見出し画像

家庭と女性のキャリア構築について思うこと

🌼Happy International Women's Day🌼

ベルリンでは昨年から3月8日が公式に祝日になりました!

私の方からは家庭と女性のキャリアについて。

ベルリンへ移住するために前職を退職することになった際、取引先の方から「寿退社ですね!」と悪気なく言われ、ガツーンと頭を殴られたような衝撃を受けました。そうかー、私寿退社なのか、と。移住することを決断したものの、なんらかの形で仕事は続ける気満々だったので、寿退社という単語が持つ手垢のついたイメージと自分がどうしても一致しなかったのです。

我が家は私の配偶者と私のキャリアの2つを並べた時、私のキャリアの方がまだ柔軟性がありそうだったこと、配偶者が今の働き方を継続することの方が、私がそのまま継続するよりも意義があるだろうと考え、私の方が移住するという選択になりました。ドイツ語は働くレベルには達してないけれど、「なんとかなるだろう」という甘い見込みもありました。

働くことが当たり前で、働くことを通じた社会参画も当たり前に感じてきました。だから働くことを辞めるという選択肢はなかった。

でも、「寿退社」という言葉が一人歩きするにつれ、私のような(客観的には)キャリア思考の人間が仕事を辞め移住したことで、「働くといってもその程度の覚悟なんだろう」と誤解されたり、「男性のキャリアと女性のキャリアが両立しないとき、男性のキャリアを優先するのはやはり仕方がないことだ」というイメージを与えてしまうのがとても嫌でした。

特に上の方々から「勿体無いけど、正直君がそう考えられる人で安心したよ」「旦那さんを支えてあげてね」と言われることに、ものすごくモヤモヤとした思いも抱きました。前時代的な価値観に反発して自立したキャリアを築いてきたはずなのに、自分がその代表のように捉えられることに、周りの働く女性たちに対する裏切りの様な、後ろめたさも感じました。

私は旦那のキャリアを心から応援していますが、自分のキャリアも諦めていません。

それもサポート的な仕事ではなくて、責任あるキャリアを諦めていません。

今の時代は、多様な生き方がある時代です。
国境を超えることも、珍しくなくなってきました。
そして、多様な働き方を支えるいろんな技術も追いついてきました。

子育てや介護といった家庭の事情と自分の仕事の板挟みになったとき、配偶者や自分が海外駐在になったとき…今後ますます増えるであろうそういうケースに、「女性がキャリアを諦める」という画一的なモデルが当然にならないで欲しい。

リモートワークのための技術の導入や、会社の制度が整っていないのであればその制度を…そしてその時々のご家庭の状況で、女性のキャリアが優先されるケースやタイミングだって、沢山あるはず。各家庭がその時々の事情に応じて、自分の家庭にとってベターな選択を自由に選択できる空気を。そして周りもそれを応援できる空気を。男女どちらが一旦前線を引いたとしても、キャリア断絶を防ぐ社会を。

先人たちが私たち世代のために女性のキャリア構築の道を切り拓いてくれてきたように、私自身がビジネスの相手方に対しても働きかけをしていきたい、多様な働き方を少しでも実践していきたい、諦めることなく頑張っていきたい、と思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?