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呼応すること

 先週末、VVアパートメント怪談朗読ライヴあかずの間「四谷怪談」名古屋公演が無事終わりました。毎回思うけど、タイトルが長すぎです。自分でつけといて、なんですけどね。「四谷怪談」が4回目の怪談朗読ライヴだった・・・と気づいたのは、演目決めてから随分経った後で、市野さやかにそう話したら「え? わざとじゃなかったんですか??」と呆れられてしまいました。ええ、そんなもんです。私はだいたい、色んな事に気づくのが遅い。まあ、でも、なんとなく意識のどっかにあったんでしょうね、ということで(笑)。

 さて、2015年のクリスマス朗読ライヴから、カメラマン・荻野哲生さんに写真を撮っていただいてます。初めは、朗読ライヴの写真なんて、変化がなくてあまり撮り甲斐がないだろうな・・・なんて思っていたのですが「よくぞその表情を押えてくださいました!!」という写真が出来上がってきたので、それからは毎回のライヴはもちろん、プロフィール写真も撮っていただいています。最近では撮影が終わってから
「あの主人公って結局どうなったんですか!?」「あれ、切ないなあ」
なんて内容もしっかり聞いてくださっていて嬉しいなあと思っていたんですが、今回の四谷怪談の写真を観て、私、思わず、泣いてしまいました。

 荻野さんは毎回、全く内容を知らずに撮影するんですが、私が声で表現したかった世界観を、まさに映し出してくれました。役者同士の関係性、間合い、心情・・・。そんな「形」には残せないものを、切り取ってくれました。今まで撮っていただい写真の中で一番良かった。写真集を作りたいくらいです。いや、もう作っちゃおうかしら、マジで(笑)。

 それと。今回の舞台装置「蚊帳」と「赤い布」は設置がなかなか大変でした。でもどうしても今回の演出で外せないものだったので、かなり新研吾あぼともこに無理を言いました。説明が下手で、大概「ひゃっとなってびろ~んときて、きゅっとさあ」という擬音の表現(こうやって書いてみるとひどいね)「ああ、きっとこんな感じなんだろうね・・・」と汲み取ってくれて、形にしてくれました。

 「声」は形がなくて、表現したい事は心もとなくて、でも、こうして荻野さんやVoiceVoiceのメンバーが呼応しあって形になっていくのは、なんて幸せな事だろうと、写真を観ながらしみじみ噛み締めました。

来年の怪談も楽しみにしててくださいねっ!!
photo by 荻野哲生
#カメラマン #荻野哲生 #怪談 #VoiceVoice

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