「なんだぁ?」
アレックス:「?」
リゼル:「なんだい?」

リラ:「証拠があるわけでもないし、ボクの妄想でしかないんだけど……」
リラ:「最初に行方不明になった人って、家の中とか、村に居る間にいなくなったんでしょ?」
アレックス:「そういや、発端はそんな話だったな」*村長の話を思い返し

リラ:「でも、それっておかしくないかな?」
パローロ:「そう?」

リラ:「なんか不用心っていうか……油断しすぎじゃないかな? って」
リラ:「行方不明事件なんて起きてなくても、家の戸締りはするよね?」

リゼル:「つまり、少なくとも最初の被害者を襲った犯人は、被害者から見て信頼に足る人物だと?」
リゼル:「もっと言えば“攫われた”わけじゃなく、ここまで“連れて来られた”可能性もある、とか」*可能性の話だが

リラ:「そう!それが言いたかったんだ」*指を立てる
リラ:「だって、冒険者の人だっていなくなった夜にやってたことは村の見張りだったんでしょ?墓地でいなくなるなんてヘンだもん」

リゼル:「たしかに。夜警というか見回りを頼んだ、って話だったね」
リゼル:「けど、村の関係者なら巡回ルートを聞き出すのも難しくはない。待ち伏せだって出来るわけだ」*なんなら通って欲しい場所を要望もできる
リゼル:「この辺は見ての通り、見通しが悪いからね」

リラ:「つまり……行方不明になった冒険者は誘き出されたんだ」
パローロ:「村人の信頼を得ていて、村の地理に詳しい、左足の悪い人」

リラ:「でも、その”誰が”がわからないんだよね~」
リラ:「やっぱりボクの勘違いかも。アハハ……」

ヒルデ:「……いた
リラ:「え?」
パローロ:「……」*黙って頷く

リゼル:「誰か、心当たりが?」
ヒルデ:「そうだ、あいつ……っ!」*モールを握りしめる

アレックス:「待て待て、一人で熱くなってんじゃねえ」*諌める
アレックス:「あいつって誰だよ」

ヒルデ:「あいつだよ、神官アルバス! ほんのちょっとだけど、歩き方が覚束なかったのを覚えてる」
パローロ:「あまり神殿内で歩いてるところは見えなかったけど、足跡を見て彼を連想する程度には一致してる……かな」*足運びの癖を指で描き

リラ:「え!? でも、あの人はロアちゃんの後見人だよ……!?」
アレックス:「そうだ、神父サマだぜ? こんなことやらかすか普通?」
リゼル:「それは目的によるね」
パローロ:「どんな理由が……?」

リゼル:「神官という職業が、その人間の人間性を担保するわけじゃない。そして……」
リゼル:「悪事を成すのが、皆悪人というわけでもない」

アレックス:「まあ……アンタがそう言うなら」
ヒルデ:「くっそ……本当に腹立ってきた」*今にも駆け出しそう

GM:ちなみに、PC達があちこちを調べまわっている間に日は暮れ始めています。墓場に引き返したら宵の口くらいかな、といった感じです。

リラ:「人族に姿を変える……蛮族」*ふと脳裏に曖昧なイメージが浮かぶ
ヒルデ:「……そういや、いたなぁ」*二週間前に見た
リラ:「今度のがそうかはわからないけど、そういう可能性もあるはずだ」

リゼル:「とにかく墓地に行ってみよう。場所の心当たりはある」
リラ:「うん、そうしようか!」

GM:OKOK! それではPC達は夕暮れの道を急いで墓地へと引き返します。
    何が待ち受けているのでしょうねぇ~。

GM:それでは一旦、ここでセーブとさせていただきましょう。

前半まとめ

冒険者ギルド《鉄橋の守衛》に届いた依頼を受け、漁村へと向かったPC達。
そこで発生していたのは、村人と冒険者が相次いで消息を絶っているという連続失踪事件であった。

村人達に疎まれているナイトメアの墓守、ロアについて調べていたPC達は、村のティダン神殿に務めている神官、アルバスへと目星を付ける。
村はずれの墓地でPC達を待ち受けるモノとは……?

←第一話「旗上げは一番列車と共に」後編

第二話「漁村と忌子と失踪事件」後編→


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