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データでみる岩隈久志の凄さと逆境でも変えない強さ

今回は、取り上げるのは、岩隈投手です。
今月19日に引退を発表し、本日会見予定となっております。

日本、そしてメジャーリーグでも長年活躍した岩隈選手の凄さをお伝えしたいと思います。
実は、コメントでも「取り上げてください」との声をいただいていたのですが、故障で出場できていない中でしたので、復帰した暁には!と思っていました。
引退ということで寂しいタイミングでのお話になってしまいますが、岩隈の変えない強さと知ってもらえたらと思います。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。

岩隈久志投手プロフィール

岩隈は東京出身で、堀越高から99年ドラフト5位で近鉄に入団。プロ4年目の03年に初の2ケタ勝利をマークした。翌04年はアテネ五輪日本代表「長嶋ジャパン」に選出され銅メダルを獲得した。

05年からは新球団の楽天でプレー。エースとして08年には21勝で最多勝、最優秀防御率、沢村賞を受賞した。09年にはWBC日本代表として原監督のもとで世界一に貢献し、ベストナインにも選ばれた。

海外FA権を行使して12年から米大リーグのシアトル・マリナーズに移籍。15年には野茂英雄以来となる日本人2人目のメジャーでのノーヒットノーランを達成した。メジャーでは3度の2ケタ勝利を含む63勝をマーク。19年からは巨人に入団し、8年ぶりに日本球界に復帰した。

巨人では、17年9月に手術した右肩を考慮して慎重に調整。だが、今季も右肩の状態を慎重に見ながらリハビリが続き、ここまで1、2軍含め実戦登板はなかった。巨人では故障との闘いだったが、それでも絶対に下を向かずに前向きに練習に取り組み、豊富な経験をもとに若手に熱心に助言する姿や、親身になって相談に乗る姿も含めチームに大きな影響を与える存在だった。

日本で通算107勝、メジャー通算63勝で日米通算170勝。

このようにみてみると、意外とエリートというよりは逆境が多い選手なんですよね。

・甲子園にいけずドラフト5位。
・好成績を残したにもかかわらず球団の合併で移籍。
・移籍後は故障やルール改定により離脱

など。

次のチャプターでは、そんな中でも長年活躍してきた秘密をデータの観点から探っていきます。

シュートしてるストレート?データでみる岩隈投手の凄さ

9/11放送「#39 データでみる藤川球児の『凄さ』と次世代の注目投手とは」で紹介した、トラッキングデータを用いて岩隈投手のピッチングを分析していきましょう。
メジャーリーグでは投球された全てのボールをトラッキングしており、ボールが何センチ曲がったなどが全球わかります。

この中で、ボール変化量というデータがあります。
藤川投手の会では、代名詞「火の玉ストレート」はホップ成分、いわゆるボールの伸びが非常に特異であったという話をしました。
この岩隈投手のデータをみると、いわゆるノビは平均よりも少ないです。むしろ一般的な投手よりもシュートしています。
しかも球速は遅い。

それでもメジャー通算で63勝できたのは何故でしょうか。

岩隈投手の球質を見てみると、高速に動くように小さく変化する球質です。カットボール・2シームなど高速に小さく曲がる変化球も持っており、いわゆる「ゴロで討ち取る」特徴がありました。
しかも、各球種とも微妙に変化を変えられるという特徴を持っており、打者を見ながら強弱をつけるテクニックを持っていました。

日本の指導では、伸びる速球が良しとされ、岩隈投手のように「動くボール」は推奨されないことが多いです。
ただし、岩隈投手のように、それらのボールをピンポイントで低めに集めまくることができればメジャーでも活躍できるということを証明してくれました。
また、代名詞であるフォークボールも、大きな威力を発揮したことで、その後のメジャーに挑戦する日本人投手にも大きな影響を与えたと言って良いでしょう。

近年メジャーリーグでは、「ピッチトンネル」という概念が流行をみせています。
複数の球種を途中まで同じような軌道を辿るように投球することで、打者は球種の判断が困難になるというものです。
高速に小さく変化するボール、そして抜群の制球とまさに岩隈投手が打者を惑わせていたような技術が見直されてきています。
早期から、非常に前衛的なピッチングスタイルであったと言えるでしょう。

ここでは岩隈投手の凄さを紹介してきました。
逆境が多かったプロ野球人生の中で、このような武器を持っていた岩隈投手に学ぶこととして。
次のチャプターでは、今日のtipsをお話ししていきます。

逆境こそ自分の武器を

岩隈投手に対して、楽天時代に同僚であり現在は智辯学園和歌山高等学校の硬式野球部の監督を務める中谷仁さんは、以下のように語っています。記事より抜粋します。

そしてもうひとつ、彼の大きな武器がメンタルの強さなんです。昔からクマは、少しの期間離脱すると、必ずといっていいほど状態を上げて戻ってきます。「そこを強化して帰ってきたか」と思うことが何度もありました。

リハビリの間、しっかりトレーニングを積んだ証なのですが、彼はひとりになった時の時間の使い方がうまかった。とにかくクマは、「自分のやっていることは正しい。絶対に良くなる」と信じられる力がありました。たとえケガをしたとしても、「この間にここを鍛えよう」という考えができあがっている。だから、地道なトレーニングにも耐えることができるんだと思います。

また、2013年の記事ではありますが、「メジャー2年目の飛躍。岩隈久志の変えない凄さ」という記事においては、岩隈が試合後に必ず言う言葉がある。

「自分の投球ができている」
インパクトのある言葉ではないが、なかなか口にできる言葉でもない。アメリカに来て試行錯誤を重ねる選手は多いが、岩隈は何ひとつ変えていない。岩隈の表情は自信と充実感に満ちていた。

とのことです。

真っ直ぐ、スライダー、フォーク……そういう一つ一つのボールは相手を抑え込めるような一級品である必要はないと思っています。

ナンバーでも語っているように、焦らず着々と自分の武器を磨いている事に気づかされます。
「逆境こそ自分の武器を変えない」
なかなかできることではないと思います。それを今日のtipsとしたいと思います。

仕事においても、生活においても、目まぐるしい変化に晒されています。
そんな中で、逆境に出逢ったとしてもまずは変えずに信じてみるということを実践してみてはいかがでしょうか。

終わりの挨拶

はい、本日はいかがでしたでしょうか?
岩隈選手、取り上げてみて改めて引退寂しいな〜と思いました。
僕、小学生の時からパワプロで使ってた選手なので、改めてデータを分析して特徴を見てみても、あーと感慨深かったですね。

ぜひね、皆さんも思い出の選手なんかいればぜひ教えてください〜

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。
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