WC個体、しかも飼育下での繁殖の例が殆どなく情報も少ないトカゲを飼うにあたって人生でいちばん悩んだと言っても過言ではない

ピーターズバンデッドスキンクというトカゲに一目惚れしました。アカハライモリ以来の衝撃で、池袋の爬虫類ショップで見たときはかわいすぎて涙が出てお店の人にバレないように慌てて拭ったほどには惚れました。

ピーターズバンデッドスキンク、別名ジャイアントサンドフィッシュスキンク、サハラナミダメスナトカゲ。つまり、ピーターズバンデッドスキンクとは、最大25cmくらいになりよく潜る、サハラ地帯とかに住む目がうるうるしたスキンク。スキンクというのはニホントカゲがいい例で、そういうつるつるしたトカゲたちのことを指します。
性格はおっとりしていて多頭飼いも余裕。人にもよく馴れハンドリングもできる。なんでもよく食べる。丈夫で飼いやすい。ほぼ潜っているから脱走の心配もなく猫がいても大丈夫。その上泣くほど惚れたのに、私は飼うか否かとてもとても迷いました。

最初迷いは初めての爬虫類飼育への不安から生じたものでした。初めての爬虫類でマイナー種。レオパやニシアフなど人気種と比べると情報の少なさが明白でした。日本語のウィキないし。英語はあったけど情報量少ないし。
でも最近ピーターズは徐々に人気を獲得していっているらしく、飼育環境なんて生体に合わせてかえていくものだしまあTwitterとかで情報共有すれば大丈夫やろ、という結論に最近至りました。

しかし爬虫類飼育を始めるにあたって知識を深めているうちにまた新しい迷いが生じました。
ショップで売られている生命体には“WC個体”、Wild Caught、つまりどっかから誘拐してきた個体と、“CB個体”、Captive Breed、つまり人間のもとで生まれ育った個体の二種類がいるそうです。ピーターズバンデッドスキンクの場合、情報が少なく手探りで行われているため繁殖例が日本では1例しかないほどに飼育下での繁殖は難しい、、ので手に入る個体は必ずと言っていいほどWC個体。誘拐したきた子たちというわけです。

経済的なことはよくわからないのでさておき、、私がピーターズバンデッドスキンク、飼育下での繁殖が難しい誘拐してきたトカゲを飼うということは種の保存的には超最悪だということに気づきました。様々な生き物を絶滅に追い込んだ人間を揶揄して生きてきた私にとってそれはとてもとてもショックでした。
飼われる側にとっての飼われるメリットとは生存率が爆上がりして子孫繁栄しやすくなる、くらいですからね。それすらさせない、相手にメリットを殆ど与えない鬼のような行為を私はしようとしていたというわけなんですよ。
それは究極のエゴイズムと言っても過言ではないでしょう。エゴイズムの頂点。トップオブザエゴイズム、いや、トップオブジエゴイズム。ただでさえ飼育は人間の身勝手極まりない行為、余計なお世話の絶頂なのにそれに更にエゴにエゴを積み重ねたもう人間の傲慢の極みのようなことをしようとしていたわけですよ、私は。

でもその残酷な事実に気づいたとき、私は既に売約というものをしてもらってしまっておりました。迷ってるうちに売り切れて後悔してからじゃ遅い!と最初の迷いすらも断ち切れないまま前金を払ってお取り置きしてもらっていたのです。
それをやっぱやめますなんて迷惑でしょ。それこそ自分勝手。そして私がやめてもいずれピーターズは誰かしら人間の手に渡ることになるでしょう。だったらそれが私だろうが私じゃなかろうがピーターズたちにとっては同じこと。ならもういっそ開き直って飼ってやろうと思いました。

明日お迎えするのは1匹だけど慣れたらたくさん飼ってやります。増やしてやります。種を保存してやります。情報がなければ現地調査をすればいい。ということで、そのうちトーゴかガーナに行こうと思います(^-^)

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