2021.9:夜長
月がにごる夢の中
竦むきみを
風が迎える
ガス灯が記憶を照らす
溶けだす輪郭を
風がとどめる
やがて街を抜け出す
冷たい砂 ふかい呼吸
金色が頭上をまう
9月。
一年をぴったり半分に折って広げてみたら
折り目は少しだけ右に寄ってる気がする
突然
長くなった夜に
冷たくなった風に
戸惑い 焦り 寂しくなる
夏休みが終わって日常が始まる
"何もかも久しぶり、だから仕方ない"
という変な御守りを持って行く
1日ずつ元の形を取り戻し
1つずつあたり前がかえってくる
あたり前をこなす
あたり前にこなしたい
あたり前がこなせないかも
あたり前がこなせない
普通の1日は
案外難しい
御守りの効果が薄れていく
でも大丈夫
何もない日も
何かある日も
少しずつ短くなる
夜は自分だけの時間にしよう
風に背を押されて歩く
ゆっくり息を吐いて
星を見上げる
Y. Hagi
from vongoleblanco
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