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声質変換で声優という職業はどう変わる?

以前、音声合成技術に着目して以下のようなブログを書きましたが、今回は声質変換技術について纏めてみます。

声質変換技術の紹介をした際に、「声優の仕事がなくなるのでは?」という質問をいただくことがあります。

たしかに、どんな声でも出せるようになると、声優は優れた技術をもった少数のみで良いのではないかという考えもあります。

しかし、私の見解としては、NOです。

実際、もう既に声優の仕事は、単にアニメや映画のアフレコのみではなくなっていて、イベントやTV・ラジオ番組等に出演することが仕事の大きな部分を占めつつあります。

従って、声優として成功するためには、技術や、特徴的な声色は前提として必要ではあるのですが、「ルックスが良いこと」や「キャラクターがたっていること」も条件の一つになっているそうです。

とはいえ、声質変換技術が働き方に大きく影響を与えることは確実だと思います。
ただし、仕事がなくなるのではなく、むしろその逆で、声優の仕事の幅を広げることにすら繋がると考えています。

例えば、声だけをライセンス化して販売するといったことも可能になってきます。
様々なイベントでキャラクターが出演しますが、声はキャラクターの声で、演じているのは別の声優といった状況も考えられます。
そうなると、声を提供する声優、演じる声優にわかれるといったことが起こり得ます。
声優が活躍できる場が増えそうですよね。

ただ、やはり売れる人とそうでない人の差が大きくなる傾向が、より加速することにはなると思いますね。


声優に限った話ではありませんが、AI技術の発達によって、どんな職業でも+αの何かをもっていることは必要になってくるのだと思います。

以前のブログにも少し書きましたが、アナウンサー業界だと既にその変遷が始まりつつあります。

音声アシスタントのニュース読み上げは、大部分が音声合成された機械の声ですし、地上波でも音声合成がナレーションに使われているケースがあります。
NHKでも、ニュースのヨミ子さんのように、AIがレポーターとして採用されています。

しかし、明るいイメージが求められる朝のニュース番組でアナウンサーが出なくなることはないと思いますし、バラエティ番組の司会のように臨機応変な対応が求められるケースでAIに代わられることはないと思います。

このように、AIが得意な部分と、人が得意な部分がちゃんと定義されて、上手く棲み分けがされるようになってくるのではないでしょうか。

AI時代にどう自分の能力を活かしていくのかは、どんな職業でも考えていく必要はありそうですね!


株式会社voiceware
代表取締役CEO 田村一起
http://voiceware.co.jp/

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